※794年の遷都により誕生した平安京。その後1869年に東京へ首都機能が移るまで約1,000年の間、日本の首都として繁栄した京都(および滋賀大津市)の文化財17件が登録されています。(登録年:1994年)
時代:平安時代
東寺(京都市南区)
(訪問日:2021月9月13)
昨年の夏、コロナの感染拡大もあり、ほぼ家と週末近所をランニングするだけの日々を送っていました。気づけば「・・・半径3キロ以内しか移動してない」状態。
いい加減、家の白い壁もテレビの液晶画面も見飽きた!そうだ!京都に行こう!と思い立って行った先が東寺でした。東寺の仏像が好きで、京都駅から近いこともあり、何度となく訪れた場所ではありましたが、何だか急に行きたくなったんです。東寺ってそういうところです。(そうなの?)
東寺の歴史
平安京の遷都を行った桓武天皇は、それまで力の強かった平城京の仏教寺院を平安京に移しませんでした。その桓武天皇が支持した新しい仏教が「密教」です。
密教というのは、秘密の呪法(おまじないのようなもの)の伝授、習得によってさとりをひらく仏教のことです。現世利益が重視され、貴族や皇族に流行しました。
この密教の代表人物が最澄と空海。二人とも唐に渡り、帰国後、最澄は「天台宗」空海は「真言宗」の開祖となります。
東寺は、平安遷都ともに官寺(国立寺院)として建立されました。その東寺を嵯峨天皇から託された空海は、ここで国家のために密教の修法をおこないました。
もう一つ、この時代の空海の代表的な寺院と言えば、高野山の金剛峯寺。
お遍路旅をした私にとって、(勝手に)空海さんは身近な存在。
ちなみに、天台宗・最澄が開いた寺院が比叡山延暦寺。こちらも以前行ったことはありますが、久しく行っていないので、久々参拝して記事を書きたいと思います。
延暦寺も東寺も、1994年【古都京都の文化財】の構成資産として、世界遺産に登録されています。
境内案内
食堂(じきどう)

東寺は、境内の南から北に「金堂」「講堂」「食堂」が真っ直ぐに並んでいます。
それぞれ「仏」「法」「僧」を表しており、食堂は「僧」に当たり、修行僧の方たちが生活の中に修行を見出す場となっています。
元々の建立は、平安時代。現在の建物は昭和5年の火災後、再建されたものです。
本尊は、千手観音でその周りを四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)が護っていました。しかし、食堂の火災によりこれらの仏像も焼損してしまいました。
現在は、十一面観音菩薩が本尊となっています。焼損した四天王は、今もこちらの食堂で拝観することができます。真っ黒に焼けこげ、腕なども損失している仏像は、痛々しいながらも、迫力があります。
また、こちらの食堂は納経所となっていて、四国八十八か所巡礼のスタートをここから行う方もいるためか、お遍路の御朱印帳も売ってました。(そういえば、香川歩いてるときに「東寺からずっと歩いてるねん」っていうすごいお遍路さんに会ったな。)
なお、食堂は拝観受付外にあるため、拝観料は不要です。
講堂

講堂は、東寺の中心的建物かつ、立地も境内の中心に位置しています。
835年頃の完成後、自然災害での大破、修理を行ってきましたが、1486年戦火により焼失。現在の講堂はその後、1491年に再建された建物です。
堂内には、大日如来を中心とした21体の仏像が安置されています。これは、密教の教えを表現する立体曼荼羅を表現したもの。国宝・重要文化財の仏像がずらりと並ぶ様は、非常に見ごたえがあります。中でも、こちらの帝釈天は「イケメン」仏像として紹介されたりして、人気も高いです。確かにとてもお顔が凛々しくて、私もすごく好きな仏像です。
金堂


本堂である金堂は、東寺で最初に建立された建物です。講堂同様1486年に焼失後、豊臣秀頼の発願によって再建されました。
正面からだと、広角レンズでも入りきらない。(単に自分が後ろに下がって撮ればいいだけやんって、今気づいたあんぽんたん。)
こちらの堂内には、台座の周囲に十二神将像が配置された薬師寺坐像、その両脇に日光・月光菩薩像が安置されています。
五重塔


東寺の象徴と言える五重塔。
新幹線や近鉄線の電車の中からも見ることができます。
なんせこちらの高さ55メートル!木造の建造物としては日本一の高さです。
五重塔は創建時に建立されましたが、落雷などにより4度焼失。現在の塔は、1644年徳川家光の寄進によって再建されたものです。
五重塔内部は非公開ですが、特別公開の折に拝観できることがあります。
御影堂(大師堂)

伽藍の北西にある御影堂は、弘法大師の住居地だった場所です。
堂内には誰も見たことがない秘仏の不動明王が祀られているそうです。
この御影堂では、毎朝6時弘法大師が唐より持ち帰った仏舎利を授けて頂く生身供(しょうじょうく)が行われています。
こちらも最初に紹介した食堂同様、拝観料なしで拝観することができます。
アクセス
JR京都駅より徒歩約15分
おまけ
東寺のあと、全く行く予定にしてなかったんですが急に水族館に行きたくなり、京都水族館に行くことにしました。(東寺から徒歩10分ぐらい。)
平日だったのでとても空いていました。ソロ水族館は、個人的にそんなにハードル高いとは思わないんですが、断然平日がおすすめです。
私にとっては、美術館とか博物館とか同じようにざっくりと鑑賞系の場所っていう位置付けで。むしろ一人の方が自分の好きなものを好きなだけ、時間かけて見れるのでソロで行く方が好き。(ドラマ『ソロ活女子のススメ』でも同じような理論を言ってた。)

オオサンショウウオ ぎゅうぎゅう詰め
笑いながら寝てるゴマちゃん(可愛すぎで結構な時間ここに張り付いてみてた。)
パッと見首無しゴマちゃん
エイの裏側(なぜか水族館に行くと必ずエイの裏側写真撮ってしまう)


永遠に見てられるクラゲたち
ニモとドリー