歴史巡りの旅。
教科書で一度は目にしたことがある、その時代を代表する遺跡・歴史建造物を紹介しています。
時代:奈良時代
(訪問日:2021月10月31日)
しばらく海外旅行の記事が続いたので、久しぶりに国内の歴史巡りの記事です。
去年の秋に、久々奈良の平城宮跡に行って来ました。奈良育ちの私にとって、ここはとても身近な場所で、昔からお花見したり、友達と集まってワイワイしたり、バトミントンしたりと完全に「公園」として訪れていた場所です。よく考えたら贅沢ですね。
世界遺産にも登録されている史跡、しかも奈良時代の宮跡ではありますが、今は結構こんな感じで憩いの場所として使われています。
ただ、少しずつではありますが、昔の建物の復元がされたり、観光施設が増えたりと、私が子供の頃の単なる原っぱから、ちゃんと(?)歴史観光地として楽しめる場所になってきています。思いのほか楽しくて、むしろ全部まわる時間なかった。やるやん、平城宮跡。(上から目線)
平城宮とは
平城京ができたのは、710年。元明天皇の時代、藤原京から都が遷されました。
(「なんと素敵な平城京」の語呂合わせで覚えた方も多いのではないでしょうか。「710」と「南都」がかかっている素晴らしい語呂合わせやと個人的に思ってます。)
これ以後、平安京(京都)に都が遷る約80年間を奈良時代といいます。
(ちなみに私は、奈良時代の「藤原氏」と「藤原氏以外」が交互に権力を取り合うちょっとドロドロした感じの勢力争いが面白くて好きです。)
都は、当時の中国「唐」の長安にならい、碁盤の目のように区画されていました。(条坊制)
都の中央を朱雀大路が南北に走り、東が「左京」西が「右京」
その広さは、東西約4.3キロ、南北約4.8キロの長方形の東側に、東西約1.6キロ、南北約2.1キロの外京が加えられていました。
中心となっていたのは、大極殿、朝堂院、内裏など。
当時はここが政治の中心だったわけですが、先ほども書いたように今は一部復元建物はありますが、憩いの場として「平城宮跡公園」として親しまれています。
エリア紹介
平城宮跡公園の地図がこちら。
公共交通機関の場合、近鉄線「大和西大寺駅」が最寄りなのですが、そこから徒歩10分強ぐらいかかります。そして、到着するのは朱雀門など目立った建物前ではなく、小さな資料館横の道。(地図左側の真ん中あたり「現在地」となっている場所)
これが電車で来たとき、ちょっと残念なんですよね。ドーンと門に到着する訳じゃないので。
公式HPで分けられているエリアに則って、各場所をご紹介します。
第一次大極殿院エリア
平城宮の朱雀大路の延長上にある場所が、「第一次大極殿院」と呼ばれていました。
大極殿院は、国家儀式や外国使節の歓迎儀式などが行われていた場所です。
平城宮には、東側にもう一つ大極殿院と想定されている場所があります。
現在、こちらの「第一次大極殿院」の復元計画があり、順次整備されていくそうです。
ただ、門の建設だけで5年の歳月が費やされているので、完全復元にはかなりの年月かかりそう・・・
大極門(第一次大極殿院 南門)
2017年11月から復元工事が行われていた大極門。私が訪れた2021年10月末はまだ完成前でしたが、2022年3月19日ついに施設オープンしたそうです。
「ついに」とか言ってますが、5年も前から工事してたことも全く知らなくて
え?なんかまた新しいの増えてるやん
ってこの日行って初めて知った。
開館時間 | 10:00~18:00(入場は17:30まで) <夏期6~9月>10:00~18:30(入場は18:00まで) |
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休館日 | 2月・4月・7月・11月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)12/29~1/1 |
入場料 | 無料 |
(平城宮跡公園公式HPより抜粋)
ちなみに、この門を背に、朱雀門側を見た景色がこちら。
私が子供の頃、朱雀門もまだなかったんですよ。歴史価値も分からんし、単なるだだっ広い原っぱやと思ってたのもうなずけるはず。
第一次大極殿
第一次大極殿院は、740年に恭仁京に一時遷都されるまでの間大極殿が置かれていた場所。こちらがその復元。平城宮最大の建物です。
当時の建物は、恭仁京遷都の際移築され、その後山城国の国分寺金堂になりました。
ここ、できてから一度も入館できてなかったんで行きたかったんですが、昼過ぎから訪れて先に朱雀門とか資料館とか見て回ってたら開館時間過ぎちゃったんですよね・・・
入場16時までなので、要注意。
開館時間 | 9:00~16:30(入場は16:00まで) |
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休館日 | 月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
入場料 |
無料 |
朱雀門(すざく)エリア
朱雀門
10月末は、ススキが咲いて(?)ました。
この平城宮跡の特徴と言ってもいいと思うんですが、地図を見ても分かるように、遺跡の中を近鉄電車の線路が横切っています。
なので、朱雀門から先ほど紹介した大極門の方を見ると、電車が走ってるのが見えます。
電車に乗ってると、両サイドに平城宮跡が広がる光景を見ることができます。
近鉄奈良線の大和西大寺駅から新大宮駅間の車窓は、日本でも恐らく相当レアであろう遺跡ビューです。
平城宮の正門である朱雀門。朱雀とは、南を守る中国の伝説の鳥のこと。
こちらの門は、間口約25メートル、高さ約20メートル。平成10年に復元されました。
朱雀大路
朱雀門から南へ延びる道は、朱雀大路。平城京のメインストリートで幅は74メートル。両サイドに柳が植えられていたそうで、当時の朱雀大路の姿が再現されています。ただただ、だだっ広い。
二条大路
平城宮を東西に通っていた二条大路。朱雀大路に次ぐ規模の道だったそうです。
朱雀大路を挟んで、「観光交流施設」と「平城宮いざない館」があります。
観光交流施設
朱雀大路の両側にできていたこれらの施設が、「観光地っぽい!!」と久々に来て私が一番驚いた場所です。
観光交流施設には、「天平うまし館」「天平みつき館」「天平みはらし館」「天平つどい館」の4つの施設があります。
せんとくんも感染対策中。
復元された遣唐使船。
「天平みはらし館」には展望デッキがあり、平城宮跡を上から眺めることができます。
まぁ、言うてそんなに高い展望ではないので、眺望はこんな感じ。でも、今まで上から見たことなかったんで凄く新鮮な景色です。
あとこちらでレンタサイクルも借りれるみたいです。平城宮は広いので、全域をしっかり見たいという方は自転車で回るのもいいと思います。ただ、駅から徒歩の場合、ここまで来るのに20分かかるのが難点。
平城宮いざない館
平城宮に関する資料、出土品、全域の復元模型などが展示されています。
分かりやすくて、しかも無料!!ちょうどこの頃、『歴史能力検定(日本史)2級』の勉強中だったので、1つ1つしっかりお勉強しながら見てまわったら、思いのほか時間がかかりました。
第二次大極殿エリア
朱雀大路の東側に位置する第二次大極殿エリア。何度も来た平城宮跡ですが、この東側エリアにはほとんど来たことがありません。なぜなら駅から遠いんです。約30分ほどかかります。
第二次大極殿
基壇や柱跡などが復元されています。この復元は結構昔からあったと記憶しています。
内裏
東院庭園
平城宮には、日本の他の古代都の宮跡地区にはない東部分の張り出しがあります。
(今回3度目の登場の全体マップ)
その飛び出し部分の南にあるのが、東院庭園。
称徳天皇がこの地に「東院玉殿」を建て、宴会や儀式を催しました。いわゆる『迎賓館』にあたるものです。
その後光仁天皇の建てた「楊梅宮」もこの地にあったと考えられています。
発見されたのは昭和47年。平成10年に復元が完成しました。
何度も来たことがあると言っている平城宮跡ですが、この庭園に来るのは初めてです。
だって宮跡の一番端っこにあって、遠いんだもん。正直「何かあるな~」ぐらいにしか思ってませんでした。
でもわざわざ来てみてよかった。
「こんな場所だったんだ!」と新しい発見&思いのほか素敵なお庭でした。
敷地の中央部に池があり、複数の建物が再現されています。
建物跡は発掘されましたが、意匠や使用目的などは不明のことが多いそうです。
公開時間 | 9:00~16:30(入場は16:00まで) |
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休館日 | 月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
入場料 | 無料 |
駐車場 | あり |
アクセス | 近鉄大和西大寺駅より徒歩30分 |
(平城宮跡公式HPより抜粋)
アクセス
近鉄大和西大寺駅から徒歩約15分(宮跡西側の平城宮跡資料館まで。)朱雀門までは、徒歩約20分。
ぐるっとバスで「朱雀門ひろば前」まで約10分
※路線バス学園前行きで「朱雀門ひろば前」まで行くことも可能
久しぶりに来た平城宮跡は、懐かしさと新鮮さがあってとても楽しい場所でした。
あと本当に広いので、一通り見て回ろうと思うといい運動にもなります。
(なので、真夏と真冬はおすすめしません・・・)
今後も復元計画は進むみたいなので、どのように宮跡が発展するのか(跡地が発展っておかしな表現だな)楽しみです。