春の風景を求めて富山&新潟の旅5日目。
4日目に直江津駅近郊にある「上越市立水族博物館 うみがたり」に訪れたあと、この日は糸魚川駅近くのホテルで宿泊。
4日目の出発地である滑川駅からの位置関係は、滑川駅→糸魚川駅→直江津駅となるので、来たルートを戻ることになります。
なぜあえて糸魚川で宿泊したかと言いますと、タイトルにもあるように「えちごトキめき鉄道」が運行する観光列車『雪月花』に翌日乗車するため!
この列車の始発駅が糸魚川駅ということで、わざわざ戻って来たのでした。
(乗車したのは午後便だったので、直江津周辺で宿泊して、午前中に移動しても良かったんですけどね。)
鉄印を集める前からずっと乗りたかったこの列車。2か月程前に予約して、乗車を楽しみにしていました。この「雪月花」の乗車に合わせて、前後の旅スケジュールを組んだと言っても過言ではありません。しかし、タイトルで行先の駅名が(予定)となっているのがフラグです。何が起こったのかは、本文で・・・(今回の記事、ちょい普段より長めでお送り致します。)
- えちごときめき鉄道の鉄印
- えちごときめきリゾート「雪月花」
- 午後便出発の「糸魚川」駅
- 「雪月花」の車内案内
- 「雪月花」午後便の運行ルート
- お食事「漁港直送、漁師の豪快コース」
- 楽しい列車旅は、まさかの事態で終わりを告げる・・・
- おまけ
えちごときめき鉄道の鉄印
えちごトキめき鉄道も、富山で乗車したあいの風とやま鉄道のように、鉄印をもらうためだけではなく、観光の移動手段として今回3日間利用しました。
その中の1日を「雪月花」に乗車して、ちょっと特別(結果的に色んな意味で)な列車旅を経験した次第。
えちごトキめき鉄道の鉄印は、直江津駅と糸魚川駅で頂けます。私は、雪月花に乗車する前日、糸魚川駅で頂きました。
改札横にある有人きっぷ売り場で販売してもらえます。私が行った時にはあまり人がいなかったのですが、きっぷや定期券購入でお客さんが並んでいる時間帯もあったので、時間には多少余裕持って行った方がよさそうです。(窓口、一つだけだったんで)
桜の色が直江津駅だと金色。糸魚川駅だと銀色だそう。オリジナルステッカーもいただけました。(暗くて全然デザイン分からん・・・)
これで、今回の旅でもらう予定の鉄印は3社とも無事にゲットできました!
えちごときめきリゾート「雪月花」
「雪月花」は、えちごトキめき鉄道が運行する観光列車。
土日祝日を中心に、午前便と午後便の1日2本が運行されています。(1日1本の日もあり。詳細は公式HPの「運行カレンダー」参照)
午前便は10:35「上越妙高」駅発→13:16「糸魚川」駅着
午後便は13:59「糸魚川」駅発→16:45「上越妙高」駅着
糸魚川駅・上越妙高駅共に北陸新幹線の発着駅なので、雪月花に乗車後そのまま北陸新幹線で移動することが可能です。(またはその逆で、新幹線で到着してそのまま雪月花に乗車することも)
地元の料理店が、新潟の食材を活かして考案したオリジナルメニューのお食事を頂きながら、車両の窓から日本海や妙高山の景色を堪能。贅沢な列車旅を楽しむことができます。
価格は通常(お食事付)24,800円、特別地域貢献プラン(お食事・お土産付)29,800円(大人・小人同額)
2023年4月時点で午前便は「フレンチ」「和洋中」午後便は「和食」(2種。日にちによって異なります。)
詳細は下記の「お食事のご案内」項目をご確認ください。
お食事内容は乗車日・時間によって異なるので、お食事から乗る列車を選ぶもよし。スケジュールに合わせて、時間帯を選ぶもよし。
乗車には事前予約が必要。乗車3か月前から公式HPで予約が可能となります。(電話・駅窓口での予約は承っていないそう。)
私は、乗車の約2か月前に予約しましたが、その時点で希望のカウンター席はほぼ埋まっており、1~2席しか空いていなかったように記憶しています。
人気の列車で、座席数も少ないので早めの予約をおススメします。
今回私は午後便に乗車したので、その模様をお届けします。
午後便出発の「糸魚川」駅
私は今回「漁港直送、漁師の豪快コース」のかに飯に惹かれたこともあり、出発が糸魚川駅の午後便に乗車することにしました。(お食事内容は、後程ご紹介)
出発は14時前なので、午前中はフリータイム。ということで、半日は糸魚川観光。
糸魚川駅からバスで約10分の場所にある「フォッサマグナミュージアム」へ。
こちらのミュージアムでは日本列島の大きな溝「フォッサマグナ」について学習でき、また大量の石が展示されているので、石好きの方は大興奮間違いなし。
そう。糸魚川と言えば「翡翠」です。縄文時代に日本各地に流通していたという糸魚川の翡翠。
めっちゃ石が好き!って訳ではないのですが、数々の鉱石が展示されていたり、日本列島形成の勉強ができたり、なかなか興味深い博物館でした。
駅からもバスで10分とそれほど遠くないのですが、ただこのバスの本数が1時間に1本とかしかないので、そこが不便ではありました。(ま、慣れっこですけど。)
フォッサマグナミュージアムから駅に戻り、まだ時間があったので続いて駅に隣接している「糸魚川ジオステーションジオパル」へ。
ここには3つの施設があり、いずれも入場無料。糸魚川での列車の待ち時間に立ち寄るのにちょうどいい場所です。
ジオパーク観光インフォメーションセンター
糸魚川ジオパークについての説明展示や、観光案内所があります。
キハ52待合室
平成22年3月まで使用されていた「キハ52」の実車。「休憩室」とのことですが、列車内飲食は禁止。
また、トワイライトエクスプレスの再現列車もあります。この列車、予約していたのに天候不良による運休で、乗車できなかったという悲しい思い出の列車です・・・
ジオラマ鉄道模型ステーション
大型ジオラマ模型やプラレール、鉄道に関するグッズ展示がされているエリア。
鉄道好きキッズ大興奮のでっかいプラレールゾーン。
これから乗車する「雪月花」に関する展示コーナー。
今から乗りに行きますからねー
そして、目玉のジオラマコーナー。
有料ではありますが、実際にジオラマ内で列車を走らせることも可能。
糸魚川駅もありました。以前にも何度か書いた記憶がありますが、私こういうジオラマの類が大好きでして。列車時間まで心ゆくまでジオラマ堪能。
このような施設が駅に隣接しているので(しかも無料!)乗り継ぎの合間には、糸魚川駅から出なくても、列車までの時間を過ごすことができます。
ジオパル | 観光情報と楽しみ方 | 糸魚川ユネスコ世界ジオパーク
そして、発車時刻が近づいてきたので改札内へ。
事前に切符の郵送などはなく、乗車1週間ほど前に送られてくる乗車案内のメールを改札で見せてホームへ。
窓、でかっ。
「雪月花」という名前もそうなのですが、車両のデザインも全体的に「カッコイイ」よりは「可愛らしい」という感じ。
そもそも「えちごトキめき鉄道」っていう名前が、日本で一番かわいい鉄道会社名やと思います。個人的に。鉄道にときめいちゃってますからね。
しばらくホームで写真を撮って過ごしていたのですが、あまりにも風が強くて寒かったので、ホーム内の待合スペースへ避難。
ですが、本来この日は雨予報だったにも関わらず、昼からどんどん晴れて来て
よし!!!いいぞ!!!さすが、私。晴れ女だわ~
と、ここ数日の曇天を棚に上げて、テンション上がりながら受付時間を待ちます。
発車15分ほど前に、受付を行い列車内へ。
「雪月花」の車内案内
車両は2両編成で、1号車は日本海側と妙高山側を向いた座席。
(2号車は4人掛けと2人掛けのテーブル席。そして、席料15,000円が別途必要な前面展望の展望ハイデッキ席があります。自分の座席のない号車に行くのは気が引けたので、2号車の写真はありません。。)
こちらが今回の私の座席。一人がけのカウンター席なので、一人でも気兼ねなく利用できます。
1号車には、誰でも自由に利用できる展望ハイデッキがあります。
席には、お箸やお水、その他諸々パンフレットやメニューなどが初めから用意されていました。
こちらのオリジナルコースターとお箸が置かれていた箸置きは、お土産としてお持ち帰りできます。(現在、自宅にて絶賛愛用中)
観光列車には大体設置されている乗車記念スタンプも欠かさずゲット。(スタンプはバーカウンター「さくらラウンジ」前にありました。)
車両ドア横にに、小さな丸い穴が開いた棚(?)のようなものがあり、中を覗いてみたら、雪月花のイラストポストカードや恐らく新潟の工芸品と思しき作品がありました。
「雪月花」午後便の運行ルート
雪月花を運行しているえちごトキめき鉄道は、JR北陸本線を引き継いだ「市振」駅から「直江津」駅までの「日本海ひすいライン」と、JR信越本線の一部を引き継いだ「直江津」駅から「妙高高原」駅までの「妙高はねうまライン」からなります。
ちなみに、富山方面から来た場合、市振駅までは「あいの風とやま鉄道」
雪月花の午後便は、13:59に糸魚川駅を発車したのち、「筒石」駅、「直江津」駅、「上越妙高」駅、「二本木」駅、「妙高高原」駅で途中停車。
「妙高高原」駅まで行ったあと、折り返して最終「上越妙高」駅に16:45着となります。
妙高高原駅での下車も可能ということだったので、私は乗車時間が30分短くなってしまいますが、妙高高原駅で下車することにしました。
妙高高原のホテルに泊まって、翌日少しだけ高原散策をしようと思いまして。
(なお、妙高高原駅下車の場合も、料金は変わりません。)
出発して20分ほどで最初の停車駅「筒石」駅に到着。この駅は地下40mのトンネル内にある駅。
ホームまでには約290段の階段があります。停車時間が短いので、駅から出ることはできず下から階段を見上げるのみ。
暗闇でヘッドライトピッカーン状態の雪月花。
筒石駅から直江津駅までの日本海沿いの区間では、この旅一番とも言える青空が!
やっと青い日本海が見れたー!
そして、昨日も訪れた直江津駅に到着。こちらでは、昔ながらの駅弁売りさんが雪月花の到着に合わせて、駅弁を売りに来ています。
が、ちょうど食事が提供されたタイミングなので、購入されているのは数人程度のようでした。
お食事「漁港直送、漁師の豪快コース」
列車に乗車してすぐ、ウェルカムドリンクの提供があります。アルコールの飲めない私は、ノンアルコールドリンクを。
これがですね、何を飲んだかすっかり忘れてしまったんですよ・・・確かほおずきサイダーだったと思うんですよね・・・2週間前の出来事が思い出せないなんて・・・そりゃ人間はAIに侵略されるわ。(てか、私の記憶力が乏しいだけ)
ウェルカムドリンクのあとは、有料にはなりますがドリンクのオーダーが可能。
特別なワインや、米どころ新潟の日本酒などのメニューもありました。お酒が飲めないことは、旅の楽しみを一つ失っているとつくづく感じます。
こちらが本日のお品書き。割烹 汐路(糸魚川市能生)が監修された和食コースです。
筒石駅での途中停車後にお食事の提供がありました。
ぱかっ。オープン!
見た目にも美しいお重の中身。「映え」を意識して大漁旗をカニ飯に立ててみました。
写真に撮り忘れましたが、このあとしばらくして、椀物としてカニのお味噌汁も出てきました。
食事のあとのデザートは「法王のティラミス 雪月花特別Ver」雪月花オリジナルブレンドコーヒーと共に。
てか、何ですか。「法王」というとんでもない称号がつけられているこのデザート。
令和元年にローマ教皇フランシスコ様が訪日された際、昼食会でお料理を提供したイタリアンレストランオリベート。
そのメニューのひとつの「法王のティラミス」を新潟県産の食材を使用した「雪月花特別ver.」として、全便でご提供いたします。
(雪月花公式HPより抜粋)
だそうです。
また、お菓子とお茶のお土産もいただけました。
楽しい列車旅は、まさかの事態で終わりを告げる・・・
直江津駅で停車し、予定では停車時間10分弱で発車するところ、なかなか列車が動かない。
・・・?
不思議に思っていると、アテンダントさんから
誠に申し訳ございませんが、強風の影響で雪月花はこの先の運行を取りやめる可能性がございます。
とのアナウンス。
・・・え?嘘でしょ?
そんな誰の得にもならない嘘をアテンダントさんが言うはずもなく。実際この日、出発前から寒くて待合所に避難するほど、強風ではあったのですが、その風のお陰もあってか青空出てきて喜んでいたら、何てこったい。
前を走る普通列車が運休しており、同様に雪月花もこれ以降走らないかもしれず、その場合、直江津駅からはタクシーで下車予定駅まで送迎するということで、アテンダントさんが乗客に下車駅の確認をされ始めました。
ですが、しばらくした後、風が収まり次第運行を再開するとのアナウンスが。
あーどうなるかと思ったけれど、一安心。
と思いながら、先ほど紹介したティラミス食べて動かない車窓をひたすら眺めて過ごすこと数十分。
結局、直江津駅に50分ほど停車したのち、雪月花は運行を再開しました。
が、しかし、だがしかし。
30分弱走ったのち停車予定のない「新井」駅で再び止まる雪月花。
すると、アテンダントさんが私の元にやってきて告げたのは、列車旅終了の悲しいお知らせ。
大変申し訳ございません。風の影響で、この先の妙高高原駅まで行くことができず、ここから上越妙高駅に折り返すこととなりました。そのため、タクシーを手配致しますので、こちらで下車していただいてタクシーでのご移動をお願いできますでしょうか。
先ほど行先を聞かれた際、妙高高原駅で下車すること。その先、駅からはホテルの送迎をお願いしているので、妙高高原駅到着時刻が分かり次第教えて欲しい旨をお伝えしていました。(ホテルには直江津駅で一回電話をかけて、遅延の旨伝え、到着時間分かり次第、また改めて連絡すると伝えていました。)
結局、新井駅からタクシーでホテルまで送迎して頂くことになり、私は皆さんより一足お先に荷物をまとめて、新井駅にて下車。
新井駅に停車する雪月花。珍しい光景ではあると思われる。
さようなら、雪月花・・・
妙高高原駅で下車予定だったのは、私と女性4人組の乗客だけだったので、乗り合いタクシーでそれぞれの宿泊先まで送っていただきました。
この4人組の方たち、たまたま糸魚川駅の待合室で隣になって、ちょっとお話していた方たちだったんです。車両が違っていたので、車内ではお会いしなかったんですが
あぁ、またお会いしましたね、まさかねぇ・・・
何てことを言いながら、お話をしながら過ごしました。これもまた旅の出会い。
ずっと昔から乗車したかった念願の列車。このような結果になってしまい、正直とっても残念ではありますが、天候が理由なのでどうしようもないし、仕方がありません。
しかし、雪深いエリアなので、冬には運休等あり得るとは思っていましたが、まさか強風でこのような事になるとは・・・例え天気が良かったとしても、2両編成の敵は風。勉強になりました。ある意味、忘れられない乗車体験になり、旅のネタとしてはええもんできたな、と前向きに捉えよう。
今回の旅、毎日予定が変わっており、「こんなはずじゃなかった!」感の連続なのですが、それは翌日、旅の最終日までしっかり続くのでありました。(次回ブログのフラグ)
おまけ
糸魚川駅のジオラマ鉄道模型ステーションのジオラマ内で、道路脇に佇むトトロを発見。
・・・いや、これバスや自動車と比較したらこのトトロ、巨大すぎるやろ。