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【兵庫】明石海峡大橋が一望できる!五色塚古墳

関西の古墳といえば、世界遺産にも登録されている百舌鳥・古市古墳群が有名ですが、それらの古墳は立ち入りが禁止されているため、周囲から眺めることしかできません。

正直、周りから見れば、ただ木がモリモリしているだけの林にしか見えません。

ですが、今回ご紹介する兵庫県にある五色塚(ごしきづか)古墳は、築造当時の姿に復元された古墳のため、敷地内はもちろん、古墳の上を歩くこともできます。

全体が木で覆われていない、当時の方たちが見ていたであろう古墳そのものの姿を間近に感じられる場所。

合わせて、古墳の上からは明石海峡大橋をのぞめるビュースポットでもあります。

五色塚古墳へのアクセス

・山陽電鉄「霞ヶ丘」駅から徒歩5分

・JR神戸線「垂水」駅および山陽電鉄「山陽垂水」駅から徒歩10分

五色塚古墳について

五色塚古墳(別名千壺古墳)は、古墳時代中期の4世紀末から5世紀初頭にかけて築造されたと考えられています。

全長は194mで、兵庫県で最大の前方後円墳です。

埋葬者は特定されておらず、明石海峡を支配していた豪族の首長や、当時の中央政権であったヤマト王権と関係の深い人物などが候補として考えられています。

また、日本書紀には「仲哀(ちゅうあい)天皇の偽の墓」という記述もあるようです。

第二次世界大戦中、古墳に生えている松が伐採され、また戦後の食糧難から畑として開墾されてしまったため、一時は荒廃してしまいました。

ですが、昭和40年から約10年の年月をかけて発掘調査と復元工事が行われ、築造当時の姿で完成・公開されました。

住宅街に突如現れる巨大古墳

駅からしばらく住宅街を歩いていくと、突然目の前に葺石(ふきいし)で覆われた大きな古墳が現れます。

明石海峡を背景にそびえる姿は、まさに古代と現代の融合風景。

五色塚古墳の西側には、同時期に築造されたとされる直径70mの小壺古墳が築かれています。

古墳がデザインされた素敵な石標。

古墳の周りには濠が築かれており、上・中・下の三段に分かれ、表面は葺石と呼ばれる石で飾られていました。

中段と上段の石は、淡路島の東側の海岸で産出されたものであることが分かっています。

古墳の上まで、階段で上がることができます。

復元とは言え、恐らく当時のお偉いさんが埋葬されたであろうお墓です。

奈良の飛鳥では、石舞台古墳の中に入ることができますが、お墓を踏んでいると感じるため、中に入るよりも上に上がる方がちょっと後ろめたさを感じます。

でも、そんな後ろめたさも「古墳を歩ける!」という好奇心により秒殺です。

各段の平坦面には、鰭付円筒埴輪・鰭付朝顔形埴輪が並べられていました。

大半が鰭付円筒埴輪で、数本に1本の割合で朝顔形埴輪(上部にお鉢のようなものが付いている埴輪)が立てられいたそうで、それらの様子も忠実に再現されています。

古墳からの明石海峡大橋&淡路島ビュー。

日本広しと言えど、古墳から巨大吊り橋が眺められるのはここしかないはず。

埴輪越しの明石海峡大橋。

埴輪越しの明石海峡大橋 その2。

古墳からお花が咲いていました。

草花と共に生きる、ラピュタのロボット兵を思い出しました。

上段は、円形で平坦。周囲に埴輪を巡らせています。

隣接する小壺古墳は二段に分かれた円墳で、石は葺かれていなかったそうです。

こう見ると、道1本挟んで周囲は住宅街。

毎日が古墳ビュー。

「後円」から見た「前方」

ちなみに、海も近いですが線路も近い。

山陽電鉄とJR神戸線が古墳のすぐ側を走っており、古墳から電車も見れます。

電車からも古墳・・・見えたっけかな。

たまにJR神戸線乗るんですが、毎回海側の景色にしか注目していなかったので古墳を見た記憶がありません。でも、この距離なら多分見えるはず。

古墳の多くは、航空写真でしか全体図がつかめないものではありますが、実際に上って歩くことで、前方後円墳の全貌が体感できるのが、五色塚古墳の魅力。

3世紀後半から5世紀初頭は、日本の歴史の中で「空白の150年」とも言われる時代です。

そんないまだに謎多き時代に、思いを馳せるのも古墳巡りの醍醐味かと思います。

利用案内

  • 開園時間:9時00分~17時00分
  • 休園日:4月~11月/なし、12月~翌年3月/月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始

www.city.kobe.lg.jp