今回は、兵庫県神戸市にある須磨寺をご紹介します。
こちらは源平合戦の一つ「一の谷合戦」の舞台となった場所であり、ここでの出来事は織田信長が好んだと言われる謡曲「敦盛」の元ネタとなっているため、歴史好きにとっては非常に興味深い場所です。
須磨寺へのアクセス
・JR「須磨駅」下車徒歩12分
・山陽・阪神・阪急電車「須磨寺駅」下車徒歩5分
須磨寺について
創建は886年。
光孝天皇の勅命により、聞鏡上人が須磨寺以前に建立されていた北峰寺より聖観世音菩薩像を遷し、本尊として祀ったのが始まりとされています。
なお、寺名の正式名称は「上野山福祥寺(じょうやさんふくしょうじ)」ですが、古くより「須磨寺」の通称で呼ばれており、現在もその名の方が有名です。
(というか、私は調べるまで須磨寺が正式名称だと思っていました・・・)
境内案内

龍華橋

仁王門



門には、運慶及び湛慶の作と伝えられている仁王像が安置されています。
源平の庭
こちらでは、1184年に起こった一の谷の戦いの一場面、平敦盛と熊谷直実の一戦の様子が再現されています。

一の谷の合戦と言えば、言いたくなる歴史用語の一つとしてお馴染み、源義経が行った「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」が有名ですが、こちらで再現されている平敦盛と熊谷直実の戦いも、悲劇の一つとして語り継がれる有名な場面です。
山からの義経の奇襲により、平家の武士たちは海へと退却。
そんな中、熊谷直実は浜辺で逃げ遅れた平家の武者を見つけ呼び戻し、一騎討ちの末、討ち負かします。
武者の首を取ろうと直実が兜を取ると、武者は自分の息子と同年代の若者でした。
首を取ることを躊躇した直実ではありましたが、最終的に自分が手にかけた後、供養することを約束しその首をはねました。
その後、この若武者は平清盛の弟の平経盛の息子、平敦盛であることが分かりました。
享年17歳。
後に直実は、このような若者を討った悔根と、戦の世に無情を感じ出家する事となりました。
この物語は、平家物語の中でも悲劇として描かれ、能や歌舞伎、文学など様々な形で人々に語り継がれました。
幸若舞の「敦盛」は、戦国武将・織田信長も好んでおり、桶狭間の戦いの出陣時にはこの舞を舞ったとも言われています。
冒頭の一説「人間50年 下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり」は実際、織田信長が49歳でこの世を去ったということも相まって、人の命の短さとこの世の無常感を印象づけています。
(子供の頃、このエピソードを知って、人間の人生は50年。「短い」と感じるぐらいがちょうどいいのかもしれない。人間、惜しまれる内が華だな、なんて達観したことを思っていました。50歳なんて遠い未来だと思っていたら、間近に迫りつつありますよ。あー、怖い、怖い。)
本堂

開創以来、火災・地震・洪水などの災害により度々倒壊。
現在の本堂は、1602年に豊臣秀頼によって再建されたものです。
近年では、1995年の阪神淡路大震災により被害を受けましたが、復元修理が行われ現在の姿になっています。
大師堂

このブログで度々書いていますが、四国八十八か所をまわって以来、お大師さんに(一方的に)親近感を覚え、大師堂や大師像に挨拶をしないと気が済まない体質になりました。
義経腰掛の松


先ほど紹介した合戦後、義経がこの松に座って敦盛の首と、遺品である笛を実検したと言われています。
ちなみに、敦盛の笛(青葉ノ笛)はお寺の宝物館にて展示されています。(時間の都合で宝物館に行ってないので、私は見ていないのですが・・・)
出世稲荷

平清盛が福原遷都の際、都の守り神として祀ったため、今では立身出世・事業成功の神として信仰されています。
平家の最後を思えば、一度は大成功するも永続せず衰退するような気もせんではないですが・・・それは無粋な妄想というものでしょう。
三重塔

旧塔は、1596年に起こった地震により倒壊。
現在の塔は、昭和59年に再建されたものです。

塔の周囲には、四国八十八か所のお砂踏み霊場があります。
各札所のお砂を踏んで、霊場巡りというものは色んな寺院で見かけます。
毎回「こんな簡単に、お遍路行った気になってもらっちゃ困るぜ。」とマウント取りながら(誰に?)一応踏んでまわってます。
五猿

「みざる いわざる きかざる」に加えて「見てござる」「おこらざる」が加わっています。
「みざる」も「見てござる」も両方めっちゃ見てます。
敦盛公墓所(首塚)

敦盛の菩提を弔うために建立されたもの。
2キロ弱ほど離れた場所の須磨浦公園にも「敦盛塚」があり、そちらには胴体が祀られているとのことです。
紹介した見どころ以外にも、古くから源平ゆかりの地として訪れる文人墨客も多く、境内には多数の句碑・歌碑も点在していました。(ただ、見返したら写真が一枚もなかった。)

最後に亀を愛でて須磨寺散策終了。
おまけ
帰る前に、何の気なしにおみくじ引いたら

久々に凶が出ました。
「小舟の海中にて暴風に遭いたるときの如く、運勢悪しき」とまで言われました。
・・・救いよう、なくない?
利用案内
- 拝観時間:8:30~17:00
- 拝観料:無料