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松尾芭蕉も訪れた古刹「宝珠山 立石寺」|果樹王国さくらんぼマラソンの旅⑥

山形旅、最終日。

帰りの飛行機は夕方の便で時間があったので、山形駅からアクセスのよい「宝珠山 立石寺」を訪れました。

立石寺は、通称「山寺」とも呼ばれ、奥の院までは約1,000段の階段を上がっていきます。

出場したのがハーフマラソンで良かった。フルマラソン後なら、ちょっと行くの躊躇していたかもしれません・・・

立石寺へのアクセス

JR仙山線「山寺」駅から徒歩約10分

山形駅から山寺駅までは、23分と近いです。

ただ、JR仙山線の列車は1時間に1本と本数は少ない。

ホームの駅標にも、山寺の地図が描かれていました。

境内は33万坪の広さで、その中に30近くの堂塔が建立しています。

立谷川にかかる山寺宝珠橋。

こういうお寺の近くには、お蕎麦屋さんが多い。

こちらが参拝道の入口。ここから、山の上の奥の院目指して、階段を上がっていきます。頑張るぞー。

立石寺の歴史

立石寺は、860年に慈覚大師円仁によって創建された天台宗の寺院です。

開山の際に、本山である延暦寺より最澄が灯した不滅の法灯を分けられました。

この法灯と合わせて、慈覚大師の霊位に捧げる為の、不断の写経行の「3つの不滅」が今なお、護られ続けています。

室町時代に戦火に巻き込まれ、一時衰えた時期もありましたが、江戸時代に堂宇は再建されました。

1689年には、奥の細道の紀行で松尾芭蕉がこの地を訪れ、有名な「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の句を残しています。

ということで、入口の所にも「奥の細道」の碑(?)が建っていました。

境内

根本中堂 不滅の法灯

階段を上がると、根本中堂に着きます。

こちらは、立石寺の本堂となるお堂。

1356年に建立され、ブナ素材の建物としては日本最古と言われています。

堂内内陣には、慈覚大師作と伝えられる本尊の木造薬師如来坐像が祀られています。

また、そちらに不滅の法灯も灯っています。

内陣拝観料は200円が必要です。

中に入ったら、テレビの撮影クルーの方たちがいらっしゃって、しばらく内陣に入れず・・・

ただ、待っている間に雨が降ってきて、見終わって出る頃に止みました。

待ってる時間で雨宿りできたので、ちょうど良かったと言えば良かったのかも。

ちなみに、撮影クルーの中に外国の方がスタッフにいらっしゃって(日本語ペラペラやったけど。)もしかしたら海外メディアだったのかも・・・?

芭蕉像

松尾芭蕉と、弟子の曾良の像。

山門

鎌倉時代作とされる山門。

ここから入山料が必要となります。

石段を、上る度に煩悩が消滅するそうです。

1,000段上がれば、1,000個の煩悩が消滅するということです。(さすがに、そんなに煩悩にまみれてないとは思うけど・・・)

少し雨が降って、緑が濃くなった木々の景色が、趣深くて良い。

姥堂

ここから下は地獄。ここから上は極楽という浄土口。

慈覚大師が、雨宿りしたと伝わる大きな石。

1,000段の階段を上ると言われると、凄くきつく感じますが、ストレートにひたすら上がる訳ではないし、木々や大きな岩で成り立つ周囲の景色が素晴らしく、これらを見ながら上がっていると、大してしんどさは感じませんでした。(一応、普段から運動している人間の感想なので、ご参考まで。)

木々の隙間から見える崖が凄い。

この崖の景色には、ポニョよりも、コダマが似合う。

せみ塚

松尾芭蕉の弟子たちが、芭蕉が句の着想を得たと思われるこの場所に、句が書かれた短冊を埋めて、石の塚を建てたのがこのせみ塚。

では、私もここで一句。

閑さや 岩にしみ入る 蝉の声

(名句、まんま諳んじただけ)

弥陀洞(みだほら)

岩を削った形が、阿弥陀如来の姿に見えると言います。

約4.8メートルの阿弥陀様の姿を見ることができる人には、幸運が訪れると言われています。

幸運訪れて欲しいから、しばらく角度を変えたりしながら阿弥陀様のお姿探したんですが、私にはどこをどう見たら仏に見えるのか、ついに分からず仕舞いでした・・・

幸運、さようなら・・・

仁王門

1848年に再建された門。

門をくぐると、4つの山内寺院があります。江戸時代までは12の塔頭院があったそうですが、現在残るのは4か所のみ。

性相院(しょうそういん)

仁王門の一番近い場所にある、山内寺院の一つ。

山の上にあるお寺は割と多いと思いますが、もっと山を切り開いて作られていて、平地が多いというか、これほど周囲を崖に取り囲まれた状態で、山と一体化しているお寺もあまり無いように思います。

「山寺」と呼ばれるのも納得。

開山堂

右側の建物が開山堂。

このお堂が建つ崖下の自然窟に、慈覚大師の御遺骸が埋葬されています。

左側の小さなお堂は、納経堂。山内で最も古い建物です。

本やHPで立石寺を紹介する場合、大体このお堂の写真が使われています。

五大堂

開山堂の横の階段を上がると、五大堂があります。

五大明王を祀る道場で、展望台にもなっています。

五大堂からの景色。山の上なので、気温も少し涼しくて、風も気持ち良かったです。

ここ、とても素晴らしい場所ですが、真夏と真冬は絶対避けた方がいいと思う。

山寺駅も見えました。

山間の風景。絶景かな、絶景かな。

展望台には、一定数人はいたのですが、それほど混み合うこともなく、山の上からの景色を十分ゆっくり堪能できました。

奥の院

ここが参道の終点、奥の院。

奥の院は通称で、正式名称は「如法堂」

慈覚大師が、中国で修業中に持ち歩いた釈迦如来と多宝如来を本尊としています。

如法堂の隣には大仏殿。

1,000段上って、山の空気をたっぷり吸って、気分も爽快。これで煩悩もすっかり無くなったことでしょう。

それでは、来た道を戻って下山します。

階段下りていたら、向こう側の岩にハシゴがかかっているのが見えました。

非常に危険な修行の場のようです。安全第一。階段も気を付けて降りて行こう。

ここで転んでケガしたら、煩悩もへったくれもあったもんじゃない。

ほぼ下山した辺りにあったでっかい岩。

場所によっては、これだけで名所になりそうな大きな岩。

パワースポットって安直に言いたくないけど、でも大きな岩って何だか無条件にパワー感じますよね。

「お休処 対面石」でお蕎麦ランチ

煩悩が無くなったはずなのに、人間動くとお腹は空くものです。

山形駅へ戻る前に、お昼ご飯を食べて行くことにしました。

「お休処 対面石」というお店で、だしそばを注文。

「だしそば」の名前から、シンプルなお出汁のおそばかと思いきや、刻んだ野菜がたっぷり入ったおそばが登場。

「だし」というのが、野菜を生のまま食べる山形の定番料理みたいです。

めんつゆと、細かいお野菜とお蕎麦がマッチして凄く美味しかったです。

お店は、この対面石と対面堂のお隣にあります。

この後ろの大きな石が、対面石だそう。

「この石に、左手を当てて願いを込めればよい事に対面できる」と説明書きにあったので、草生えてる隙間に手を伸ばしておきました。

良い事・・・よりも、どっちかと言うと、体調壊したり、長年お気に入りだったネックレスのチェーンが切れたり、と最近良くない事の方が続いているような・・・

ま、その反動で、これから先は良い事があるに違いない、きっと。うん、きっと。

利用案内

  • 開門時間:4月~9月 8:00~16:00 10月~3月 8:00~15:00(閉門16:00)
  • 入山料:大人300円 中学生200円 小人(4歳以上)100円

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