ねぶた祭りを見に訪れた青森。
お祭りの最終日の演目である昼のねぶた運行と、夜の海上運行&花火大会の間にしばらく時間があったため、青森湾に浮かぶ青函連絡船メモリアルシップ『八甲田丸』を見学しました。
なお、夜は海辺を徘徊した結果、最終的にこの八甲田丸横が花火のベスポジと分かり、この船の横で花火見物をしました。
八甲田丸は既に現役船としての活躍を終えており、現在は博物館となっています。
そして、こちらでは私が気ままに集めている御船印がもらえます。(実際に運行している船だけではなく、このように船にまつわる博物館でも御船印がもらえる場所があります。)
- 青函連絡船・八甲田丸とは
- 船内展示①青函ワールド
- 船内展示②青函鉄道連絡船記念館
- 船内展示③ブリッジ(操舵室)
- 船内展示④車両甲板(車両展示室)
- 船内展示⑤エンジンルーム
- 八甲田丸の御船印
- 利用案内
- おまけ
青函連絡船・八甲田丸とは
青函連絡船は、本州と北海道を結ぶ基幹ルートとして1908年に開業。始まりは鉄道連絡船として就航した「比羅夫丸」でした。
(青函連絡船の航路図。八甲田丸船内展示品より。)
その後青函トンネル開通により閉鎖される1988年までの80年間、青森港と函館港を結んだ青函連絡船の航行距離は8千万キロ!実に地球2,019周分にも及ぶそうです。
1964年8月12日に就航した八甲田丸は、歴代青函連絡船55隻の中でも現役期間が23年7か月と最も長く、また青函連絡船の最終航行船(青森発)の務めを果たした船でもあります。
現役引退ののち、博物館として青函連絡船の歴史や操舵室、車両甲板等が見学できる施設となっています。
船内展示①青函ワールド
2Fにある受付でチケットを購入し、まずは3Fの見学エリアへ。
そこで最初に出迎えてくれるのが、昭和30年代の青森駅を再現したジオラマ「青函ワールド」です。
ジオラマなので、縮小された町の様子が作られているのかと思いきや、まさかの人間ほぼ等身大。
これが妙にリアルで、正直ちと怖い・・・(昔から、菊人形とかマネキンとか苦手な人。)
ですが、このように人形のキャラクター設定も細かくされており、読んでいくうちに段々と親近感が湧いてきます。
この頃からキオスクあったんですね。
さすが青森。りんご市場の再現。
♪上野発の夜行列車♪・・・の逆ルート。
戦後間もない日本。さらに寒さ厳しい青森で、たくましく生きる市場の方たちの姿をリアルに感じることができました。
船内展示②青函鉄道連絡船記念館
青函鉄道に関する展示品コーナー
初代青函連絡船「比羅夫丸」の模型。
比羅夫丸の名前の由来って、阿倍比羅夫から来てるのかな?と思ったらやっぱりそうみたい。
東北に住んでいた蝦夷を攻めて、従属させた側の人なんだけれど、それは別にいいんだね・・・
明治天皇御乗船「明治丸」
乗客用の椅子。
とりあえず、椅子が用意されていたので座ってみた。そしてそこから見た窓の景色。
ここに座れば、令和の現在であっても、出港間近の青函連絡船に乗船した気分を味わえます。
寝台室
記念ビールは寄贈されたもののようです。たかが缶。されど缶。きちんと保存しておけば、数十年後には立派な歴史遺産。
船長室
ふいの人影(人形)怖いからホンマやめて。
サロン会議室
片隅に置かれた日本人形が、妙に昭和を感じさせます。
船内展示③ブリッジ(操舵室)
最上階の4階に操舵室があります。
ここにも登場。リアルな人影(人形)
機械音痴すぎて何が何やらですが、通信制御盤には電話がいっぱい付いていたことだけは分かりました。
だるまは関係者なのか・・・
号鍾。説明書きによると、元々、濃霧や吹雪などで視界がさえぎられた際、相手の船に位置を知らせるために設けられていたもの。また、船員の勤務交代時間にも使われていたということで、思いのほかでかい音が鳴り、鳴らす人、鳴らす人が結構驚くという一幕が展開されていました。
操舵室から、屋外の展望デッキに出ることができます。
地上には、花火の場所取りをする人たちのブルーシート。
夜にあのブルーシート後方エリアから見た花火。
船内展示④車両甲板(車両展示室)
青函連絡船の大きな特徴が、鉄道車両を船内に載せて海を渡っていたということ。
そのため、1Fには車両を運搬するための車両甲板があります。なお、当時運んでいたのは貨物車両のみで、客車は載せていなかったそうです。
車両も数台展示されていました。薄暗くて分かりにくいですが・・・
こちらは郵便車。
現役当時は入庫していなかった客車ですが、現在は客車の代表としてキハ82系(右側)を展示。
また、左側のDD16も当時は青函連絡船に入庫したことがなかったそう。
現役を退いた機械遺産の夢のコラボです。(鉄オタ・船オタならもっとテンションが上がる光景なのだと思いますが、いかんせんにわかゆえ、これが貴重な光景であることは頭で理解するけど、心が躍り狂うまでにはいかず。)
船尾には、連絡船に列車を移動させるための線路。
線路の先には、貨車の積み込みの際に開かれる船尾扉があります。
なお、昭和29年9月26日、台風15号により青函連絡船「洞爺丸」が沈没するという海難事故が起こっています。当時、船尾扉がなかった船に海水が入り、制御盤等が起動しなくなったため座礁・転覆。
1,100人以上の方が亡くなるという大惨事となりました。
この事故をきっかけに、船の改良と合わせて青函トンネルの着工が始まったそうです。
ちなみに、八甲田丸が停泊している先には、今も線路跡が残っています。
船内展示⑤エンジンルーム
総括制御室。操舵室に次ぐ重要な場所であるこちらの部屋は、防音装置と冷暖房が整い快適な環境であったと説明書きにはありましたが、2023年現在、八甲田丸は全体的に冷房設備がかなり弱め(エリアによっては、そもそも冷房がない)
ゆえにじっくり見たくても暑さに耐えかねて退散・・・となる場所もありました。(車両甲板とか)
八甲田丸の御船印
御船印はチケットカウンターで購入できます。価格550円。
船内観覧券が510円なので、それより御船印の方が高いっていうね・・・
なお、観覧券にはPayPay等の電子マネーが使用できましたが、御船印は現金支払いのみでした。
函館にも「摩周丸」という青函連絡船が展示されているようなので、函館に行った際にはこちらも見学してみたいなと思います。
利用案内
- 拝観料:大人510円 高校生・中学生310円 小学生110円 (その他、近隣施設との共通券あり)
- 拝観時間:夏季 9:00~19:00(入館受付18:00まで)
冬季 9:00~17:00(入館受付16:30まで)
- 休館日:夏希 なし 冬季 毎週月曜日
おまけ
ジオラマ・青函ワールドの一コマ。
古着を売る、大阪から引き揚げしてきた古谷きせさん(46)
一生目が合わない。