えちこの旅ブログ

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【世界遺産】小牧野遺跡|2023年8月青森&岩手の旅⑤

世界遺産名:北海道・北東北の縄文遺跡群

※今から約15,000年前から約2,400年前にかけて続いた縄文時代。1万年以上に渡って続いた狩猟・漁労・採集によって支えられた縄文文化の様子を伝える遺産として、北海道・青森・岩手・秋田に残る17の遺跡が登録されています。(登録年2021年)

どうも、お祭りおばさん改め、縄文おばさんです。

歴史の中で、とりわけ知的好奇心をそそられるのが古代文明。

世界史の古代では、高度な文明を持っていたと言われるメソポタミア文明やエジプト文明が有名ですが、日本にも15,000年前から存在したとされる縄文文化が存在します。

さらっと言いましたが、15,000年前ですよ?歴史の教科書ではたった数ページで終わってしまう縄文時代ですが、その期間は1万年以上。

経過年数に比例して歴史の教科書作ったら、ページの大半は縄文時代です。

ですが実際は数ページで終わってしまう理由は、古すぎて細かい歴史が残っていないということもあるかと思いますが、何より1万年以上も大きな争いがなかったからじゃなかいかな、と思います。

日本史も世界史も、人間の歴史=ほぼ争いじゃないでしょうか。

ただその争いが起こることにより、新しい技術や政治体制、宗教が生まれ、そこからまた美術や芸術などの文化が生まれたりして文明が発展していったとも思うので、何だか皮肉だな~と子供心に思いつつ、歴史の面白さにハマっていってたのですが。

古代の歴史に子供の頃から興味津々だった私。最近、自分の中で縄文ブームだった事もあり、今回の旅で3か所の縄文遺跡に訪れました。

前置き長くなりましたが、まずはそのうちの一つ青森市にある小牧野遺跡をご紹介します。

小牧野遺跡について

長い縄文時代は、一般的に土器の特徴から、草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の6つの区分に分けられます。

ですが、北海道・北東北の縄文遺跡群は定住の開始・発展・成熟という遺跡の構造から6つのステージに区分されています。

小牧野遺跡は定住が成熟した「ステージⅢa」に分類され、縄文時代後期前半(約4,000年前)に作られた環状列石を主体とする遺跡です。

定住のステージの詳細については、公式HPをご参照ください。

縄文遺跡群を知る – 【公式】世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群

アクセス

「縄文の学び舎・小牧野館」までのアクセス

「古川3番」バス停から青森市バス「入内・大柳線」で約25分

「野沢」バス停下車徒歩約3分 「小館」バス停下車徒8分

※古川3番バス停は、JR青森駅から徒歩5分ほどの場所にあります。「3番」と付いている通り、「古川」バス停は複数あるので要注意。

出土品が見学できる「縄文の学び舎・小牧野館」の最寄りバス停は2か所あります。

バスの本数は非常に少なく、古川⇔野沢、古川⇔小館それぞれ1本ずつしかありません。

加えて、「縄文の学び舎・小牧野館」から小牧野遺跡までは徒歩約25分。遺跡の往復だけで約1時間かかります。公共交通機関で訪れるのがなかなか大変な場所です。

今回の私のスケジュールはこちら。

バス 古川発 11:45⇒小館着 12:08(実際は、10分近く遅れて到着しました。)

「縄文の学び舎・小牧野館」見学後、徒歩で小牧野遺跡まで。

小牧野遺跡見学後、またまた徒歩で戻る。帰りの時間までまだ時間があったので、再度「縄文の学び舎・小牧野館」見学。

バス 野沢発 14:48⇒古川着 15:09

帰りのバスですが、行きに下車した小館から古川戻りが13:48なので、遺跡徒歩往復時間も考慮すると、結構慌ただしくなってしまうと思い、帰りは野沢発にしました。

「縄文の学び舎・小牧野館」の展示品見学だけなら1時間あれば十分だと思いますが、遺跡も展示品も両方しっかり見たかったですし。

アクセス詳細は小牧野遺跡公式HPに記載されています。(バス停の位置も分かりやすく掲載してくださっています。)

アクセス - 国指定史跡小牧野遺跡WEBSITE

「縄文の学び舎・小牧野館」で出土品見学

小館バス停では、私ともう一人地元のおばあちゃんが下車したのですが、歩き始めてしばらくした後、そのおばあちゃんに「〇×△小牧野遺跡×××?」と話しかけられました。

前後がよく聞き取れなかったんですが、恐らく「小牧野遺跡に行くの?」と言われてるんだと解釈して「はい!」と答えた所から会話が始まり、小牧野館まで一緒に歩くことに。(おばあちゃんは更にその先にお家があるようでした。)

青森は久々ですが、やはりご年配の方の方言は聞き取りが難しい。それでもこの方は比較的聞き取りやすい話し方だったので、それほど会話に苦労せずに済みました。

(以前、青森の食堂でご飯食べた時、地元のおばあちゃん3人の会話がマジで1ミリも聞き取れなかったことがある。)

「近くにあるけどね、遺跡なんて見に行ったことないわー」と言っておられました。地元にある場所って案外そういうもんですよね。私も通天閣上ったことないです。

大学生に間違えられて驚愕している内に「縄文の学び舎・小牧野館」到着。

本当の年齢伝えたら、「えー!都会の人はやっぱり若く見えるわー」とのことでした。

ま、キャップ被ってて顔の半分陰になっててほぼ見えてなかったでしょうからね・・・

「縄文の学び舎・小牧野館」は、小学校の校舎を改修した建物。まずはこちらで小牧野遺跡についてのお勉強&出土品の見学。

こちらの施設では、小牧野遺跡以外の場所から出土した土器なども展示されており、思っていた以上の展示品がありました。

小牧野遺跡の環状列石を上空から見た光景。

実際の遺跡では、このように真上から見た状態では見れません。

字が細かくて見にくいかもしれませんが、世界史と並べて分かる縄文時代。

小牧野遺跡の縄文時代後期は、モヘンジョダロとパルテノン神殿の間の時代に位置しています。

ここからは、展示品のいくつかをご紹介。

縄文土器の紋様の美しさは、現代アートに通ずると思います。

展示室はこのような感じで、説明パネルと合わせて出土品が展示してあり、とても分かりやすくて見やすい。

左側には、小牧野遺跡で採れた木の実が展示されています。

縄文人にとって重要な黒曜石。

土器に赤色の顔料を塗った赤彩(せきさい)土器。いまだに色が綺麗に残っています。

大好き土偶コーナー。

小牧野遺跡から出土した土器。

小牧野遺跡から出土した土偶。おとぼけ顔っぽくて可愛い。

学校の名残の廊下。

教室の再現。

ひとまず全体をざーっと見学し、一旦小牧野遺跡へ。遺跡見学後、時間が余った(&あまりにも遺跡見学が暑すぎたので、冷房設備の整った場所で涼ませてもらいたかった)ので再びこちらに戻って再度土器コーナーをじっくり見学させてもらいました。

これを見れば、あなたも今日から縄文土器作り名人。

早期~晩期にかけての土器遍歴が非常に分かりやすく展示されており、勉強になりました。

こちら無料の施設なんですが、正直お金取っていいレベル。むしろ施設継続のために払いたい。

正直、現代の陶芸品にはそこまで強い興味ないんですけど、土器にはやたら惹かれるので、興味深く見学させて頂きました。。

ちなみに、土器好きの理由の一つが、バラバラのパーツを繋ぎ合わせた様が、子供の頃大好きだったジグソーパズルを彷彿させるからじゃないかと思っています。(え、そこ?)

縄文時代後期の環状列石「小牧野遺跡」

「縄文の学び舎・小牧野館」からは徒歩約25分

遺跡までは未舗装の道もあります。真夏の青森市、35度近くまで気温が上がりとんでもなく暑いですが、日陰も多くまだマシでした。

実際は20分ほどで到着。

遺跡近くにある施設「小牧野の森・どんぐりの家」

この隣に駐車場があります。展示品などはありませんが、休憩スペース&トイレ&自販機がありました。

先ほど一緒に歩いた地元のおばあちゃんも「熊、出るよ」って言ってました。

出没情報は平成28年8月なので7年前の情報のようですが、この熊ファミリーが今も生息しているかもしれませんからね。気をつけよう・・・と言っても、実際出くわしたらどうしたらいいものか。(遺跡周辺で草刈りしている方たちがいて、草刈り機の大きな音が出ていたので熊は警戒して出てこないだろう、と安心できました。)

草むらに、何かいた。

環状列石

環状列石は、中央帯・内帯・外帯の三重の列石と、一部四重となる列石などで構成されています。直径55mにおよぶモニュメントは国内最大級であり、地域の祭祀活動に関する場所であったと考えられます。

見晴台(発掘調査で出た廃土を盛り上げて作られた場所)に上がって、少し高い位置から見下ろしてみます。

真上から見た写真ほど綺麗には見えませんが、平面で見るよりは円形になっている全体像が分かります。

このように縦に立てられた石には、きっと何らかの意味があったんだろうな、と想像を掻き立てられるのが古代遺跡の面白さ。

墓石にも見えるし、日時計的な役割だったかもしれないし、単に目印とか、祈りの対象とか。日本だけじゃなく、世界各地にも巨石信仰はあるし、古代の人と石の関係性にも非常に興味があります。

展示施設にはちらほら人が訪れていましたが、実際の遺跡には草刈している方以外人はおらず、見学人は私だけ。

人よりトンボの方が多かった。

円の真ん中、歩けるようになっていました。

環状列石の東側に。100基を超える土坑墓が分布していたそうです。

そして、その墓域の中に竪穴住居跡が2軒確認されています。

風呂・トイレ付ならぬ墓付きの家。今なら確実に大島てるサイトに掲載される。

展望所からの眺め。縄文人も眺めたであろう景色。

環状列石1か所のみなので、遺跡の見学自体は20~30分程度で終わります。

そもそも暑くてあまり外でウロウロできず、休憩がてらどんぐりの森に入るも冷房効いてなかったので、外テラスに出て自販機で買ったジュース飲みながら休憩。

その後、再び小牧野館に戻り、野沢バス停からバスに乗車し青森市内中心地へ戻りました。

利用案内(縄文の学び舎・小牧野館)

  • 入館料:無料
  • 開館時間:9:00~17:00
  • 休館日:12月29日~1月3日

komakinosite.jp

おまけ

遺跡途中の道すがら出会ったヒマワリ。

ヒマワリ畑に行きたいと思っていたのですが、結局どこにも見に行けず夏のお花名所どこも行けんかったわ~と思っていましたが、ここで見れました。

ちょっと不揃いな感じが、自然味あっていい。