昨年末、神奈川を数日旅した中で、半日みなとみらい周辺をぶら観光しました。
コロナ前、例年年末にパシフィコ横浜で私が大ファンの福山雅治さんのライブが行われていたため、毎年来ていたのですが、本当にただライブに行くだけで、その周辺に立ち寄ることなく大体日帰りしていました。
何回も来ているのに、横浜全然観光したことないやんか、と言うことで今回改めて色々行ってみた次第です。
90年前に建造された実際の客船内部が見学できます。
2022年突如として船に興味を持ったため、重要文化財にもなっているこちらの船を見学することに。
実際の客船での海外クルーズ旅はなかなかお高くて手が出ませんが、ここならたった400円で当時の客船が見学可能!現実だけでなく、妄想トリップも趣味の私にはとっておきのスポットでした。
日本郵船氷川丸とは
氷川丸は、日本郵船が1930年に建造したシアトル航路用の貨客船です。欧米に対抗し、当時の最新鋭の船として竣工しました。
世界大戦時中は、海軍特設病院船となり終戦までに3回機雷に触れるも沈没を免れ、1953年に貨客船としてシアトル航路に復帰。
1960年に引退するまで、太平洋横断すること254回!2008年に「日本郵船氷川丸」としてリニューアルオープンし、2016年には重要文化財に指定されました。
横浜の海、都会なのに綺麗なことに感動。
船内の見学エリアは「船客エリア」「乗組員エリア」「展示エリア」「屋外デッキ」があります。
まずは、チケット売り場があるBデッキへ。
ガンダムの後ろ姿、見えました。
船客エリア
受付でチケットを購入し、エントランスロビーへ。
1930年、試運転する氷川丸。
イメージキャラクターのキャプテンハマー。キャプテンは、海外の方なのね。
そして客室エリアへと入ります。
昔のまま残っている客室案内。フォントが微妙にアンバランスなのが味があっていい。
一等児童室
一等船客専用の遊戯室。要は一等船客の方の託児所です。「一等児童室」って何か子供に等級つけてるみたいで今なら物議醸しそうな名前のような気もしますが(「児童」が「一等」という事ではなく、「一等」に宿泊している「児童」のお部屋って意味なんですけどね。)実際子供連れで海外クルーズに行ける家庭はかなり裕福だったんだろうし「一等児童」と言っても過言ではないのかも・・・
一等食堂
一等児童室に子供を預けた大人が、ゆったりとお食事が楽しめる一等食堂。
お食事内容も再現されています。
(恐らく)鶏が餅巾着みたいにギュッてなっています。(一等食堂に一生縁がない人の発想)
確か、映画『タイタニック』でもこんな階段出てきましたよね。あれに比べたらだいぶ低いですけど。
一等読書室
気になるタイトル『カナダ同胞発展大鑑』
一等社交室
こちらで日夜セレブの方たちがダンスパーティーなどを行っていたのでしょう。ここは主に女性の社交場として使用されていたようです。
近くにあった解説によると、日本郵船では船名に旧国名や山、神社の名前を選ぶ伝統があり、氷川丸はさいたま市にある「氷川神社」からつけられています。
それにちなんで、こちらの階段の手すりには氷川神社の神紋である「八雲」が施されています。
私は「氷川」って言われたらどうしても『限界突破×サバイバー』の氷川きよしさんが浮かんでしまいますけど。全王様もおったまげ。
一等社交室を過ぎると、展示室。
当時の船内設備パンフレット
一等船客くつろぎの1日。
デッキに出る事もできるので、船旅を妄想しながら海風浴びることもできます。見えるのは太平洋の水平線ではなく、ガンダムですけど。
一等客室
ここでも充分素敵なお部屋と思いましたが、更にその上のクラスがありました。
一等特別室
チャーリーチャップリンや秩父宮両殿下を始め、世界のVIPが利用されたスイートルーム。ここにおられた各国の著名人を想像しながら、ガラスにへばりついて覗き込む庶民。
バスタブもついています。
ティールームも別にあります。さすがVIP。
屋外デッキ
特別室があったAデッキからさらに上にあがって屋外デッキへ。
現在のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」が停泊しています。乘ってみたいな~
さらに上がって操舵室へ。
乗組員エリア
操舵室
神棚があるのが日本の船ならではという感じ。
素人にはさっぱり分からな機器がずらり。
横浜ベイブリッジが綺麗に見えました。
船長室
不測の事態に備え、操舵室に最も近いところにある船長室。また、操舵室とは「伝声管」というパイプで繋がっていて、いつでも操舵室の航海士が船長に連絡を取れる仕組みになっていたそうです。
今でいう「従業員以外立ち入り禁止」でしょうか。文言が渋い。
屋外デッキからは、ランドマークタワーや横浜税関などが見えます。
あの辺り「みなとみらい21」と呼ばれるエリアは、氷川丸を建造した横浜船渠(せんきょ)(現・三菱重工業株式会社横浜製作所)の跡地なんですって。知らなかった。単なる埋め立て地やと思っていました。
再び船内へ戻って機関室へ。
機関室
エンジンはデンマークの会社のディーゼルエンジン。1930年竣工当時の最新鋭で、当時のまま残されている貴重なもの。
三等客室
客室自体は見れなかったんですが、この奥が3等客室エリアだったようです。3等客室の人が一等デッキに入るには申し込みが必要で、食事も焼き魚などだったそう。
説明書きによると『一等客室の華やかさとは違いますが、三等船客の旅はアットホームなものでした』ですって。
まぁ、セレブな暮らしと縁がない私にとっても、こちらの方が肩肘張らずに旅を楽しめそうです。じゃがいもの皮むき手伝ったりしていたそうですから。芋の皮むき、猛烈に下手くそやけど、毎日手伝っていたら上手になれそう。
氷川丸はこの日で(2022年12月28日)92歳と247日。92年前の船とは思えないほど綺麗に整備されていて、でもあちらこちらに時代を感じるデザインが施され、船の歴史を学びながら妄想クルーズができる素敵な場所でした。
そのあと、現在のクルーズ客船飛鳥Ⅱを見に行きました。
氷川丸も十分大きいと感じましたが、間近で見たら規模が全然違う。92年の船技術の発展を直接見て感じることができました。
とりあえず、公式HPのデジタルパンフレットを見ながら妄想飛鳥Ⅱクルーズの旅を今から楽しみたいと思います。
日本郵船氷川丸利用案内
- 料金:大人300円 シニア(65歳以上)200円 小中高校生100円
(日本郵船歴史博物館とのセット券あり)
- 開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)
おまけ
みなとみらいの夜景。毎年来ていたのに、ちゃんと夜景をこちらから見たのも初めて。もったいないことしてたわ。