えちこの旅ブログ

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プトレマイオス朝時代に建造された『コム・オンボ神殿』|2024年1月エジプト旅行⑬

阪急トラピックスさんの『【エミレーツ航空利用おひとり様参加限定】感動のエジプト ナイル川クルーズ8日間』に参加し、人生初のソロ海外旅行デビュー。

4日目の夜からは、ナイル川を航行するクルーズ船に乗って、アスワンからルクソールまで移動しながら遺跡を巡ります。

ツアー5日目。この日は、1週間のツアーで最もスケジュールにゆとりがあり、船でのんびり過ごす時間もありました。

クルーズ船の様子は、後日まとめて書きたいと思います。

まずは、ナイル川中流域にある遺跡をご紹介。

2柱の神を祀ったコム・オンボ遺跡

船で朝ごはんを食べた後、コム・オンボ遺跡見学。

このデザインのチケット初めてもらった。

入場料は360エジプトポンド(日本円で約1800円)(2024年1月時点)

『地球の歩き方・エジプト』によると、

コム・オンボは、アスワンから北へナイル川を約46キロ下った東岸にある町

だそうです。夜の間に、アスワンからコム・オンボまで船は移動していたようです。

船旅って、生活しながら移動できるので凄く理にかなっている上、快適。

しかも、今回川だから波揺れは全くないし。

船の停泊所の間近にあって、遺跡までは徒歩で向かいます。

ここで一つ悲しいお知らせです。

ミラーレスのレンズ横にヒビが入って、ズームができないことにここで気づきました。

恐らく、どこかでぶつけたか、落としたかだと思うのですが、記憶がありません・・・

レンズが故障したこともショックですが、こんな状態になる出来事を覚えていない自分にもショックです。ブラブラ肩から下げて、どこかにガツンとぶつけたと思われる・・・

さておき、シャッターは切れるので、基本的にはミラーレス、ズームしたい時はiphoneという謎の両刀使いで撮影しました。(じゃあ、全部iphoneでいいじゃんって思うけど、カメラを使いたい謎のこだわり。全然カメラの腕無いくせに。)

コム・オンボ神殿は、古代エジプトの末期・プトレマイオス朝に建てられた神殿です。

プトレマイオス朝は紀元前304年~前30年頃。ギザの3大ピラミッド(約4500年前)と比べたら、だいぶ新しい。

コム・オンボ神殿では、ハヤブサ頭のホルス神と、ワニの神・セベク神、2柱が祀られています。

よく見ると、入口の柱の上部分、青い色彩が残っています。こちらは当時のもの。基本的にエジプトの遺跡に残る色は、当時のままです。室内のレリーフならまだしも、屋外の箇所でも約2000年間色が残り続けるなんて。乾燥がなせる偉業。

こちらの神殿は、建物に通路が2本、塔門の入口や至聖所も2つずつという珍しい2重構造となっています。

これは、ホルス神とセベク神の2柱のために建てられたためと考えられています。

レリーフ、切り取って盗まれたそう・・・

カレンダーに医療器具、高度な文明が描かれたレリーフ

こちらには、神官たちが行う年間スケジュールが彫られています。

右側には月日を表す文字が書かれています。

エジプトでは、古代より1年を365日とする太陽暦が使われていました。

f:id:iechiko:20240227174146j:image

真ん中やや上にある月が横向いた形が、その文字通り「月」を表し、丸が太陽、すなわち「日」を表しています。

上の写真は、月マークの下に3つの四角。すなわち「3月」

その左横の縦三本は、プトレマイオスの治世が3年目であること、一番左の、丸の下に四角が一つは「1日」を表しています。

そこから下に、太陽マーク(〇)と日付を表す四角が一つずつ増えているので、「2日」「3日」「4日」・・・とカレンダーが続いていることが分かります。

「3月1日」を表すレリーフの2つ上が「29日」(カマクラみたいな形が「10」を表していて、それが2つで「20」。その左の丸に横棒が「9」を表しています。)

そして、その下のスキージャンプしている人に見えなくもない形は、古代エジプトで「終わり」を意味します。

2000年前に、今と変わらぬ日付に関する認識があり、それに基づいて行動していた古代エジプト人。

高い建築技術といい、相当高度な文明だったことを改めて感じました。

所々に色が残るレリーフに、感動をいちいち覚える。

右側のレリーフは、女性の足元から、赤ちゃんが逆さまで出てきています。出産シーンを描いたもの。

安産祈願で、多くの女性が触っているため、一際黒く変色しています。

また左側の目玉みたいな形と、その右側の人のレリーフは、2年間赤ちゃんにおっぱいをあげる という意味だそう。

この台座の上に、純金でできたワニの頭のスベク神の像がありました。もう1か所にはホルス神の像がありましたが、そのような像はほぼ盗まれてしまい今はありません。

昔盗まれたものは溶かして金になり、近代になって盗まれたものはヨーロッパ諸国など、世界の博物館に保管されています。

座っている人の右側に彫られているのは、珍しい医療器具のレリーフ。

エジプトは医療技術も進んでいたようで、頭蓋骨をノコギリで切った手術痕のあるミイラが見つかっているそうです。しかもその人は、手術後10年間は生きていたそう。

果たして、この時代どんな医療技術があったのか。(どうして、頭に疾患があると分かったのか、麻酔はどうしたのかなどは未だに謎。)

・・・宇宙人だな。

(分からないことは、全部彼らのの仕業にするやつ。)

ナイル川の水位を測るナイロメーター。

至聖所が2つあったり、珍しい医療関係のレリーフが残されていたりと、なかなか面白い神殿でした。

古代エジプトでは、ワニもミイラになっていた

ガイドさんが一通り説明をしてくれたあと、自由時間となりました。

その時間に、神殿の横にある博物館へ。ここにワニのミイラがあります。

私、結構ワニが好きで、昨年は伊豆の『熱川バナナワニ園』で大量のワニを愛でました。

iechiko.hatenablog.com

はく製のワニは日本で見た事ありますが、ミイラは初めて。

確かに、ワニだ!

足の部分が無くなっているのか、埋まっているのか分かりませんが、ぺったりと腹ばいになっているのが妙に可愛く感じる・・・

うろこ状の皮膚も綺麗に残っています。

その他、博物館には複数の展示品があったのですが、この遺跡近くにあるお土産屋さんに行きたくて、ささっと見て写真だけ撮ったので正直、何が何やら・・・

右側に描かれているのは、ワニの頭をしているのでスベク神だと思われます。

石碑の上に、ワニ鎮座。

コム・オンボ神殿&博物館見学はこれにて終了。

この日の夜、船内で「ガラベイヤパーティー」というものがあり、そのパーティーに着て行く衣装的な物が欲しかったので、早々に博物館を後にしました。

それを見越して、船乗り場の近くにはワンピースなど衣装を取り扱ったお土産屋さんが多数並んでいます。

私は結局、エジプトっぽい刺繍が入ったワイドパンツを購入したんですが、船に乗って履いてみたら、内側にざっくりスリット入っていて、とてもじゃないけど普通に履ける代物ではなかった・・・(買う時に、もっとちゃんと見れば良かったわ。)

確か5ドルとか6ドルとかだったと思うんで(同じツアーの方とだいぶ値切った。)ま、夏の部屋着にでもしようかな。