阪急トラピックスさんの『【エミレーツ航空利用おひとり様参加限定】感動のエジプト ナイル川クルーズ8日間』に参加し、人生初のソロ海外旅行デビュー。
10分で2万円の高額オプショナルツアー
「王家の谷」と「ハトシェプスト女王葬祭殿」を見学し、お土産屋さんに立ち寄った後は、オプショナルツアーで申し込んだ王妃の谷にある「ネフェルタリの墓」見学へ。
ネフェルタリは、新王国時代・第19王朝の王 ラムセス2世の王妃(の一人。)
ラムセス2世は、2日前に訪れた「アブシンベル神殿」を建築した王で、アブシンベル小神殿はこのネフェルタリの為に建造されたものでした。
ラムセス2世に神殿を造らせちゃうぐらい愛された最愛の妃、ネフェルタリのお墓は、非常に保存状態がよく、現在エジプトで最も美しいお墓と言われています。
保存状態を保つために、1日の入場者数は150人限定。そして、見学時間は10分~15分程度と制限されています。
そして、見学が短時間であるにも関わらず、チケットが高い!
オプショナルツアー代は、20,000円でした。
・・・10分、20,000円。銀座の高級クラブかよ。
ま、銀座の高級クラブに行ったことはないので、本当の相場は知らんけど。
1分あたりに換算すると、自分史上最も高い見学料であることには間違いないです。
でも、写真や動画で見て、これ、絶対に生で見たい!!って思っていたので、2万円も惜しくない。ここまで来て、行かない理由なんてない。止まない雨はない。明けない夜もない。
ちなみに、ネフェルタリの墓のチケット代が2万円もするのではなく、OPツアーなので、送迎とか、ガイドさん料とか、旅行会社へのマージンとか諸々込みでこの価格になっています。
お墓だけのチケット代は・・・すいません、チケット売り場に書いてあったけど忘れました。
2021~2022年度版の「地球の歩き方」では1400エジプトポンド(約7,000円)となっていますが、恐らく現在はもっと上がってると思います。
なお、王妃の谷の入場チケットは180エジプトポンド(約900円)(2024年1月時点)と良心的。このチケット代とは別に、ネフェルタリの墓見学チケットが必要となります。
ただ、今しがた阪急トラピックスのHPを見たんですが、ネフェルタリの墓は緊急修復工事のため、2024年3月2日より閉館しており、このオプショナルツアーは現在中止となっているようです。
良かったー!1月に行って、本当に良かったー!
3200年以上残り続ける、美しすぎるレリーフの色彩
王妃の谷の入口。王妃の谷のお墓も岩窟墓なので、雰囲気は王家の谷と同じ感じです。
この景観だけでも、日本だったら名所になりそう。
こちらがお墓の入口です。
お墓の構造はこのようになっています。
階段を降りて、前室と側室があって、さらに階段があって奥に玄室。
入口前でガイドさんの説明を受けて、いざネフェルタリのお墓へ!
過去に行った方のブログなどを読むと、墓内での撮影が禁止だったとあったので、目ん玉にしっかり焼きつけるぞー!と意気込んでいたら、ガイドさんに「中、撮影していいよ」ってあっさり言われました。
いいんかよ。撮影ルールは、行った時に確認してみないと分からないので、とりあえず、過去駄目だと言われたという情報があっても、撮影できるかどうか、ダメ元で聞いてみましょう。
この日の午前中、王家の谷で数か所のお墓に入り、「凄い!3000年前の色が残っている!」と感動していました。
ラムセス4世の墓のレリーフ
ツタンカーメン王墓のレリーフ
が、さすがエジプトで最も美しいと言われるお墓。色の濃さが全然違う。
入った瞬間に
え?これ、先週修復作業で塗り直しましたよね?
と言うレベル。
前室にある有名なレリーフの一つ。古代エジプトのゲーム「セネト」(チェスみたいなゲームだそう)を行うネフェルタリが左側に描かれています。
通常、王のお墓には「死者の書」と言われる、古代エジプトの葬送文書が描かれています。王以外の人のお墓には日常生活も描かれているのですが、ネフェルタリのお墓には王と同じ、死者の書に関するレリーフが描かれています。
最愛の妃、ネフェルタリをラムセス2世はファラオ=神とし、神殿やお墓を造ったんですね。
(ラムセス2世って、50人以上奥さんがいたと言われていますが、このネフェルタリに対する特別視、他の女性たちはどう見ていたんでしょうか。エジプト版「大奥」みたいなドロドロした愛憎劇があったんかな、やっぱ。)
天井には一面星空。
レリーフには、冥界へ旅立つネフェルタリを迎えに来た多くの神々が描かれています。
右側に描かれているのは、冥界の神・オシリス神。
エジプト神話では、オシリスは、弟のセトに殺害された後、妻イシスによってミイラとなり、冥界に復活したというお話があります。
ゆえに、ミイラの白い包帯で巻かれた姿で描かれています。(単に白い衣装着ているんだと思っていた。日本の神主さん的な感じで。)
右側には、ホルス神に手を引かれているネフェルタリ。
左側には、頭に太陽円盤を乗せたラー・ホルアクティ神とハトホル女神。
多少、壁がはがれてしまっている所がありますが、それでもこの色の鮮やかさ。
ラムセス2世の治世は、紀元前1250年頃なので、その奥さんのお墓ということは、大体3200年前に描かれたレリーフということです。
しつこいようですが、色彩の塗り直しは行われていません。当時の色がそのまま残っています。
こちらでは、イシス神に手を引かれたネフェルタリが描かれています。
前室と繋がっている側室へ。
オシリス神(見切れてる)の右側に描かれているのは、創造神のアトゥム神。
トキの頭を持つトト神。書記としての役割を持った神様です。
玄室へと続く階段の両側にも、レリーフがびっしり。
死者の守護神・アヌビス神。
私、大の犬好きなので、エジプト神の中でもアヌビス神はトップクラスで好きな神様です。
玄室には、石棺は残っていません。
お墓は盗掘にあっていて、ミイラの一部(膝の部分)のみが発見されています。
全裸で刃物を持っているなんて、完全に変質者かサイコパスですが、これも死者の書の一部を描いたもののようです。
変質者とか言ってすいませんでした。
見学時間は10分~15分程度と言われていますが、誰かが厳密に測っている訳でもないので、10分過ぎたからと言って「早く退出しろ!」なんてことは言われません。
私たちも大体10分強の滞在で、写真を撮って、レリーフを目に焼き付けて、10回ぐらい
これ、3000年以上前の色とか信じられないですよね。
って同じような事ばっか言って、退出しました。
自分史上、一番高い10分間でしたが、OPツアー申し込んで生で見て良かった!と思える美しいお墓でした。
アメンヘルケプシェフ王子の墓も見学
ネフェルタリの墓を見学したあと、まだ時間があるしということで、王妃の谷で公開されているアメンヘルケプシェフ王子のお墓も見学しました。
アメンヘルケプシェフ王子は、新王国時代・第20王朝の王、ラムセス3世の息子です。
レリーフはガラスで保護されていて、「ネフェルタリの墓はむき出しだったのに、こっちの方が何で保護されてんの??」と思いガイドさんに聞いたところ、このお墓の壁は漆喰で、破損しやすいため、このようにガラスで保護されているんだそう。
ほーほー。
背が低い子が息子のアメンヘルケプシェフ王子で、その前にいるのがラムセス3世。
アメンヘルケプシェフは、15歳前後で亡くなったそう。
幼くして亡くなった息子を、ラムセス3世が神々に引き合わせている様子がレリーフに描かれています。
ネフェルタリの墓の色の鮮やかさを見た後なので、どうしても比べてしまいますが、ここも十分保存状態よく残っていると思います。
奥には、花崗岩でできた石棺。
いた!アヌビス神!
「これ、めっちゃ手、しびれてるんですかね?」とか
「めっちゃ早く、手を動かしている様子を表現してるんでは?」など意見がありました。
真相は不明。
ミイラの一部がありました。
これ、アメンヘルケプシェフのミイラの一部・・・かな。記憶が残っていない上に、説明書きっぽい英文もぼやけて読めません。
でも、アメンヘルケプシェフのお墓に残されているっていうことは、おそらく彼のミイラでしょう。(間違っていたらすいません。)
オプショナルツアーの後は、船に戻ってお昼ご飯を食べ、午後からのツアーに備えます。
午前中は、ルクソール西岸の「死者の町」でお墓や葬祭殿を巡りましたが、午後からはルクソール東岸の「生者の町」で神殿見学です。
おまけ
ネフェルタリの墓で、気に入ったフクロウのレリーフ。
・・・こっち、見んな。(気に入ったって言っといて。)