阪急トラピックスさんの『【エミレーツ航空利用おひとり様参加限定】感動のエジプト ナイル川クルーズ8日間』に参加し、人生初のソロ海外旅行デビュー。
建築王・ラムセス2世
4日目の午後は「アブ・シンベル神殿」見学。
アブシンベル神殿は「アブ・シンベル大神殿」と「アブ・シンベル小神殿」の総称。
崖をくりぬいて建造された岩窟神殿です。
建造時期は、エジプト新王国時代。
第19王朝のファラオ・ラムセス2世によって建造されました。ラムセス2世の統治時期は紀元前1250年頃、今から約3300年前。
前日に見学したピラミッド群が、約4500年前の古王国時代の建造物だったので、1000年以上もぐぐっと時代が進みました。
ラムセス2世は、在位期間が66年10か月と非常に長いファラオでした。
また「建築王」とも呼ばれており、自身の像や神殿など数々の建築物を建造しています。
数ある建造物の中でも有名なのが、今回ご紹介するアブ・シンベル神殿。
「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」として1979年に世界遺産にも登録されています。
4体並ぶ圧巻のラムセス2世像
アブ・シンベル神殿はナセル湖沿いにある遺跡の一つ。
前回ご紹介したアスワンハイダムを建造するにあたり、水没の危機が生じました。
ですが、ユネスコの国際キャンペーンにより、神殿はブロック状に切断され、もとの位置より約60メートル上の位置に移動。
無事、水没を免れることができました。
アスワンハイダムで見たナセル湖。バスで3時間走ってきたのに、まだここにも広がっている。数字じゃいまいちピンと来ていなかったけど(ダムの体積は東京ドーム約164個分で、ナセル湖の面積は琵琶湖の7.5倍)その大きさを肌で感じました。
神殿の裏側がら、ぐるっと回るように歩き、正面側へ。
「おぉぉぉぉ!」と思わずみんな声が出る。
そしてガイドさんも感動を一言。
「こんなに人が少ないアブ・シンベル神殿見たことありません!!」
確かに。全然人がいない。
大神殿の正面には像が4体。像の高さは20m。これ、全部ラムセス2世。
どんだけ自分好きやねん。
左から2番目の像だけ崩れてしまっています。2000年以上前に雷が落ちた、または地震によって崩れたと2つの記録が残っているそう。
崩れた落ちた像が残っています。
ラムセス像の上には、ヒヒの像が並んでいます。
またラムセス像の間には、ハヤブサの頭に太陽円盤を乗せたラー・ホルアクティ神が彫られています。
写真ではちょっと分かりにくいですが、手には「命の鍵」(神殿の鍵)を持っています。
この命の鍵をモチーフにしたキーホルダーはお土産屋さんでも売られており、私も購入しました。
これ、命の鍵。
ラムセス2世像の足元にいる小さな像は、奥さんの像。
ラムセス2世は分かっているだけで50人以上の奥様を持ち、204人の子供がいたそうです。
少子化とは無縁の男・ラムセス2世。
この壁画は、2人の人物が持つパピルスと蓮が結ばれており、下エジプト・上エジプトが統合されて一つの国になったことを描いています。
人物の間に角の取れた長方形がありますが、これは「カルトゥーシュ」と呼ばれるもの。
王の名前は、このカルトゥーシュの中に刻まれています。
もちろん、ここに彫られているのはラムセス2世の名前の一つ。
下にもカルトゥーシュの中に彫られた名前。異なる文字ですが、両方ともラムセス2世の名前。
その下には、捕虜の姿。
神殿所内(列柱室・レリーフ・至聖所)紹介
神殿の入口前でガイドさんから説明を聞いたあと、自由時間。神殿内を見学します。
入口を入ると列柱室。
オシリス神の姿で表されたラムセス2世がずらり。
ラムセス2世の有名な偉業が、当時小アジアと呼ばれたエリア(今のトルコあたり)にあったヒッタイト王国との戦い。
紀元前1274年「カデシュの戦い」と呼ばれるこの戦いの様子を描いたレリーフが、大列柱室の壁に描かれています。
戦車に乗って戦うラムセス2世の姿。
よく見ると、馬の脚は前後4本ずつ。ラムセス2世の腕も2本ずつ描かれています。
これは、躍動感を表した、言わばアニメーション!
このカデシュの戦いで、ラムセス2世は敵のスパイの罠にはまり、気づけば自分の周りに味方はおらず敵ばかり。その数2500人!
それをラムセス2世は孤軍奮闘し、バッタバタと敵をなぎ倒しました。(と言われている。)
なお、その後エジプトはヒッタイトと和睦を結び、これが世界最古の和平条約と言われています。
神殿内の壁には、一面にレリーフが彫られています。
読める 読めるぞ!
とムスカ大佐ごっこし放題。
神殿内にはいくつかの側室があり、その内部にもレリーフが彫られています。
ライトアップされて、雰囲気出ています。
そして、本当に我々ツアー一行以外全然人がいないので、静かで神聖な雰囲気が増していました。
大神殿の奥は至聖所。
至聖所には、4柱の神々が祀られています。
左からプタハ神・アメン・ラー神・ラメセス2世・ラー・ホルアクティ神。
ラムセス2世自身も神として、こちらに鎮座しています。
2月21日と10月21日の年に2回、太陽が昇ると、ちょうどこの至聖所の神々の位置に太陽光が差し込む構造になっています。
神殿の位置は移動しましたが、ちゃんとそれも計算して再建築されています。
が、その時は物凄い人だかりで、神殿内もギューギュー詰め状態らしい。
そんな状況じゃ、レリーフもゆっくり見れないだろうし、神聖な雰囲気も感じられなさそう・・・
神々は人工ライトで照らされているんで、太陽光が差し込んでいる雰囲気は十分味わえました。
うん、これで満足です。
次回は、お隣にあるアブ・シンベル小神殿をご紹介します。
おまけ
小神殿への移動中、わんこ、落ちてた。