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ルクソールの【王家の谷】へ。「メムノンの巨像」と「ラムセス4世の墓」|2024年1月エジプト旅行⑮

阪急トラピックスさんの『【エミレーツ航空利用おひとり様参加限定】感動のエジプト ナイル川クルーズ8日間』に参加し、人生初のソロ海外旅行デビュー。

ツアー6日目。

古代エジプト文明の遺跡巡りも最終日を迎えました。(翌日も観光日ですが、遺跡はこの日でおしまい。)

毎日遺跡巡りですが、全く飽きることはありません。

この日は、ルクソールにある遺跡を巡ります。

新王国時代に栄えた街・テーベ

ルクソールは、ナイル川中流域に位置する街。かつて「テーベ」と呼ばれており、全盛期は新王国時代の第18~20王朝の時代。

古王国~中央国時代は、ファラオのお墓はピラミッドコンプレックスという形態でしたが、新王国時代には岩窟墓や葬祭殿といった建造物へと形を変えていきました。

ルクソール(テーベ)は、ナイル川を挟んで西側と東側に街が分かれています。太陽が昇る東側は「生者の町」として神々を祀る神殿が建造され、太陽が沈む西側は「死者の町」として墓地が造られました。

ルクソールにある遺跡群は、1979年に『古代都市テーベとその墓地遺跡』として、世界遺産に登録されています。

突如現れる巨大な「メムノンの巨像」

出発前に、船のデッキに上って朝のナイル川を1枚。

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午前中は、ルクソールの西側を観光します。船を降りて、バスに乗って移動。
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大量にサトウキビを運んでいる車に遭遇。

エジプト人は、甘い物が大好き(ガイドさん談)

確かに、ビュッフェでも多数のスイーツが毎回並んでいました。(観光客用のサービスというより、そもそも甘い物をよく食べる習慣があるからなのかも。)

まず最初に訪れたのは「メムノンの巨像」

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巨大な座像は、新王国時代の絶頂期に王であったアメンホテプ3世

もともとは、座像の後ろに彼の葬祭殿がありましたが、後の王たちが石材を利用するために取り壊してしまい、今は巨大な像だけが残っています。
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向かって右側は、鳥さんたちに大人気。
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何故か左側は鳥さんから不人気。
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プトレマイオス朝時代、ギリシア神話のメムノン像とされ「メムノンの巨象」という名になっています。

葬祭殿は壊されるし、像も別民族の神話の名前にされるし、アメンホテプ3世、散々やな。

かつて、朝夕の温度差によるきしみによって、すすり泣きのような音が像から出ていたようですが、古代ローマ人の修理によって音は出なくなりました。

像の滞在は短時間。記念撮影をしてすぐに撤収。今日は見どころがたっぷりありますからね。

新王国時代のファラオが眠る「王家の谷」

新王国時代、ファラオたちは盗掘を防ぐためにルクソール西岸の谷に、岩窟墓を造営するようになりました。

それが「王家の谷」と呼ばれる場所です。

しかし、結局盗掘を防ぐことはできず、ほとんどの王墓の財宝は盗掘にあってしまっています。盗まれたファラオの宝物、全部合わせたら一体どれほどの量になるんだろう・・・

王家の谷には、現在64基のお墓があります。

ちょっと見にくいですが、こちらが王家の谷の地図。

周囲を岩山に囲まれた谷の部分に、アメーバの触手のように岩窟墓が広がっています。

現在、観光客が見学できるのは、一部のお墓のみ。

チケットは、エリアチケットというもので3つのお墓を見学できます。

ただ、一部のお墓(ツタンカーメン、セティ1世など)は別料金となります。

今回のツアーでは、ツタンカーメン王墓見学ができるので、エリアチケットとは別に、ツタンカーメン王墓のチケットも頂きました。

エリアチケットは600エジプトポンド(約3,000円)ツタンカーメン王墓は500エジプトポンド(約2,500円)。(2024年1月時点)

入口に、王家の谷の模型がありました。

立体的に作られていて、地中の部分も再現されていました。

王家の谷はやや広いので、入口からお墓が集中しているエリアまで、カートで移動。

毎日、色んな乗り物乗れて楽しい。

ま、正直歩ける距離でしたけどね。

ガイドさんから、王墓内に描かれている壁画の説明などを最初に聞いて、王墓巡りスタート。

ラムセス4世の墓

まず最初に入ったのは、ラムセス4世のお墓。

見た目は、ピラミッドのような目立つ造形ではありません。

盗掘を防ぐ為に造られたお墓というだけあって、外側には何の装飾もなし。

ライトが付いているのもありますが、壁画の色彩もカラフルで、ピラミッドに比べると内部はとても明るい。

廊下の壁の壁画は、剥げてしまっている箇所も多いですが、それでも3000年前の色がこれだけ残っているのが凄い。何度も言ってますが、これら全て当時の色のままです。
色付きのヒエログリフ、凄く可愛いんですけど。文字ごとに、色の決まりとかあったんかな。ガイドさんに聞けば良かった。

奥の玄室に行くにつれ、色彩がしっかりと残っていました。

天井画。お墓の中に、足場組んで描いたんだろうか。

カルトゥーシュや文字の大きさとか、正確に揃えられているから何かお手本みたいなのがあって、それで統一感出してたのでしょうか・・・ガイドさんに聞けば良かった。(パート2)

玄室の石棺。

エジプト神話によると、かつて天空の神「ヌト」と大地の神「ゲブ」の兄弟は、ぴったりと抱き合ったまま離れませんでした。

二人があまりにも離れないもんだから、父親である大気の神「シュウ」が「お前ら、いつまでくっついとんねん、ええ加減にせーやー」と言ったかどうかは定かではありませんが、ヌトとゲブの間に入って、二人をぐいっと引き離しました。

そうやって、天と地の間に、大気に満ちた空間ができましたとさ。めでたし、めでたし。

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玄室の天井には、その場面が描かれています。

ちょっと分かりにくいんですけど、大気の神に持ちあげられたため、ヌト神の体が、手先と足をついた状態で、びよーんと伸びている状態が描かれています。

今日、私たちが何気なく見上げた青い空。そこにはヌト神の伸び切ったお腹が存在していたのかもしれません。

色彩の明るさや、数々の壁画に圧倒され、ここがお墓の中だということをすっかり忘れてしまうような空間。

以上、ラムセス4世のお墓でした。

次回は、かの有名なツタンカーメン王墓をご紹介します。