過去のお城訪問回顧録。
以前、三重県にある続100名城「多気北畠氏城館」の記事をアップしましたが、その際にお城の歴史について『1342年北朝方に田丸城を攻められ、逃れてきた顕能によって築かれたという説がある』とご紹介しました。
という事で、今回はその攻められたお城、田丸城をご紹介します。
加筆修正はしているものの、情報は当時のものなので、その辺ご了承ください。
訪問日:2018年12月8日
田丸城へのアクセス
JR参宮線「田丸」駅から徒歩約10分
田丸城のあるJR参宮線田丸駅まで、大阪から約3時間かかりました。ちなみに日帰りで行きました。(この後、もう一つ津城も合わせて。)
こうして、どんどん近場のレベルが人とずれていくのです。
JR田丸駅の駅舎。なかなか味がある。
ここは「熊野古道伊勢路出立の地」ということで、駅前にはこのような像がありました。
出立時点で早くもお疲れのように見えるな・・・
駅までは遠かったですが、駅からは徒歩10分なので、その点ではアクセス良好のお城です。
橋を渡ってすぐ右手にある建物、村山龍平記念館(写真に写ってる白い建物)に続100名城のスタンプが置いてあります。
村山龍平記念館
えっと・・・失礼ですが、村山さんって・・・どちらさん?
村山龍平さんは朝日新聞の創刊に携わり、学生スポーツイベントの代表格の一つでもある、高校野球の創設者でもある方です。
館内には、村山龍平さんに関する資料に加え、田丸城の模型とか関連資料、ここ玉城町の考古遺物なんかが展示されていました。
こちら入館料無料。っていうかそもそも無人でどうぞご自由に~感満載でした。
記念館の前には、高校野球100回記念の石碑が。
あまたの感動は、村山さんなくしては存在しなかったかもしれません。
ここ数年、特別なプレイじゃなくても、ただ高校生が一生懸命汗を流して野球してる姿や、アルプスで祈りながら応援してる女子高生の真っ直ぐな瞳を見るだけで感動して泣きそうになります。完全に親目線です。
高校野球がなければ、日本のプロ野球事情だって大きく変わっていたことでしょう。
世の中には歴史の教科書には載らない偉人がたっくさんいるし、それらを知るためには自ら学んで、もっと色んなところに足を運ばなきゃ、と思います。
正直、村山さんのことも今回初めて知りました・・・
田丸城の歴史
田丸城は南北朝時代、北畠親房が南朝側の拠点として築きました。
その後、北朝側に攻め落とされます。15世紀後半は、後に田丸氏を名乗る愛洲(あいす)氏が城主となりました。
1569年、伊勢進攻を開始した織田信長は、次男の信雄(のぶかつ)を北畠氏の養子にすることで和睦をはかり、伊勢の地を支配しました。
信雄は田丸城の改修を実施。三層の天守閣も築かれましたが、1580年に金奉行・玄智が金銀を盗んだ上火薬庫に放火。その火事で天守をはじめ、主要部は焼失。
(お城が焼失するのはよくあることですが、落雷や火災、戦によるものでこんな泥棒がらみの焼失ってあんま聞いたことない・・・)
その後、田丸氏、稲葉氏を経て、江戸時代には紀伊徳川家付家老の久野氏が城主となり、幕末まで続きました。
ちなみに、和田竜さんの小説「忍びの国」に、この田丸城が登場しています。
2017年には、嵐の大野智さん主演で映画化もされました。
小説は読みましたが映画は見てません。だって、イメージが・・・どうも違ってて・・・
城の遺構
入口から登り坂になっています。
二の門跡
富士見門
江戸中期に建てられており、当時の原型をとどめているそうです。門だけここにぽつんと置いてあります。
本丸入口の石垣。
・・・何かいっぱい垂れ下がってる。
その理由は
田丸城、今月いっぱいイルミネーション開催中!
ということで、城内には色々なイルミネーションが飾り付けられていました。
クマさんいるぜ。城なのに。
さらに
本来存在しない天守建ってる。
お殿様とお姫様のイラスト付き。
最初、元々ある天守にカバーかけているのかと思いましたが、近づいてみると単なる足場。
ライトアップ用に組まれたようです。
パンフレットの天守台にも石垣しか写真に写ってないし。
・・・上にしゃちほこっぽいのも一応おるな。
これ、夜どんな感じに光るんかな、と思って調べてみましたが・・・
・・・・・
(何か言え)
なお、このイルミネーションは現在も行われており、2024年1月31日まで開催されているようです。
改めて過去の記事を見返してみたら、城の遺構巡りというよりは、単にイルミネーションについていじって城内散策終了していました・・・
城山稲荷社
訪れたのは12月8日やったんですが、紅葉がすごくきれいでした。
わざわざ人が多い名所に行かずとも、道端の紅葉でも十分じゃないか、と思う派です。
利用案内(村山龍平記念館)
- 営業時間:9:00~17:00 土日祝は9:00~16:30(サイトによって、閉館時間が19:00となっているものもあり、詳細は不明です・・・)
- 入館料:無料
- 休館日:年末年始
おまけ
行きとは違う道で下ったら、城山公園というのが目の前にあり、蒸気機関車が展示されていました。
北海道函館線、千歳線で活躍した機関車だそうです。
はるばる本州へようこそー!
続100名城のスタンプ帳 公式ガイドブック