えちこの旅ブログ

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『藤原京』のコスモス畑と、江戸時代の町家が残る今井町をぶら散歩

ここ数か月、花の名所を訪れるお出かけが出来ていませんでしたが、久しぶりに秋を彩る花・コスモスを愛でに奈良の「藤原京跡」へ。

藤原京跡とは

奈良県橿原市にある藤原京は、日本で初めて中国の都を参考にして造営された本格的な都城です。

694年、持統天皇によって飛鳥から藤原京へ遷都が行われました。

発掘調査によると、5.3キロ四方の正方形と推定されており、その規模は平城京よりも大きいです。

京域内には耳成山・畝傍山・香久山の大和三山が含まれており、その姿は今なお京跡から見る事ができます。

アクセス方法は、近鉄「耳成」駅・「畝傍御陵前」駅・JR「畝傍」駅から徒歩30分。

または「コミュニティバス 橿原市藤原京資料室前」から徒歩4分です。

「畝傍」って、奈良出身の私にとっては馴染みの地名なんですけど、他府県の方にとっては難読地名に当たるのでしょうか?「うねび」と読みます。

ちなみに「耳成」は「みみなし」

今回私は耳成駅から歩いたのですが、歩道がなく車道に白線のみという道が多く、結構車通りも多かったので、あまり歩きやすい道ではありませんでした。

あと、耳成駅のお手洗い、未だに非水洗、いわゆる「ぼっとん」でした。昭和で時が止まってら・・・

藤原京跡は、春は菜の花・秋はコスモスの名所

世界遺産の構成遺産の一つで、年々観光地化が進んでいる平城宮跡は、建造物の復元が進んでいますが、藤原京は一言で言うと「だだっ広い広場」です。

所々に、建物跡を示す短い柱が建てられているだけ。

でも、平城宮跡も私が子供の頃は、ほぼこんな感じだったんですけどね。

現在は、春は菜の花、夏は蓮、秋はコスモスと季節ごとの花が咲く、花の名所となっています。

コスモス、ほぼ満開。

願わくばもう少しお天気が良ければ良かったんですが。というか、いいと思って来たら思いのほか曇天やった。

平城京は何度も行ったことがあるんですが藤原京に来るのは初めて。

(平城京には、史跡巡りとしてではなく、単にお花見したり、バドミントンしたりと原っぱ的感覚で訪れていました。史跡を公園使いする。奈良の子供あるあるです。知らんけど。)

周囲に高い建物がないので空が広い。その分、曇天の雲がのしかかってくる感が凄い。

確か三輪山がある方面。(一応「AR山ナビ」というアプリで調べたので、多分あってる)

しばらくすると、少し晴れ間が。やはりお花は光の下で見ると、一層色鮮やかですね。

家々の向こうにこんもりとしている緑の小さなお山が、大和三山の一つ「畝傍山」

1300年以上前、都として日本の中心だった場所。その歴史を感じられるような遺構はほぼありませんが、当時と同じ周囲を囲む山々と花の景色が素敵な場所でした。

江戸時代の町家が残る今井町をぶらり

藤原京から徒歩30分ほど歩いて、今井町へ。ここには江戸時代から残る町家が並んでおり、平成5年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された区域があります。

保存地区内に入ると、古い町家がずらりと並んでいます。

橿原市のHPによると「東西約600メートル、南北約310メートル、面積にして17.4ヘクタールの地区内には、全建物戸数約760戸のうち、約500件の伝統的建造物が存在」ということ。この数は、地区内の数としては日本一だそう。

奈良市内にある「ならまち」も、同じように江戸時代以降の町家が並ぶエリアですが、昨今はカフェや雑貨屋さんなどのお店がどんどん増えて、観光地としての要素が強くなっています。

一方、かつては「大和の金は今井に七分」と言われたほど、繁栄した地域ですが、現在はご覧の通り。

・・・人がおらん。

観光地として人々が沢山来る方が、経済的にはいいと思いますが、でも観光客で雑然とした風景は、情緒や風情なんてものが失われてしまう面も。(自分も観光であらゆるところに赴いている一人なので、偉そうなこと言える立場じゃないですが。)

その点、こちらの今井町。とにかく静か。あ、もちろんいい意味でね。

道の狭さが、祖母が昔住んでいた家を思い出させ、初めて来た場所なのに何だかちょっと懐かしい。(祖母は別に歴史保存地区に住んでいた訳ではないですが、奈良公園の徒歩圏内に住んでいた。多分、あの辺りも昔からの町区画なんだと思います。)

これらの町家の多く、路地を通りながら見ていたのですが、表札が掲げられているので、現役の個人の御宅です。なので、一つ一つのおうちを撮影するのは控えました。

観光地として人気が出て、この静けさが失われてしまうと、今井町の良さが半減してしまいそうなので、この先もほどよく人が訪れる場所であって欲しい。(という、部外者の勝手な願い。)

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ただ、いくつかの家は、中を見学できるようになっています。

河合家住宅

河合家は、古くより「上品寺屋(じょうぼんじや」という屋号で酒造業を営み、今なお造り酒屋を営んでいます。

残念ながら、私が行ったときは「休憩中」の看板が立っていました・・・ちょうどお昼時だったからかな。。。

こちらでは「出世男」という名の日本酒の試飲ができるそう。そもそもお酒が飲めない&無職時々派遣OLの私には出世は無縁ですが、我こそは出世したいぞ!!という方はぜひ。

今西家住宅(重要文化財)

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今西家の祖先は「十市県主(とおちのあがたぬし」という古代からの豪族。

大阪夏の陣の際、井町の西側を守ったため「今西」家と名乗るようになったそう。

1650年建造の建物は見学可。ただし、事前予約が必要です。

当日の朝、お出かけすることを決めた私は、事前予約なんぞしておりません。

ゆえに、重要文化財、外から眺めて終了・・・

シンプルに古い街並みをぶらりとお散歩しただけですが、所々に町家を改装したカフェもあり、のんびりした時間を過ごすのにはいい場所だと思います。