まだ桜咲く3月下旬。兵庫県小野市の粟生駅から加西市の北条町駅を走る北条鉄道に乗車し、鉄印の旅をしてきました。
関西に住んでいますが、北条鉄道は初乗車。というか、小野市に訪れるのも初めて。
こういった初めての機会が得られるのも、鉄印を集め始めたお陰です。
粟生駅から北条町駅へ
北条鉄道は粟生(あお)駅から北条町駅を結んでおり、全線乗り通しても総延長13.6キロ。20数分と短い路線です。
粟生駅は北条鉄道・JR加古川線・神戸電鉄3つの路線が通っています。
縁が無さすぎて、何て読むのかさえ最初分からなかった粟生駅。
粟生駅から乗車した桜をイメージさせるピンクの車両。(私は鉄道が好きですが、車両を見て「〇〇系」と判断できるほどの知識はないので、車両の性能や歴史ではなく、見た目や車内の雰囲気とか車窓を楽しんでいつも列車に乗っています。)
北条鉄道の鉄印記帳駅は終点の北条町駅。ということで、本日は粟生駅から全線乗り通します。
車両は1両のワンマンカー。
地元の方と、私と同じように鉄印をもらうために乗車していると思われる数名の乗客を乗せて列車は出発。
車窓から見える景色は田園風景。
そして、線路沿いに咲く立派な桜。
法華口駅は大正4年に建造された木造駅舎。国登録有形文化財です。
駅には法華山一乗寺の三重塔を模した塔が建っています。
一乗寺は、西国三十三所の第二十六番札所で私もかれこれ5年ほど前に御朱印を頂きに行きました。
窓からしばらくのんびりとした春の田園風景を眺めていたら、あっという間に北条町駅到着。北条鉄道の有人駅はここ北条町駅のみです。
私が乗車してきたピンクの車両の他に、緑カラーの車両もありました。
こちらが北条鉄道の鉄印。数種類ありましたが、私はこちらの車両デザインのものをゲット。
駅舎の横にはグッズ販売所もありました。
北条鉄道のオリジナルキャラクター「北条ふらわ」ちゃん。
鉄道のオリジナルキャラの大半は美少女キャラです。(別にいいんですけどね。)
北条鉄道に来られた著名人のサインも沢山貼ってありました。
列車の待ち時間に北条町散策
初めての北条町。鉄印をもらうだけではもったいないので、駅から徒歩圏内のエリアを観光してみます。
「北条の宿(しゅく)」と呼ばれるこの辺りは、奈良時代に建立された住吉神社、酒見寺(さがみじ)の門前町として栄えた場所。また、山陽と山陰を結ぶ交通の要衝でもありました。
住吉神社
駅から徒歩10分ほどで住吉神社に到着。
元々は酒見大明神、酒見社などと呼ばれていましたが、明治期に改称されました。
毎年4月の第1土曜・日曜に「北条節句祭り」が開催されているようで、訪れたのはそのお祭りの2日前。
境内ではお祭りの準備と思しき作業が行われていました。
福うさぎ、なでなで。(でも、このあと富山&新潟旅行で結構ついていないことが多発した・・・うさぎさん、私の撫で方悪かったですか?)
酒見寺
住吉神社のお隣にある酒見寺。
酒見寺は、745年にこの地を訪れた行基が酒見明神の神託により伽藍を建立したことに始まると伝えられる古刹。
新西国三十三所の第二十九番札所です。(新西国三十三所霊場は昭和7年に選定された比較的新しい霊場。)
元々の伽藍は、天正年間(約400年前)に兵火で焼失し、現在はその後に再建されたお堂が並びます。
多宝塔
1662年建立された多宝塔は国の重要文化財に指定されています。塔内には、大日如来が安置されています。
本堂
本堂から仁王門、多宝塔を眺めたこの景色がとても気に入りました。
五百羅漢
私が持っている鉄印帳の本でも紹介されていたのが、こちらの五百羅漢。
住吉神社から徒歩3分ほどの場所にあります。
兵庫県の指定重要文化財にも選ばれているこちらの五百羅漢。元々、石仏は酒見寺にあり、江戸時代初期にお寺の再興に伴う信仰・供養のために造立されたと考えられています。
境内の石仏はほぼ当時からの原型をとどめており、必ず親や子に似た顔に出会えると古くから言われ、信仰され続けています。
拝観料は200円。受付のおばちゃんがお話好きな方で、世間話したり、こちらの五百羅漢を撮影され続けた方の写真集を見せてもらったりして、しばし過ごす。
境内の桜が満開でした。
桜の木の後ろにずらっと並んでいるのが五百羅漢。
1体1体顔や姿が違うので、なかなか見ごたえがあります。
実は列車時間の都合上、ここでは10分弱しか滞在しない予定だったのですが、それでは全く時間が足りず(受付でおばちゃんと立ち話してたのもあり。)スケジュールを変更。1時間あとの列車に乗ることにしました。(北条町駅⇔粟生駅の列車は大体1時間に1本のダイヤ)
ということで、じっくり五百羅漢さんを鑑賞。皆さんの親や子、ご友人などに似た顔があるか探してみてください。
温和な雰囲気をまとう左の方に対し、右の方、完全に生気抜けてる・・・
きりっとした凛々しいお顔。
帽子っぽいもの被っている方もいます。
・・・角、生えてる?
一人、眼バキバキ。
剣?のようなものを持った方もいて、顔だけではなく体の彫刻も様々です。
江戸時代初期の建造ということは、約400年前のものなので、さすがに一部が欠けてしまっている石仏もありますが、その大半は今なお表情がはっきり分かるほど綺麗に残っています。
ただ、頭だけの姿になっている方もいらっしゃいましたが・・・(ちと怖い)
来迎二十五菩薩。
真ん中は釈迦如来。その脇には大日如来や阿弥陀如来。このように仏様を模した石像もありました。
五百羅漢に夢中になっていましたが、きちんとお堂にも参拝を。
ご本尊の薬師如来が祀られている本堂。
観音様とインドの神様が祀られている聖天堂(歓喜天)。
庚申堂。
和菓子みたいで美味しそう・・・(昼ご飯食べてないからお腹空いた)
五百羅漢は今まで何度か見たことがありましたが、大抵目線より上の場所にずらーっと並んでいることが多く、間近で1体1体を見ることはできませんでした。
しかし、こちらの五百羅漢は石仏として地面に並んでいるので、間近で表情や持ち物、体の彫刻など詳細に見ることができます。
さすがに500体全てをじっくり見る時間はなかったですが、個性豊かな五百羅漢鑑賞、とても楽しめました。
北条の五百羅漢利用案内
・拝観料:大人200円 小人100円
・拝観時間:9:00~17:00
・休日:年中無休
今回ご紹介した「住吉神社」「酒見寺」「五百羅漢」の位置関係はこちら。
それぞれの距離も近いので、列車の待ち時間に観光するにはとてもいい場所だと思います。
おまけ
五百羅漢はお寺の境内だけではなく、お寺前のお手洗いにも多数いらっしゃいました。
トイレの男女表示も五百羅漢です。そういや五百羅漢って顔だけ見たら性別不明かも。