世界遺産名:古都京都の文化財
※794年の遷都により誕生した平安京。その後1869年に東京へ首都機能が移るまで約1,000年の間、日本の首都として繁栄した京都(および滋賀大津市)の文化財17件が登録されています。(登録年:1994年)
以前、同じく世界遺産に登録されている『賀茂御祖神社(下鴨神社)』をご紹介しましたが、今回はそれと対を成すような名前の『上賀茂神社』をご紹介します。
正式名称は『賀茂別雷(かもわけいかづち)神社』ですが、一般的には通称名の『上賀茂神社』の方がメジャーかと思います。なのでブログ内でもこちらの名前を使わせて頂きます。
下鴨神社の記事はこちら。
上賀茂神社へのアクセス
・地下鉄烏丸線「北大路駅」徒歩20分 「北山」駅徒歩15分
・京都市バス「上賀茂神社前」すぐ
私は地下鉄北大路駅から賀茂川沿いをてくてく歩いていきました。
行った日は京都三大祭りの一つ『葵祭』の路頭の儀(行列)が行われる日でした。
この行列を見るのが一番の目的で、その前にお祭りの舞台となる上賀茂神社にも参拝しに行くことに。
本来、5月15日に開催される予定でしたが天候不良により1日順延となったので、今年は5月16日に行列が行われました。これに合わせて遠方から来ていた方もいたでしょうに。葵祭の行列の様子は後程ご紹介します。
上賀茂神社について
元は『賀茂神社(賀茂社)』という下鴨神社とともに、古代この地を支配していた賀茂氏の氏神を祀る神社でしたが、分社したことでそれぞれ「上賀茂神社」「下鴨神社」と呼ばれるようになりました。
上賀茂神社の御祭神は賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)
神社の由来は、神代の時代、神山に降臨した賀茂別雷大神を祀ったのが始まり。その後677年に社殿が造営されました。
ちなみに、賀茂別雷大神の母・玉依姫(たまよりひめ)とその祖父・賀茂建角身命は下賀茂神社の御祭神です。
境内案内
大鳥居
以前来たのが10年以上前なので、記憶がないんですがこの鳥居周辺、こんなに道綺麗だったかな・・・?
一の鳥居
一の鳥居をくぐると、真っ白の参道がすっと伸びる光景が綺麗です。。
両側には葵祭の観覧席(有料席)が設けられていました。
外幣殿(御所屋)
この建物の斜め前に神馬舎があります。日曜・祝日、そして大きなお祭りがある日の9時~15時には、実際にここに神馬が出社しています。以前来た時は会えなかったのですが、(多分、土曜日だったんだと思う。)そう!この日は「葵祭」という大きなお祭りの日!
ということは・・・
神馬ちゃんいたー!かわいい!!(お馬さん好きなので、マジで乗馬習いたいんですよね。)
しかも人参やりの体験もさせてもらえました。
一際大きく書かれた「お静かに」の注意書き。恐らくこれを守れない人が一番多いということでしょう。神馬ちゃんのストレスにならないように、注意書きに書かれていることはちゃんと守りましょう。
なので、
真っ白、かわいい!
と心の中ではしゃぎつつ、冷静を装って無言で人参差し上げました。一瞬にして食べられた。お腹空いてたんだね。
二の鳥居
二の鳥居前にあった境内案内図。
図の下中央にあるのが一の鳥居。そこから真っ白参道を通って二の鳥居をくぐると、殿舎が並ぶエリアとなります。
二の鳥居をくぐると目の前に現れるのが、上賀茂神社で有名な立砂。
賀茂別雷大神が降臨した神山を模したもの。古代祭祀において、神様が降りられる依り代の役割をしていたそうです。
立砂の後ろの建物は細殿。
楼門
本殿へと続く門。2016年に塗り直しが行われたみたいです。どうりで鮮やかな朱色。
楼門前には玉橋がありますが、こちらは通り抜け禁止。
なので、楼門へ行くには玉橋の隣にある片岡橋を渡ります。
中門
この中門の奥に、御祭神の賀茂別雷大神を祀る本殿と、本殿の修理が必要な時に仮殿となる権殿が並んでいます。
賀茂別雷大神の「別雷」は若い雷、若々しいエネルギーを持った雷(神鳴り)の力で厄を払う厄除けの神様。その他にも方除け・開運・必勝、面白い所では雷除け、電機産業守護のご利益もあります。
御神紋の葵紋。御祭神降臨の際、「葵を飾り祭りをせよ」と神託があったことから神社の御神紋となったそう。
上賀茂神社内には24の摂末社があります。その中のいくつかをご紹介。
須和神社
片山御子社
24ある摂末社の第一摂社。御祭神は玉依姫命で、縁結び、家内安全などのご利益があります。
川尾神社
新宮神社・山尾神社
摂末社ではないですが、伊勢神宮の遥拝所もありました。
京都にいながらお伊勢さんに参拝できます。
岩本神社
春なのに、赤紅葉。
・・・神の力か?
(そういう種類なだけでしょう。)
参拝を終えて最後に御朱印を頂きました。葵祭限定の書置きタイプがあったので、せっかくなのでそちらを購入。(確か1000円)
利用案内
・開門:二の鳥居5:30~17:00 楼門8:00~16:45
・拝観料無料
葵祭の行列鑑賞
上賀茂神社参拝後、京都植物園でバラを愛で、葵祭の行列を鑑賞しました。
(京都植物園のバラ園)
京都三大祭りの一つ葵祭の起源は、欽明天皇の時代(540~571年)に遡ります。凶作による飢餓や病気が流行したため、賀茂の大神の祟りを収めようと祭礼を行ったのが始まりと言われています。
元々は『賀茂祭』と呼ばれており、平安時代には「祭り」と言えばこの賀茂祭りの事を指していたそう。
『葵祭』と呼ばれるようになったのは江戸時代。装飾に葵の葉を使用するようになりこの名が定着しました。
5月の1か月間、様々な行事が行われますが中でも一番の見どころは、毎年5月15日に行われる(今年は天候の都合により翌16日に決行)平安時代の装束に身を包んだ人たちが京都御所を出発し、下鴨神社から上賀茂神社までの約8キロを行列巡行する路頭の儀。
※京都Naviサイトの行列巡行スケジュール。スマホでスクショしたのをそのまま載せるという雑さ。
鑑賞するのは初めてゆえ、どこが見やすいのかよく分からなかったのですが、ネットなどで情報収集し、下鴨神社から上賀茂神社の道中の賀茂川沿いで見てみることにしました。
↑青丸のとこ。
行列までは日陰の土手に座って待つことができたので、思いのほか快適でした。
ほぼ定刻通り行列が到着。
お祭りというと賑やかなものが多いですが、葵祭は鳴り物などは一切ないので、とても静かに無言で平安装束の人々が通り過ぎて行きます。
勉強不足で、それぞれの方たちが扮している役職とか役割とか不明なので、行列の様子のお写真をざざっとご紹介。
行列に出ている方のお顔は、一応プライバシーの観点からモザイクかけさせてもらいました。中にはカメラに笑顔向けてくれるまるで某テーマパークのダンサーさんのような方もいたんですが。こういう方たちのお顔ってどこまでそのまま載せていいのか疑問だわ・・・
牛車を引く牛さんや、お馬さんなどの動物たちも行列に参加しています。
途中、どの牛さんか忘れましたが途中で一歩も動かなくなって行列が中断する光景もありました。そりゃこの時代、普段から牛車引いてる訳じゃないだろうし、いきなりこんなもん引かされて人々の視線浴びながらアスファルト歩かされたら牛さんも嫌になるでしょう。数分間、係の人が牛をなだめすかし(ているように私には見えた)牛さんは歩みを再開させました。自然と周りからは暖かい拍手が。
女性たちは御付き(?)の方たちに傘をさしてもらいながらの登場。
一際高い輿に乗っているのは「斎王代」と呼ばれる方。元々、賀茂神社に仕えた未婚の皇女を「斎王」と呼んでいました。鎌倉時代に斎王制度がなくなり、現在は「斎王」の代理である「斎王代」が選ばれ、葵祭に参列しています。
斎王代の方は、お顔を公表されているのでそのまま載せさせてもらいます。とってもお綺麗。(あ、斎王代以外の女性の方も皆さんとてもお綺麗でしたよ。)
他の場所は分かりませんが、私が鑑賞した場所は横一列に人がずらっと並びはしているものの、それほど人も多くなく、行列を目の前で見ることができました。
衣装や持ち物、牛車の装飾など平安絵巻の世界を間近で見ることができて、なかなかに面白かったです。
おまけ
しんがりを務めた牛さん。
・・・歩くん嫌そう・・・