えちこの旅ブログ

知的好奇心のおもむくままに

MENU

ホタルイカの発光を見に行こう「ほたるいかミュージアム」|2023年4月富山&新潟③

春の風景を求めて富山&新潟の旅3日目。

「あさひ舟川『春の四重奏』」を鑑賞したあと、再びあいの風とやま鉄道に乗って、2日目の宿泊地である滑川駅へ。

「あさひ舟川『春の四重奏』」の記事はこちら。

iechiko.hatenablog.com

滑川駅は、高岡駅と春の四重奏の会場の最寄り駅である泊駅の間にあるので、元々は4日目に四重奏の景色を見に行こうと思っていたのですが、その日が雨予報だったため、予定を変更し、一旦泊駅まで向かって、また滑川駅に戻って来るという行程を取ったのでした。

こんな感じで、事前に割と入念に計画を立てておきながら、結局現地の天候等でスケジュールを練り直すことが多々あります。

春の風物詩・光るホタルイカが見られる滑川

今回、私が滑川に来た理由がこちら。

毎年3~5月に行われるホタルイカ漁を見学するためです。

ホタルイカは、危険が迫ると青く光る習性を持っており、網で捕らえられた瞬間に上記のポスターのように青白く光る光景が見られます。

通常は水深200~600mの深海に生息しているホタルイカですが、毎年この季節になると産卵のため滑川沿岸に集まってきます。

そのタイミングに合わせて、ホタルイカ漁が行われ、そしてその風景を見るための観光船も出航されます。

まさにこの時期、ここ滑川沿岸でしか見ることができない春の風景です。

ほたるいか海上観光について

ほたるいか海上観光に参加する為には、事前に申し込みが必要です。

2023年の概要は下記の通り。

・開催日:2023年4月1日(土)~5月7日(日)

・予約受付期間:Webでの乗船予約受付は、2月1日(水)~4月26日(水)まで。(その他、宿泊付きや乗船のみの電話予約も行われています。それぞれ日程が違うので、HPにてご確認ください。)

注)現時点でHPを確認したところ、予約カレンダーの日付が全て×となっていたので、既に今年の予約は埋まってしまっているようです。

・料金:大人5,000円 小・中学生3,000円(未就学児は乗船不可)

※現地で現金払い

・時間:集合時間午前2:00 乗船時間午前2:30~

・集合場所:ほたるいかミュージアム売店

午前2時の集合だなんて、もはや望遠鏡担いで見えないものを見ようとするレベル。

詳細は下記「ほたるいか海上観光」HPをご確認ください。

hotaruikamuseum.com

私は、今回の旅行プランを割と早い段階で作っていたので、2月初旬に乗船のみWeb予約で行い、希望日に予約を取ることができました。

期間が限られている&観光船に乗船できる人数が少数であるため(2023年は、4月1日~4月28日は70名。4月29日~5月7日は35名。)早めに予約した方がよさそうです。

あと、天体観測ばりの早い集合時間のため、車が利用できない方はほたるいかミュージアムの徒歩圏内に宿泊していないと、電車移動が不可能。(滑川駅からほたるいかミュージアムまでは徒歩約10分)

滑川駅周辺に宿泊施設はそれほど多くないので、こちらも合わせて早めに抑えておく必要があるかと思います。(あるいは、ほたるいか海上観光の宿泊付きを予約するのもいいかも。)

光るホタルイカを見るのが目的ですが、そもそも漁を見学すること自体が初めてなので楽しみ!

ということで、泊駅から30分かけて滑川駅到着。

「ほたるいかミュージアム」で、ホタルイカについて学ぶ

ホテルのチェックイン時間にまだ早かったので、翌日の集合場所でもある「ほたるいかミュージアム」で、ホタルイカについて予習をしておくことに。

道中にもイカ。でも、これはホタルイカ・・・か?

マンボウはさすがに富山沿岸にいないよね・・・?

こちらがミュージアム。

見学前にお昼ご飯がまだだったので、併設されている「みちcafe wave」でランチタイム。

ほたるいかバーガー(470円)と深層水ソーダ富山湾サンセット(410円)

バーガーには、ホタルイカフライが入っていました。正直、個人的には、ホタルイカはフライにするより酢味噌で食べた方が好み・・・

お腹を満たしたあと、入場チケットを購入してミュージアム内へ。

観光船に乗船しなくても、この時期はミュージアム内でほたるいか発光ショーが行われており、ほたるいかの発光を見ることができます。

ただし、受付でスタッフの方から一言。

現在、ホタルイカが不漁でして。ショーはご覧頂けるのですが、数が非常に少なくなっております。ご了承ください。

ネットニュースで読んで既に知っておりましたが、そう。今年、ホタルイカが全然獲れていないそうです。

やはり噂は本当だったか・・・

(ネットニュースだって、ちゃんと真実伝えるものも多くあります。)

そもそもホタルイカの数が少ない事に加え、そもそも天候不良で漁に出れていないという情報もあったので、ついでにスタッフの方に観光船の出港状況について聞いてみたところ

昨日は出港したんですけど、今日は欠航でした。

とのこと。そして、この日の夜から明日にかけて天候は崩れ、雨・風強まる予報が出ていたことから、正直明日の観光船出航は厳しいかもな・・・と既に若干諦めモード。

なお、観光船が出航するかどうかの判断は、当日ギリギリに決定されます。いずれの場合も個別の連絡はないので、直接受付に行って出航か欠航かを確認する必要があります。(ただし、台風等の気象災害が予想される場合など、連絡が頂ける場合もあるようです。)もし、欠航の場合は、ミュージアム内でほたるいかの発光ショーを無料見学できます。詳細は下記の「よくあるご質問」をご確認ください。

hotaruikamuseum.com

何はともあれ、今までの人生で一度もその生態について詳しく学んだ事のないほたるいか。この機会に勉強しましょう。

まずは2階の「ミュージアム・ギャラリー」でホタルイカと滑川の歴史についての展示を見学。

ホタルイカには、腕発光器、皮膚発光器、眼発光器の3つの発光器が備わっています。

それぞれ違う光り方をすることから、目的別で光る器官を使い分けていると考えられています。

①襲ってきた敵を驚かす(腕発光器)

②光ることで、太陽光の光に溶け込んで敵に見つからないようカモフラージュする(皮膚発光器)

③眼発光器については、最近発見されたもので、使用用途についてはまだはっきりしたことは分かっていません。

また、発光理由の一つとして、仲間とのコミュニケーションを取っているとも考えられています。

実際の漁では、このように光るホタルイカが見られるようです。

見たい。これ、見たい。

ホタルイカ漁とそれを見学する観光船の模型。

乗りたい、この観光船、乗りたい。

展示パネルの説明によると、産卵期のほたるいかが富山湾の東側に集まる理由は、浅瀬が少なく、沿岸部から急に深くなる地形が関係していると考えられています。

日中は200~600mの深海で過ごし、夜になると産卵のため浅い層まで浮上してきます。

なお、産卵後ほたるいかは死んでしまうため、その一生はたった1年と短いものだそう。

そう思うと、あの青い光も命をかけた最後の灯に見えて、また感じ方変わってくるな。

1階に移動すると、実際のほたるいかを見学できます。

案外すばしっこく動くので、ぶれずに撮るのが難しかった。

「深海不思議の泉」コーナーでは、直接ほたるいかに触れることもできました。

滑川沖から取水された深層水が湧き出る泉。

「たべないでください」の注意書き。

注意書きするっていうことはそういう事が過去にあったんかしら・・・ここからすくって、直で食べる人おったら相当強者やと思うんですが。

注意書きの通り、優しくタッチ。

f:id:iechiko:20230415095944j:image

触感は、ぷにょっとしたご想像通りのいかの触感です。

というか、私今まで茹でられたホタルイカしか見たことないんですが、生(?)は思っていた以上に大きい。

そして、深層水、めっちゃ冷たい。

「深海展示コーナー」では深海の生物の展示もあります。

ダイオウグソクムシ。通称「でかダンゴムシ」(と個人的に呼んでいるだけ)

モロトゲアカエビ。

・・・食べたい。

(私は食べ物でエビが一番好き)

マツカサウオ。

・・・胃袋を出して包み込む・・・ですと?想像したら怖すぎるんですけど。

オニオコゼ。「おこぜ」とは「見た目が悪い魚」という意味だそう。そこに「オニ」ついてるから、今の感覚で言うと「超見た目が悪い魚」ってことでしょうか。

・・・可哀想に。

展示品を見ている途中で、ほたるいか発光ショーの時間になったので、シアタールームへ。シアター内での撮影は不可のため、こちらの写真はありません。

スクリーンの下にほたるいかが生息するいけすがあり、その周りを囲むように座って、まずはスタッフのお兄さんからほたるいかについての説明を聞きます。そして、スクリーンでほたるいかについての説明や漁のシーンの映像を鑑賞。

最後に部屋を真っ暗にして、ほたるいかの発光ショーという流れでした。発光ショーは、いけすの中に張った網を引っ張って、ほたるいかを刺激して光らせるという感じ。

ここでもお兄さんが

通常よりもかなりほたるいかの数が少ないのでご了承ください。

と前置きをするほど。通常を見たことがないので比較しようがないのですが、それでも発光ショーではホタルイカが青白く光る瞬間を見ることができました。

こちらで飼育されているホタルイカは、職員の方が漁に同行して獲って来ているのだそう。なので、漁が欠航になったりすると、ミュージアム内で見られるホタルイカの数も必然的に減少してしまうとのことでした。

ホタルイカの生態と同時に、今年のホタルイカが不漁であることもしっかり学べた「ほたるいかミュージアム」小さな施設ではありますが、ほたるいかに特化したミュージアムは恐らく日本にここだけかと思いますので、貴重な経験となりました。

そして、今回の記事で人生で一番「ほたるいか」という文字を入力しました。

(ほたるいかミュージアムでの表記は「ほたるいか」と平仮名表記だったので、それに従ってミュージアム関連の表記は平仮名。それ以外はカタカナで書いてたけど、もう途中でどっちでもよくなった。)

ちなみに、ホタルイカのいないシーズン6月1日~3月中旬までは龍宮ホタルの発光ショーが行われるそうです。

見学を終えて外に出て、ミュージアムに付随している展望スポットへ。

曇天。

曇天。でも山々は恰好いい。

ミュージアムから滑川駅方面に続くその名も「ほたるいか通り」

ほたるいかミュージアム利用案内

  • 料金:3/20~5/31 大人820円 小人410円 6/1~3/19 大人620円 小人310円
  • 開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日:6/1~3/19の毎週火曜日および年末年始、1月最終月曜日から3日間(火曜日が祝日のときはその翌日)

hotaruikamuseum.com

果たして、ほたるいか海上観光出航の結果は・・・?

正直、出港の望みは薄そうだと思いながらも、翌日ほたるいか観光船に乗船する予定でこのあとホテルに戻り、さっさとシャワーを浴びて一旦18時に就寝。

(観光船の受付が2時。朝型人間の私はそんな遅くまで起きておける自信がなく、夕方に寝て、深夜に起きてツアーに参加するというスケジュールを試みました。)

が、そんな早い時間に寝られる訳もなく、結局ただ1時間半ぐらいベッドで横になったあと起き出し、スーパーで買っておいたおにぎりを夜ご飯として食べて、21時に再びベッドへ。

寝坊が怖くて0時に起床。準備したり、のんびりしたりで1時半過ぎ。満を持していざ!ミュージアムへ!!

と、ホテルのエレベーターに乗って1階で扉が開いた瞬間、ご夫婦と思しき男女お二人に遭遇。

あ、もしかしてホタルイカツアーに行かれます?

はい。

今、ホテルのフロントの方が教えてくださったんですけど、漁欠航ですって。

・・・あ、やっぱりそうですか。

漁ではなく、ミュージアムについて長々と書いていたのでお気づきだったかと思いますが、はい、ご想像通りほたるいか観光は欠航となりました。

ミュージアムに行くまでもなく、ホテルのエレベーター一歩出たところで、私のほたるいかツアーは終了。

ミュージアムに行けば、ほたるいか発光ショーが見られたんだと思いますが、前日に見たからまぁ、いいかと部屋に戻ってさっさと就寝。

変な時間に寝たり起きたりしたため、翌日定期的に急な眠気に襲われる羽目になりました。

なお、今年特に不漁というニュースを目にし、ミュージアムでもスタッフの方から聞いたりしましたが、そもそもこのほたるいか海上観光は、天候によるところが大きく、欠航になることも度々あるみたいです。自然相手のツアーなので申し込み時点から「駄目でも仕方ないな」ぐらいの気持ちを持っておいた方がいいかもですね。

人間に獲られたり、見られたりするためにホタルイカも産卵しに来てる訳じゃないんで。(って、見学ツアー申し込んでいた私が言えることじゃないですが。)

おまけ

滑川駅に貼ってあったポスター。

滑川は「すべらない街」だそうです。

受験や「すべらない話」の出演前に、願掛けで来てみてはいかがでしょうか。