えちこの旅ブログ

知的好奇心のおもむくままに

MENU

春を感じる伊豆の旅③~雛のつるし飾りまつり~

伊豆で一足早い春の訪れを感じるまつり巡りの旅。

1~2日目は河津桜を愛で、3日目はつるし雛発祥の地、稲取「雛のつるし飾りまつり」へ。

iechiko.hatenablog.com

iechiko.hatenablog.com

日本三大つるし飾りの一つ「雛のつるし飾り」

3月3日といえば、ひな祭り。私も子供の頃は毎年、母親に雛人形を飾ってもらっていたものです。

伊豆の稲取地域では、古くより雛の飾り細工をつるす風習があります。(つるし飾りの起源は定かではありませんが、江戸時代後期にはこの地方に根付いていたようです。)

稲取地方の雛のつるし飾りは、九州柳川地区の「さげもん」山形県酒田地区の「傘幅」と合わせて日本三大つるし飾りと呼ばれています。

山形酒田地区の「傘幅」(文化公園 雛の館展示品)

今回会場で頂いたパンフレットによると、江戸時代においては、雛人形は大変高価なものだったので、一部の裕福な家庭でしか飾ることができませんでした。

そこで、着物の切れ端で女の子の幸せを願い、手作りした人形をつるしたことが稲取の雛のつるし飾りの発祥とされています。

今年で26回目を迎える雛のつるし飾りまつりの開催期間は、2023年1月20日(金)~3月31日(金)となっています。

inatorionsen.or.jp

雛のつるし飾りまつりの会場

雛のつるし飾りまつりの会場は複数あり、それぞれ点在しています。

稲取は坂が多い街なので、全部歩いてまわるのはなかなか大変かもしれません・・・

f:id:iechiko:20230228180634j:image

稲取温泉旅館協会HP「雛のつるし飾りまつり」チラシ)

私は時間の都合もあり、今回はメイン会場である「文化公園 雛の館」素戔嗚神社」の2か所を訪れました。

開館時間や拝観料などは施設によって異なるので、上記HP等でご確認ください。

文化公園 雛の館

雛のつるし飾りのメイン会場である「文化公園 雛の館」寄り駅はJR伊豆稲取駅。駅からは徒歩15分ほどです。

雛飾りの展示数は100対!メインとなるジャンボつるし飾り(6,409個)や17段の雛段飾りを鑑賞することができます。

私は前日、会場近くの宿「心湯の宿~SAZANA~」に宿泊していたため、チェックアウトした後、朝一で会場へ。

こちらの会場は拝観料500円が必要。(宿で割引チケット400円が購入できました。)

入って正面に登場。17段の雛飾り。

お雛様もお内裏様も複数名。三人官女や五人囃子も団体で、もはや三人とか五人のレベルではありません。

そしてその周囲を彩るつるし飾り。つるし飾りには複数の種類があって、それぞれに意味があります。(ご紹介するものは、頂いたパンフレットに記載されているものを引用させてもらっています。)

こちらは『ふくろう』「福」や「不苦労」という意味をかけているそう。昔の日本人の風習って、こういう掛け言葉が色々考えられていて面白い。

かわいい女の子は『だるま』七転び八起きで福を招く縁起物。

男の子の端午の節句コーナーもありました。

(ちなみに、5月5日が男の子の日だから、その間の4月4日はオカマの日なんてことも言われますよね。そして私はそんなオカマの日生まれ。子供の頃はいじられたもんさ。)

つるし鯉のぼり。かわいい。これなら大きなお庭が無くても鯉のぼり飾れますね。

熊に勝てそうにないぐらい可愛い金太郎。

会場にはそこかしこにつるし飾りが吊るされています。

通常の雛人形には登場しない飾りに興味津々。パンフレットで飾りの意味を調べたりしながら、つるし飾りを見ていきます。

ほっかむり姿のお人形は『おかたぐろ』

「おかた」とは高貴な人という意味だそう。

17段の雛段横に飾られたつるし飾りは、一際長い。凄いアホな感想なんですけど、これ季節外でなおしている間に飾りめっちゃ絡まりそうですよね。

(あ。「なおす」って関西弁で「片づける」という意味です。標準語だと他の言い方何だ?しまう?)

大正から昭和にかけて作られた各ご家庭のつるし飾り。

会館にあった説明書きによると、つるし飾りは、お役目を終えると「どんど焼き」に納める風習があるため、古い飾りは数多く残っていないんだそうです。

こんな素晴らしい雛飾り、燃やしちゃうの?!もったいない!って思うんですが、焼くところまで含めて「雛のつるし飾り」という風習なんでしょうね。

これ、箱も当時のものかな。相当いい味わい。滋養豊富なヨモギアメ、食べたい。

つるし飾り以外の手作り飾りも可愛らしいです。不器用過ぎて、外れたボタンすらまともに縫えない私からしたら、これらの作品は全て神の域。(縫物習慣のない現代だからいいけれど、私この時代に生まれていたらさぞ苦労したことでしょう・・・)

ウサギ雛人形

干支だからウサギ飾っているのかと思ったら、つるし飾りとして意味があるみたいです。赤い目のうさぎは呪力があるんだそう。何その『呪術廻戦』の登場人物みたいな設定。

私の干支も発見。

世界で一つのスワロフスキーデコつるし飾り。

会場の横にはお土産屋さんが隣接していて、そこでつるし飾りの販売もありました。

会場の周りにも河津桜が綺麗に咲いています。ただ、本日もなかなかに曇天・・・

この旅で、青空と河津桜というコンビネーションを、ほとんど撮影することはできませんでした。

でも、本来この日は雨予報だったんですが、このあとお天気回復して一切雨降らなかったんですよね。なので私、晴れ女と自負してもいいはず。(最近、曇天女の方がしっくりくること多いけど。)

圧巻の118段の雛飾り!素戔嗚神

文化公園 雛の館をあとにし、そこから徒歩で約20分。次の目的地は素戔嗚神

こちらで拝観できるのは、神社の階段118段にずらりと並ぶ雛人形稲取温泉協同組合さん調べによると、雛段数では日本一!

f:id:iechiko:20230301101416j:image

海を見下ろす階段にずらりと並んだ雛飾りは、電車の中からも見ることができます。

熱海から下田方面行の場合は、進行方向右側。(海と反対側)車掌さんからのアナウンスも入りますが、見れるかどうかはお天気次第。

そう。ご覧の通り屋根のない屋外展示の雛人形は、毎日毎日地元の方の手で飾りつけられているのです。

隣で見ていたおじさんが、スタッフの方に聞いているのが聞こえたのですが、この日は朝6時から飾りつけをしていたそう。(素戔嗚神社の展示時間は10:00~15:00)

それでも

今日は人数が多かったので、割と早くできましたね。

だそうです。

屋外展示なので、拝観料などは不要なのですが運営管理費として300円を募っておられました。(ただ、お賽銭箱のようなものが階段下に置いてあるだけで、支払わないと見れないという訳ではないです。ですが、これほど素晴らしいものを無料で見るのは申し訳なさすぎるので、もちろんお支払いさせて頂きました。)

神社の本殿は、この雛飾りの階段上部にあります。そこまでなかなかの上り坂ですが、素戔嗚さんにもちゃんとお参りしておこうと汗だくで坂を上がります。

(この日、前2日に比べて気温上昇。気温の変化が激しい時期は旅行中の服装選びが本当に難しい。)

途中、稲取の港を一望。

本殿に参拝し、上から雛段を見てみます。

雛段飾りをこの角度から見ることってないですよね。お雛様とお内裏様の背後を取る。

f:id:iechiko:20230301101422j:image
f:id:iechiko:20230301101426j:image
f:id:iechiko:20230301101429j:image
私は10時ちょい過ぎに来たので、数人程度しか人がいませんでしたが、下に降りると、先ほど以上に人が多く撮影する人の列ができていました。混雑回避のためには、なるべく早めに行くことをおすすめします。

 

この年になると、ひな祭りに何か特別なことをすることもなく、正直自分の中で存在感の薄い行事ではありました。

ただ、今回久々に雛飾りを見て、幼い頃、雛人形飾ってあるのが嬉しくて、毎日雛段飾りの前に座っては♪明かりをつけましょ ぼんぼりに~♪って歌ってたなぁと思い出し、懐かしい気持ちになったのでした。これが俗に言う「エモい」ってやつですね。

おまけ

雛人形は可愛いけど、市松人形ってちょっと怖いって思っちゃの何でだろう。

(普通に動き出しそうなぐらいリアルなんよね。)