えちこの旅ブログ

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小笠原諸島 父島の旅① 旅のきっかけ&準備編

2022年9月の最終週。東京竹芝港から約1,000キロの地にある小笠原諸島父島へ。

 

旅のきっかけ

〇〇に行きたい!と思っても、金銭的や時間的、現地のアクセスの難しさや海外の場合情勢の問題などなど、実際には思い立って簡単に行けない場所も多いです。

私にとって、日本にはそのような場所はほぼないんですが、唯一と言っていいほど、行くのをためらうハードルの高い場所が一か所ありました。

それが小笠原諸島

2011年に世界自然遺産に認定され、何度となく本で目にした青い海。美しい自然。

行ってみたい!と思ってはいたものの、なかなか踏み出せなかった理由。

それはアクセス方法がただ一つ、片道フェリー24時間ということ。

 

2017年にアフリカ旅行をした際、恐らく片道24時間ほどかかったとは思いますが、それは飛行機乗り継ぎを含めたもので、一つの乗り物に延々24時間乗り続けたことは人生皆無。

そして何より私はこの世で一番船が苦手。

乗り物に酔いやすい体質で、車・バスでは文字を読んだり物を食べたりすると気持ち悪くなるので、基本ただ呼吸のみを繰り返し過ごしています。

実際船で酔ったことはないんですが、あの不規則の波揺れに三半規管が揺さぶられる感じが耐え難く、そもそも長時間の船旅を意識的に避けてきました。

そんな船でしか行けない小笠原。正直、きっかけがなければいまだに足を踏み入れていなかったと思います。

きっかけは、8月下旬。異動前の部署の元同僚の子に

実は私、9月末で仕事辞めるねん。ほんで9/9が最終出勤日やねん。

とLINEしたこと。

彼女とはお互い旅行好きで、よく旅の話をしていた仲でもありました。

そんな彼女から、退職を告げたLINEのやり取りの最中、こんな提案が。

もしよかったら、私9月に小笠原行こうかと思ってるんですが、一緒にどうですか?

と思いもよらぬ提案が。

9月から10月初旬にかけて、すでに旅行の予定が入ってはいたのですが、提案された日程9/27~10/2はちょうどすっぽり空いている。

24時間フェリーにひよって、今まで躊躇していた小笠原。

一人旅での行先として、一歩が踏み出せなかったけど、これは最大のチャンス!

このタイミングで彼女にLINEしたのも何かの縁。

一瞬の迷いもなく

乗り物酔いしやすいから、24時間フェリーは不安やけど、でも行く!行く!

と返信してました。(やっぱりちょっとひよってたヤツ)

スケジュール

9/27(火) 11:00 東京竹芝発 おがさわら丸泊

9/28(水) 11:00 父島二見港着 父島泊

9/29(木)~9/30(金) 父島泊

10/1(土) 15:00 父島二見港発 おがさわら丸泊

10/2(日) 15:00 東京竹芝着 そのまま新幹線で大阪へ帰宅

準備編

①ツアーで申し込むも空席なし

小笠原旅行が決定した時点で、ちょうど出発予定日1か月前。

そこから、現地の宿泊先をちらほら探してみたところ、いつも愛用している楽天トラベルやagodaなどではほぼ小笠原の宿泊先はヒットせず。

国内でツアー旅行はほぼしたことないんですが、これはフェリー&ホテルがセットのパックツアーで申し込んが方が楽では?となり、価格帯もお手頃で、現地フリーの小笠原ツアーを提案していた旅行会社に問い合わせてみると、返ってきた返事は

『9/27発はすべて宿泊施設満室のため、ご案内できるお宿がございません』

・・・え?ご案内できる宿がないですと・・・?

②個別に宿探し 無事宿泊先の確保

うそん。宿ないとかそんなことある?

そこから、他サイトやgoogle mapで空室のお宿がないか検索開始。

小笠原観光協会のサイトでは、地域別で宿泊予約状況が検索できるようになっています。

www.ogasawaramura.com

港に近く、宿や飲食店が集まる中心地「大村地区」で探すとまだ空きありとなっているとこがある。

更新日が古く、現状が分からない所もありましたが、きちんと更新がなされ最新情報が反映されていそうな宿からよさげなところを見つけ、メールで問い合わせたところ「空き室あります」の回答が!!

空き室、あるやんけ!!

と旅行会社へツッコミたくなりましたが、まぁ、提携している宿が全滅やったってことなんでしょうね。

という訳で、無事宿泊先の確保ができました。

宿泊先は、ガイドブックにも載っているWEST ANNEXさん。

ogasawara-west.tokyo

しかも専用バルコニー付きの3F スイートルーム。

ここを指定した訳じゃなく、ここしか空いてなかったんです。一時は宿なしと言われ、焦りましたが結果的に思いのほか快適なお宿を確保できました。

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ちなみに、小笠原行きのフェリーを運行している小笠原海運では、「おがまるパック」というフェリー+宿のパックツアーの提供もしています。

問い合わせが電話のみで、受付時間が限られていたこともあり今回利用せずでしたが、ここを使ってでも宿の予約はできたかもしれません。

ツアーや宿の問い合わせ方法がいまだ電話のみのところもあり、この時代においてもまだネット対応していないのか、本州とは勝手が違うと思い知ったのでした。

さすがフェリーで24時間。

③フェリーの予約

宿が決まったら次はフェリーです。

何度も言うてますが、小笠原へのアクセス方法は、小笠原海運が運航する片道24時間のフェリーのみ。

その名も「おがさわら丸」通称「おがまる」

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おがまるは、東京港竹芝桟橋小笠原諸島父島二見港を基本的に6~7日に1便のペースで就航しています。

要は、最低でも一度行ったら6日は帰ってこれないのです

るるぶ小笠原 伊豆諸島』によると、2022年小笠原へ行くチャンスはたったの63回だそうです。

今回、私たちは

9/27(火)11:00 東京竹芝桟橋発→9/28(水) 11:00 父島二見港

10/1(土)15:00 父島二見港発→10/2(日)15:00 東京竹芝桟橋

のフェリーを予約しました。

フェリーの運賃は、時期と部屋の等級によって変わります。

一番安い2等和室は、コロナの影響で人数制限がかかっていることもあってか既に空き室なし。そこから一つ上の2等寝台を予約しました。

フェリーはインターネットで随時等級ごとの空き状況の確認ができ、またオンライン購入の方がネット割で安くチケットが買えます。

ちなみに上記日程での往復2等寝台フェリー代は、66,910円でした。

www.ogasawarakaiun.co.jp

④現地ツアーの予約

5泊6日のうち、2泊はフェリー内。

実質、現地3泊となります。改めて、海外並みに移動時間が多いスケジュール。

丸1日父島で過ごす2日間のうち、1日は海の日。もう1日は山の日と決めて、現地オプショナルツアーを探しました。

海アクティビティは、「NativeColor」さんで体験ダイビング+南島上陸+ドルフィンスイムの海満喫プラン。

www.veltra.com

山アクティビティは、「語りべマスオ」さんで東平アカガシラカラスバトサンクチュアリ半日ツアーを申し込み。

あとはお天気晴れることを祈るのみ。

PCR検査

2022年9月末時点で、小笠原諸島へ行く際にはPCR検査への協力が必要です。

小笠原海運のHPではこのように「協力が必要」という書き方で、必須とはされていないんですが、実質現地でのツアーなどに参加する場合、PCRの陰性証明が必要なこともあるようで、「協力」という名の「義務」と捉えた方が現状はよさそうです。

なお、ワクチン接種をしていてもPCR検査は必要とのこと。

医療機関も限られた孤島。病気の蔓延に対する不安は、本州に属する自分たちの非ではないでしょうから、これはきちんと受けて安全ボディを証明して上陸しましょう。

(陰性証明後に、かかる可能性もゼロじゃないから100%安全ボディとは言い切れないですが、そこはまぁ、あれだ。)←どれ。

乗船前のPCR検査方法は以下の3つ。

①乗船する東京竹芝出港日『前々日(13:00~17:00)』または『前日(8:30~11:00)』に、検体を竹芝客船ターミナルにて提出

②東京竹芝出港日『前日朝(8:00)』までに到着するよう、指定の時間内に採取頂いた検体をゆうぱっくで返送

③住所地などのPCR検査を受けて、陰性証明を受付時に見せる。

私は、大阪府PCR検査センターで無料で受けられるため、③を選択。

振替の場合、受検は乗船日から数えて5日前の13時以降とのことだったので、9月22日の夕方17時頃に人生初のPCR検査。(ずっと在宅ワークな上に、濃厚接触者になるほど人と会う事もなく、今まで検査と無縁でした。)

全く自覚症状ないけど、隠れ陽性やったらどうしよう・・・

と一抹の不安を抱えながら一晩過ごし、翌日。 

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無事陰性であることが証明されました。よかった、パチパチ。

ただ、この陰性証明、名前ではなくIDで記載されており、加えて日にちはあるけど時間がない。

・・・これでいけんのかな?

(一応、IDが自分のものであることを証明するために、受検時の申し込み用紙を持っていきましたが、それを求められることはなく、このネット上の証明をスマホで見せるだけでOKでした。)

一緒に行く同僚の子も無事陰性。これで二人とも小笠原へ行くことができます。

陰性だったら、このオリジナルリストバンドがもらえます。これが安全ボディの証明書。

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出発前やのに、既に手がすげぇ黒い。

PCRが必要な現時点では、最悪数日前に陽性反応出て小笠原旅行キャンセル!という可能性があります。

常に必要なことではありますが、出発前の感染対策はより入念に。

⑥船酔い対策調査

前述したように、私は子供の頃から乗り物酔いが酷い。

ゆえに、事前に対策をネットで検索。そもそも乗り物酔いとは?船酔いとは?という原因を改めて学び(何事も対策にはその原因を知ることが大事。)対策を練ることに。

実際に私がやった対策が下記の3つ。

1:自律神経を整えるために「キューピーコーワゴールドα」を飲む。

→乗り物酔いは自律神経のバランスの崩れによるもの。そして私はそもそも学生時代から自律神経失調症を患う身。ネットで『自律神経 市販薬』で検索したらこの薬出てきたからとりあえず1か月飲んでみた。そもそも効能が「肉体疲労時の回復」なので、ホンマに自律神経に効果あったんかは謎。

2:ちょこちょこ食べられるお菓子を持っていく&食べる

→食べ過ぎもいけないが、空腹もいけない。適度に糖分を取ることが大事とのことだったので、飴、グミ、梅干し、ゼリー飲料など最悪酔っても胃に入れられそう&ちまちま食べられそうなお菓子系をフェリーに持ち込み、実際ちょこまか食べてました。

3:酔い止め『アネロン・ニスキャップ』を飲む

恐らく、これが最も効果的。酔いやすい人は必ず飲みましょう、酔い止め薬。

中でも複数サイト検索して皆さんが一押ししていたのが『アネロン・ニスキャップ』

酔い止め薬の中でも、これが一番いい!ということだったので、私もこちらを購入し、しっかり飲んで過ごしました。

4:「私は乗り物酔いしない」と言い聞かせる

→「病は気から」と言いますが、乗り物酔いにも同様のことが言えます。

「私は船に酔いやすい」「気持ち悪くなったらどうしよう」こんな不安な気持ちが、乗り物酔い誘発に繋がる可能性大いにあり。という訳で、1か月間

確かに昔は弱かった。でも今の私は違う。乗り物なんて平気さ。ヘイヘイホー

と自己暗示をかけ続けることに。(最後のヘイヘイホーは意味不明)

果たして、これらの対策の末、24時間の船旅に耐えることができたのか。それはこの後のブログ記事で結果報告。

天照大御神に神頼み

週間天気予報が天気アプリで調べられるようになってから、毎日のようにお天気チェック。するとなんということでしょう。現地で過ごす毎日が降水確率60%・・・

お天気ばかりは自分の力でどうすることもできません。困ったときは神頼み。

という訳で、朝ランがてら淀屋橋にある天照大御神を祀る御霊神社へ参拝。

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晴れますように。晴れますように。晴れますように。

しかし、願いむなしく出発の2日前新たな熱帯低気圧の発生。そしてそれは台風17号となりまさかの小笠原諸島直撃!!

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さぁ、どうなる?小笠原への旅。