お城ネタが続いたので、箸休め(?)として世界遺産の「富岡製糸場」をご紹介。
ここしばらく書いていたお城巡りと合わせて、2019年に行きました。
3年前のことなのに、凄く昔に感じるのは何でだろう・・・
訪問日:2019年5月27日
富岡製糸場とは
明治維新後、外貨獲得のために品質のよい生糸の生産向上を目指し、官営の模範工場が作られることが決定しました。
フランス人のポール・ブリュナの指導のもと、古くから養蚕や製糸、織物業が盛んだった群馬県に建てられたのが富岡製糸場です。当時の製糸工場としては世界最大規模だったそうです。
1871年に建設が始まり、翌年の10月に操業開始。
その後民間に払い下げとなったのちも操業を続け、昭和62年までの115年間稼働し続けました。
115年も働き続けるなんて、人間には到底できません。トミさん(勝手に名付けたあだ名)お疲れ様です!!
平成26年に、絹産業に関するその他の遺産(田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴)と共に【富岡製糸場と絹産業遺産群】として世界遺産に登録されました。
富岡製糸場へのアクセス
JR高崎駅から上信電鉄で約40分 「上州富岡」駅下車 徒歩約10分
上信電鉄高崎駅で、富岡製糸場の入場券と電車の往復がセットになった割引チケットが購入できます。
通常往復乗車運賃1,620円、富岡製糸場の入場料1,000円がセットになって、2,200円(420円お得)です。
(私が訪れた2019年5月は2,140円でしたが、その後の増税の影響なのか値上がりしてました。)
記念切符としてお持ち帰りできます。どっかいったけど。
(デザインは2019年のものなので、現在は変わってるかもしれません。)
上州富岡駅では、富岡のキャラクター「お富ちゃん」が出迎えてくれました。
施設紹介
東置繭所
入口入って、正面にあるのが東置繭所。明治5年の建築で、国宝です。
当時は1階は事務所・作業場、2階は乾燥させた繭の貯蔵場所として使われました。
現在は、向かって右側は売店や富岡製糸場の歴史などを紹介する展示や映像が見られるスペース、左側はシルクギャラリーとなっています。
解説員の方によるガイドツアーもありましたが、自分のペースで見てまわりたかったので、入口でもらったパンフを片手に散策。
西置繭所
東置繭所を抜けると、西置繭所があるのですが当時は保全修理のため入ることができませんでした。
ですが、今HPを確認したところ現在は公開されているようです。こちらの建物も国宝。
ブリュナエンジン(復元機)展示施設
ほー
(分かったようなそぶりで見てみるも、実際はちんぷんかんぷん。ガイドさんの解説聞きながら見学すれば良かったかも、と後悔。)
社宅群
民間企業になったのちの役職者用の社宅
一つの社宅跡の中では、蚕の生態展示が見れます。
(この先、虫嫌いの方は閲覧注意)
ちっとも動かないので、模型かと思ったんですが本物のお蚕さんでした。
よく見ると、かわいく見えないこともない。
だからと言って、朝起きて床にこいつらがはい回ってたらすーげー嫌ですが。
繰糸場
こちらで繭から生糸を取る作業が行われていました。
保存のため一部を除いてビニールが掛けられてますが、ずらっと繰糸機が並んだ景色はなかなか圧巻。現在あるのは、昭和41年以降に設置されたものです。
ほー
(と、またまた分かったふりして見てるけどちんぷんかんぷん)
小屋組には「トランス構造」という従来日本にない建築工法が用いられ、そのため建物内部は中央に柱がなく広い空間が保たれています。
そして、採光のためガラス窓が多く使われてるので、とても明るい。
繰糸所内にある機械と同種の機械による繰糸の様子が見れました。
こちらで流れていた碓井製糸株式会社は、現役の製糸工場。
規模の大きな製糸工場は、現在はこちらの会社と、山形にある松岡株式会社というところのわずか2社のみだそう。
手作業の様子を見ましたが、到底私にはできそうにない作業でした。
(超絶不器用なので、タイピング以外の手先を使う仕事できる気がしない。)
診療所
富岡製糸場の目的の一つとして、全国から女工を集め技術を習得してもらい、その後地元へ戻りそこで技術の指導者になってもらう、というものがありました。
そのため当時としては珍しく、女性にとって良い労働環境が整えられていました。
工場内に診療所があることが、それを物語ってるなーと思いました。
官営時代は、治療費・薬代も工場が負担だったんですって。
この旅行後、母に
富岡製糸場に行ってきたよ
とお土産の絹石鹸をあげたら
女の人が強制労働させられてたとこ?
と言われました。
映画にもなった「あゝ野麦峠」の印象で、製糸工業=過酷な労働環境というイメージになりがちですが、ここでの労働条件は
・1日8時間労働
・週休1日
・寮&食事完備
と現代の労働基準法にも違反していない待遇。
ただ、民間に払い下げののち、労働条件が悪化した・・・みたいな話もありますが、それでもほかの民間製糸工場に比べるとだいぶと良好だったようです。
じゃないとそもそも世界遺産にならないですよね。
首長館(ブリュナ館)
指導者として雇われたポール・ブリュナさんがご家族で暮らしていた首長館(ブリュナ館)
後列右側の白いジャケット(シャツ?)の方がブリュナさん。絶賛よそ見中。
(真ん中じゃないんや。っていうか、一番右のちょっとみんなと距離置いてる人、気になる。何でその立ち位置?)
寄宿舎
正直、機械の仕組みとか機械音痴の私には「???」でしたが、産業遺産そのものは興味深く面白かったです。
この旅では、旧石器時代(岩宿遺跡)から明治~昭和に活躍していた富岡製糸場まで、どえらい年数の歴史を堪能する旅となりました。
すごいよ、群馬。
中山ヒデさんと井森美幸さんだけじゃないよ、群馬。
時間の都合で行けなかったお城がまだあるので、いずれまた行きます、群馬。
利用案内
- 入館料
一般1,000円 高校・大学生250円 小・中学生150円
- 営業時間:9:00~17 :00(入館受付16時30分まで)
- 休館日:年末(12月29日~12月31日)