※琉球王国の歴史を伝えるグスクやその関連遺産が9か所登録されています。(登録年:2000年)
玉陵のあと、同じく世界遺産の構成遺産であり、100名城のラストを飾るNo.100のお城でもある首里城へ。
玉陵の記事はこちら。
首里城へのアクセス
玉陵から首里城公園の入口までは徒歩5分。
首里城の歴史
首里城の創建は13世紀~14世紀頃と考えられています。琉球王国の中枢の場として、国王の居城・行政・祭祀の場が設けられていました。
王位争いや失火により3度焼失しましたが、その度に再建されました。しかし、第二次世界大戦の沖縄戦で城は焼失。その後、正殿などの遺構は再建され、平成12年には世界遺産にも登録されましたが、2019年10月に火災が発生し、正殿・北殿・南殿など8棟が焼失。
現在は2026年の正殿復興を目指し、再建工事が行われています。
城の遺構
首里城公園として整備された城内はなかなかに広いです。公園内は途中まで無料で入ることができます。
扁額の「守禮之邦」は『礼節を重んじる国』という意味。沖縄戦後、1958年に復元されました。
令和5年3月31日まで、一部修繕工事中。
国王頌徳碑(復元)
尚真王の徳を称えて建立された碑文。
歓会門
城郭内に入るための第一の正門。現在の門は1974年の再建。
門の両脇にはシーサー。ちょっと笑ってるようにも見える。
瑞泉門
第二の門。この門の下がケツメイシのアルバム撮影で使われている場所だと思われます。「ケツノポリス4」めっちゃ聞いてました。
門の手前には「龍樋(りゅうひ)」という湧き水。王宮の飲料水でもありました。今も龍の口からは水が出ています。この龍の石彫刻は1523年に中国からもたらされた当時のまま。
門の名前はこの湧き水から来ていて、「瑞泉」=立派な泉という意味からつけられたそうです。
次々に現れる門だけではなく、その周囲を囲う石垣も素敵。首里城は門をくぐりながら、階段で上に上に上がって行きます。この日も晴れて気温上昇。暑い・・・
漏刻門
この門の上の櫓の中に、水時計(水で時間をはかる水槽)が置かれており、また門を過ぎた広場には日時計が設置されていました。この2つの時計を使って時刻をはかっていたそうです。
現在、門を出た広場からは正殿工事の建物が見えます。
広場からの眺め。
広福門(こうふくもん)
建物自体に門の機能があり、現在こちらの建物は券売所として使われています。そして100名城のスタンプもこちらで押印できます。
この門をくぐると「下之御庭(しちゃぬうなー)」と呼ばれる場所に出ます。
2019年の火災前の正殿正面に建っていた大龍柱。補修展示室内で、横たわっていました。火災の影響を受けながらも、全焼することなく立っていたそうです。先ほどの龍樋もそうですが、龍(神)って水の神様だから火災が起こっても燃え朽ちることなく、生き残るのかもしれない・・・と結構本気で思ってしまう。
首里森御嶽(すいむいうたき)
琉球の神話によると、この御嶽は神が造った聖地であり、首里城内でもっとも格式の高い拝所の一つ。石積内のガジュマルなどの木々の躍動感が凄い。
奉神門(ほうしんもん)
この門が改札所となっており、先に行くにはチケットが必要です。逆に言えば、今までの場所は無料で観覧可能です。
かつてあった正殿は今見ることはできませんが、復元工事を見るという貴重な経験ができます。
門には3つの入口が設けられていて、中央の門は国王などの身分が高い人だけが通る場所でした。その中央門をくぐって「御庭(うなー)」エリアへ。
復元工事見学エリア
門をくぐると正面に復元工事の建物。壁面には復元される正殿と御庭のイメージ図。工事エリアを囲むように通路が作られていて、現在はそこを通るようになっています。
見学エリアからの景色。
建物はガラス越しに復元工事の様子が見学できるようになっています。
この日は土曜日だった為か、あるいは時間の問題なのか、作業の様子を説明したパネルのみで工事をされている作業員さんはいらっしゃいませんでした。
首里城の正殿屋根にいた龍の装飾の残骸。
焼失前の首里城正殿。12年前に沖縄旅行をした時に見た風景。復元されたらまた来よう。3年なんてあっという間ですよ。年々1年過ぎるの早く感じる昨今。もはや1年の体感、半年ぐらいですからね。あっという間に2023年も残すところ11か月やし。
フェンス越しに工事風景を撮影する不審者。2026年の復元に向けて、関係者の皆さん頑張ってください。この先の正殿の裏手に当たるエリアは「御内原(おうちばら)」と言い、王族の人たちの居住空間でした。
首里城復興展示室
復元に関する資料展示が行われている建物。首里城復興に向けてのメッセージが書けるようになっていたので、私も書いてきました。
世誇殿(よほこりでん)
この場所は平時は王女の居室として。また、国王が死去した際には次期国王の即位の儀式が行われていた場所。現在は休憩室として使用されています。
世誇殿横を通って、城郭の東側にある物見台「東のアザナ」へ。
東のアザナ
この物見台からは、城郭内や周辺を見渡すことができます。「アザナ」とは物見台という意味。
右側に見えているのが「知念半島」その先にかなりうっすらしているのが、恐らく久高島。
こう見ると、結構上がってきたことが分かります。
拝観ルートの突き当りまで来たので、ここから途中お土産屋さんに寄ったりしながら、守礼門へ戻ります。守礼門の手前まで、行きと帰りでは違う道を通ります。
淑順門
御内原への表門。
寄内ノ御嶽(よりないのうたき)
石積みの奥にある洞窟状の遺構。人力で造られた「ガマ遺構」です。出土した遺物から、15世紀のグスク時代から20世紀の近代まで使われていたことが判明したそうです。
またこの一帯に「寄内ノ御嶽」と呼ばれるふたつの御嶽があった可能性があるそうです。(この2つの御嶽については、現状場所がはっきりと分かっていないそう。)
久慶門(きゅうけいもん)
女性が利用していたとされる通用門。この門の前から、首里駅方面の道に出ることもできます。
戦前からこの場所に生えていたアカギの木。戦火や台風で傷つきながらも、現在はアコウが着生し、今なおこの場所で生き続けています。
【世界遺産】園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
首里城公園内に、首里城とは別に世界遺産として登録された史跡があります。場所は、守礼門をくぐってすぐの場所。
「そのひゃん」ってゆるキャラみたいな名前の石門は、国王が外出する際に道中の安全を祈願した場所。
これでぐるっと首里城公園の城跡を巡り終わり。守礼門をくぐってから、所要時間は大体1時間半程度でした。
正殿等、火災で焼失してしまった建物群を見られないのは少々残念ではありますが、復元工事という貴重な場面を見ることができたし、何度も火災に合いながらも復元される首里城は、沖縄の人たちにとても愛された場所なんだな、と思いながら観光することができました。
利用案内
- 入館料:大人400円 高校生300円 小中学生160円 6歳未満無料
- 開館時間:9:00~17:30(入場券販売締め切り17:00)
- 休館日:7月の第一水曜日とその翌日
おまけ
ガジュマル盆栽。このサイズなら、家でガジュマル育てられそう。
その他の世界遺産訪問記事はこちらの一覧にまとめています。
100名城公式ガイドブック(スタンプ帳付)