第三十二番 観音正寺
観音正寺の歴史
605年聖徳太子によって開かれたと言われるお寺。
その創建理由とされているのが、人魚伝説。
太子が近江を訪れた際、琵琶湖から人魚が出現しこのように言いました。
「私は前世で殺生を重ね、このような姿になってしまった。この地に伽藍を建てて観音を祀り供養してほしい」
そこで、大使は千手観音の像を刻み堂を建てた、と言われています。
琵琶湖に人魚いたんだ・・・
アクセス
最寄り駅:JR安土駅から徒歩40分。(私はこれで行きました。)
その他、JR能登川駅から近江鉄道バス乗車、観音寺口下車徒歩40分というルートもあります。
駅から40分の道のり
駅から徒歩40分と聞いて「え?遠っ!」と思うのか「まぁ、3キロ弱(1キロ15分計算)ってとこか・・・うん、ありやな」と思うのかはその人次第。
観音正寺は、標高約433mの繖山(きぬがささん)の山頂付近にあります。
山の上の方に建物らしきものが見えるんですが・・・あれ、かな。
道すがら、クジャクに遭遇。
二週連続でクジャクに会うとは。(この前の週、高岡城に行って、城内の動物園で会ったばっか)
この石寺楽市というお土産屋さん?までは割と広めの道路の歩道を歩き、
ここの手前を左に曲がって山道へ続く細い道へと入ります。
住宅地ののち、山道へ。
いぇーい。石段登りの始まりだー(謎テンション)
山道といえど、このように石段にはなってるんですが、非常にふぞろいゆえなかなか歩きにくい・・・
一部、木と石並べてみたみた意味はなんでしょか。
写真左側見切れてますが、駐車場があります。
麓からここまでは15分ぐらい。
お車の方はここまで車で登ってこれますが、この先階段続きます。ただ、手すりつきます。
ちなみに、麓からお寺までは約1200段。
駐車場からだと440段だそうです。
後半、格言のようなものが定期的にあります。息も切れてくるんで、ちょっと立ち止まって休憩がてら読んでみる。
「かけられている迷惑よりかけている迷惑は気づかない」
「食物に対して文句の多い人ほど健康を害している」
確かに。私、食べ物にこだわり全くないけど超健康。
(高校生以来、風邪すらひいてない。23年間、病で床に臥せるという経験なしです。)
最後の一言は
「人生に厄年はない。躍進の「やく」と考えよ」
厄払いを売りにしてる神社面目丸つぶれ。
たった3つしか写真撮ってませんでしたが、もっといろいろあるのでぜひ自分の胸に刺さる一言を見つけてください。
11月に入り、気温も下がってきている頃でしたが20分強登ってきて汗だくです。
徒歩でお寺を目指す方は、歩きやすい靴&速乾性のある服(要はトレッキングぽい恰好)がおすすめです。
汗がひくまでちょっと景色でも眺めて休憩しよう。
上の黒いの、デジカメについたゴミかと思って思わず液晶こすったけど、どうやら鳥のようです。
御朱印と合わせて、100名城「観音寺城」のスタンプもゲット
山門はなく、代わりに門番として仁王像がいらっしゃいます。
「ようこそ」
「観音正寺へ。」
西国三十三所巡礼に加え、100名城スタンプを集めている皆様朗報です。
この観音正寺は、100名城の一つ観音正城と同じ場所にあります。(お寺の敷地内に城があるという感じです。)効率よく、一度で御朱印とスタンプ同時ゲット。まぁ、この二つともをまわってる人がどれほどいるか分からないですが。
拝観受付で、お城にも行きたい旨を伝えると、お寺のと合わせてお城のパンフレットもくださり、丁寧にルートと所要時間などの説明してくださいました。
お城のスタンプは境内のこちらの建物内にあります。
本堂横には石が積み上げられていて、観音像などが祀られています。
縁結び地蔵
本堂で御身拭い体験
本堂
平成5年に焼失してしまったため、現本堂は平成16年の再建です。
本尊もその火災時に燃えてしまったため、新しく作られました。
それが総白檀造りの座高高約3.5m、23トンものご本尊。
内陣拝観料300円を別途払えば、こちらのご本尊の御身拭いができます。
(なお、お寺の拝観料は最初に500円が必要です。)
特性の散華を渡され、それでご本尊の体をなでなでします。
立派な本尊を間近で見ることができますし、御身拭いの前にはご本尊や観音正寺の歴史なんかも聞くことができで面白かったです。
ご本尊に使われた白檀は、インド産。その数なんと1200本。
千手観音って名前がついていても、実際には手の数省略されていることが多いのですが、こちらのご本尊は千の手をお持ちです。
(前回紹介した葛井寺の千手観音もリアル千手観音でした。)
本来、規定によりインドの白檀の原木を輸入することはできないらしいのですが、
当時の住職さんが何度もインドに足を運びお願いしたことでインド政府の特別許可により輸入することができたんだそう。
その内の1本は、本堂内にも置かれています。
あと、先に人魚伝説のこと書きましたが、その人魚のミイラも内陣拝観の際見れます。
残念ながらこちらも現物は本堂火災と共に焼失してしまったので写真ですが。
日本に残る人魚伝説のミイラって、西洋の美しいマーメイドのイメージのかけらもないです。
御身拭いした散華はお守りとして持ち帰ります。
・・・いや、どうでもええけど私の手の黒さすさまじいな。(ランニング焼け。)
腕の紐みたいなのも、内陣拝観する時につけてもらえます。
この散華、このビニルに入った状態で手帳に挟んでたんですが、数か月経ってもほのかに香りがしてました。
日本で唯一、聖徳太子が人魚のために建立したというお寺。
境内からの眺めや、日本最大級の白檀の観音像など三十三所札所巡りをしていない方にとっても、見どころありのお寺だと思います。
その他の西国三十三所札所はこちらから