えちこの旅ブログ

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【飛鳥時代(世界遺産)】法隆寺(奈良)

歴史巡りの旅。

教科書で一度は目にしたことがある、その時代を代表する遺跡・歴史建造物を紹介しています。

※この記事は私が過去に旅行ガイドブックサイト『トリップノート』さんに投稿した下記サイトをベースにしています。

tripnote.jp

 

時代:飛鳥時代

法隆寺奈良県生駒郡斑鳩町

 

 

法隆寺の歴史

法隆寺推古天皇9年(601年)聖徳太子が自分の宮室である斑鳩宮を築いたことに始まります。その後、この地に聖徳太子推古天皇15年(607年)に寺院を建立しました。これが法隆寺であると言われています。670年火事により伽藍は全焼してしまいました。その後再建はほどなく開始され、奈良時代の初頭には中心伽藍が復興しました。こちらが現存する世界最古の木造建築物とされる西院伽藍です。

1993年に法隆寺地域の仏教建造物として日本で最初に登録された世界遺産の一つです。

(ちなみに、同じ年に登録された世界遺産は姫路城、屋久島、白神山地です。)

 

アクセス

最寄り駅 JR法隆寺駅より徒歩20分または、駅からバス「法隆寺参道」行きに乗り、「法隆寺参道」下車

 

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こちらが法隆寺の伽藍配置図。

西院伽藍東院伽藍に分かれています。

拝観料は、両伽藍と大宝蔵院の共通拝観券が1,500円です。

(さっすが世界遺産価格!というか、奈良の寺院拝観料は結構割高な気がします。でも、これが大事な文化財保護の資金源だと思い、奈良に限らず拝観料等は内心「たっけーな、おい」と思いつつ、ケチらず積極的に払うことにしています。)

 

南大門

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バス停「法隆寺参道」から歩いて、まず目に入るのがこちらの南大門。

法隆寺建立時には、中門の石段の上に建っていましたが、境内の拡張により現在の場所に移されました。現在の門は、1438年に再建されたものです。

 

門をくぐると

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正面に中門が見える参道が。この日、平日だったからか人がほぼいませんでした。

(あるいは、コロナ渦により観光客が激減してるのかも・・・)

伽藍ががら~んとしてました。

 

・・・え?(お前が言ったんや。)

 

西院伽藍

中門

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西院伽藍の入口となる中門。(現在はこちらの門の通り抜けはできません)

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「突然ですが、ここでクエスチョンです」

 

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法隆寺の柱の一部には、ふくらみが見られます。このふくらみを何というでしょう。」

エンタシス

 

正解。はい、これテスト出るよー

ギリシャパルテノン神殿の柱にも同様の手法が使われており、「ギリシャの影響か?」とも言われますが、実際法隆寺の柱とギリシャの柱の様式が違うことから、直接的なかかわりがあった訳ではないようです。

 

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西院伽藍の回廊にも沢山柱があるので、ぜひエンタシスっぷりを堪能してください。

 

金堂

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西院伽藍最古の建物で、鞍作止利(くらつくりのとり)によって作られたとされる釈迦三尊像をはじめ、薬師如来坐像阿弥陀如来坐像・四天王像・毘沙門・吉祥天像が安置されています。釈迦三尊像は、教科書や資料集に必ず載ってる(はず)この時代(飛鳥文化)を代表する仏像です。

この釈迦三尊像や、夢殿に安置されている久世観音像、は中国南北朝時代北朝の影響を受け、百済観音堂で見られる百済観音像は、南朝の影響を受けていると言われています。

はい、ここでまたまたクエスチョン。北朝の影響を受けた釈迦三尊像に見られる口元にほのかな笑みを浮かべた表情を何というでしょう。

 

アルカイックスマイル

 

はい、スーパーひとしくんでの正解おめでとうございます。

「エンタシス」と「アルカイックスマイル」中学の頃に習って以来、忘れられない単語です。日常会話で使ったことないけど。

 

五重塔

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日本最古の五重塔。高さは約32m。

 

大講堂

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990年の再建。堂内には、薬師三尊像が安置されています。

 

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同じく聖徳太子の建立と伝わる大阪の四天王寺は、こんな感じで高層ビルあべのハルカスとのコラボ状態ですが、

 

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法隆寺は周りに高い建物がないため、見えるのはお寺の建造物と空のみ。奈良で生まれ育った自分としては、やはりこのような景観の方がしっくりきます。

 

大宝蔵院・百済観音堂

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平成10年に建てられた法隆寺の貴重な宝物が展示されています。

夢違観音像やこれまた資料集でお馴染みの玉虫厨子などなど。

中でも百済観音堂に安置されている百済観音像は、日本仏教美術を代表する仏像とも言われています。像高209.4センチ。仏像としては珍しい八頭身の姿でとっても細身ですらりとした立ち姿。法隆寺は、世界最古の木造建築物である建築物ももちろん貴重ですが、仏像群も素晴らしいものばかりです。

 

東院伽藍

夢殿

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東院伽藍は、かつて斑鳩宮のあった地に僧侶・行信が建立しました。その中心となる建物が夢殿です。創建は739ねんですが、鎌倉時代に大改造が行われています。

 

昔、「奈良そごう」というデパートがありまして。その中に金ぴかの夢殿があったんですよ。子供心に「なんじゃこれ」と思った衝撃がでかくて、夢殿というとそれが思い浮かんでしまいます。(奈良そごう閉店後、イトーヨーカドーになり、これまた閉店して現在は「ミ・ナーラ」という商業施設になってるようです。イトーヨーカドーになったのは知ってたけど、それすら閉店してたの知らんかった。)

 

夢殿内には、聖徳太子をモデルにしたとも言われている救世観音像が安置されています。秘仏のため、公開されるのは春と秋の一定期間のみです。

 

ここで、この救世観音にまつわる話が出てくる漫画をご紹介。

この救世観音像、一体誰をモデルにしたものなのか。聖徳太子の正体とは実は・・・という通常習う歴史とは違う観点で、この時代の人物設定を行っている漫画『天智と天武』

法隆寺は、聖徳太子の怨霊を封じ込めるための寺である」という哲学者 梅原猛さんの説を元にした漫画です。なるほど!これが新説か!とは思いませんでしたが、まぁ一つの説というか物語として読むには、昼ドラばりのドロドロした人間関係、多少のBL要素など個人的には割と面白かったです。

 

 

中宮寺

法隆寺へ行ったら、こちらも訪れて欲しい中宮寺

法隆寺の登院伽藍からそのまま繋がっています。

 

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こちらに安置されているのが、これまたまた教科書・資料集でお馴染みの中宮寺半跏思惟像」
アルカイックスマイルといえば、こちらの仏像!というぐらい有名(だと思う)
今のところ私が今まで見た中で一番好きな仏像です。あ、でも東寺の帝釈天も捨てがたい・・・
拝観者は私だけで、贅沢にも一人でじーっくりと拝観&スタッフの方から色々なお話を聞かせて頂きました。
拝観料は600円ですが、法隆寺拝観した人は割引(100円引きだったかな・・・?すいません、記憶曖昧で)になります。
 
各お寺詳細は公式HPをご確認ください。