※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
お遍路旅の第4弾。
徳島県を終え、今回から高知県に突入です。
徳島は 「発心の道場」 と言われ、続く高知は 「修行の道場」 と言われます。
今までよりも、さらに過酷ってことか。。。
それもそのはず。
高知って、後半一つ一つのお寺の距離がすごく長い。
改めて地図で見て思う。高知、でかいわ。
だって、四国の下半分、高知県ですよ。
そんな高知、始まりのお寺は室戸岬にございます。
前回打ち終えた徳島最後のお寺、23番 薬王寺から
24番 最御崎寺(ほつみさきじ)まで、なんと78キロ!!
遠っ。いきなり遠っ。
はい、ですがマイルールのワープで一気に最御崎寺まで行きます。
この長距離の大変さを経験せず、一気に高知へ攻め入ったので、「あそこ大変だったよねー」とか歩きお遍路さんに言われると「・・・あ、私歩いてないんですよね」と何だか肩身が狭くなります。
「歩き遍路」って言いながら、歩いてねーじゃん。はい、すいません。
有給+週末を利用してのお遍路旅。
木曜の午後&金曜終日休みを取りまして、まずは木曜昼過ぎ大阪から徳島までお馴染み高速バス。徳島駅から多少なりとも高知県に近づきたかったので、徳島駅から50分ほど電車に乗って、阿南駅まで。
駅近くにホテルある場所があんまりなくて、いったんここで宿泊することにしました。
阿南駅から徒歩10分弱でホテル サンオーシャンに到着。
夜ごはんは近くにお店が無かったので、ホテルのレストランで食べてさっさと就寝。
明けて、翌日。
2016年6月17日
まずは、阿南駅から海部駅経由で甲浦駅まで行きます。
通学ラッシュでした。
寝坊して、この電車逃したら、次来るの何分後なのかしら。。。恐怖だな。
阿南駅から海部駅まではJR。
海部駅から甲浦駅は阿佐海岸鉄道。
なので、阿南駅では、海部駅までの切符しか買えなかったです。
ですが、電車の中でうろちょろしてる(仕事してはんねん)車掌さんからその先の分、追加で買うことできました。
海部駅で降りて、乗り換え。
全面、すだち押し。
でこ、窓のせいでえぐれてますけど。
私ともう一人男性しか乗り換えなかったので、乗客はたった二人。
まぁ、そりゃ、本数もほとんど無いわな・・・
車内には手作りてるてる坊主が。
なんかほんわかしますね。
出発から1時間40分かけて、甲浦駅到着。
グーグルマップで見たら、まわり何にもなかったので、ポツーンとバスを待たないといけないと思ってたのですが、
駅降りてすぐに、立派な休憩所兼、観光案内兼、売店がありました。
ちなみに、バス停はこの脇。
トイレもあるし、ベンチもあるし、快適、快適。
30分ほど待って、室戸岬方面行きのバスに。
ふー、スタートまで遠い・・・・
国道55号線を室戸岬へ向かいます。
ほぼ歩きお遍路ルートですが、誰も歩いてる方はいやしません。
完全に、お遍路オフシーズン。梅雨だし。
バスに揺られて、約50分。
大師像前で下車。
はい、ようやくスタート地点到着です!阿南駅から3時間かかりました。
降りて間もなく、大師様。
でかい!白い!!
室戸の海
室戸の岩
この国道沿いに、御厨人窟(みくろど)と呼ばれる弘法大師空海修行の地があります。
青年僧だった弘法大師が、この洞窟で寝起きをして修行をしていたと言われています。
その時、この洞窟から見える風景が「空」と「海」のみであった、というところから、【空海】とい法名を得たそうです。
最御崎寺に向かってさらに歩いていると
「彼女」
と車道挟んだ反対側の歩道から、自転車に乗ったおじさんに声をかけられました。
・・・わてのことかしら?
女性どころか、私以外人間がいないので、おそらく私のことでしょう。
「こっち来て、あの岩見てみ。人の形してるから」
と教えてもらって見てみると
おぉ。ホンマや。
鼻筋、非常にすっとしてますね。
「天狗岩、言うねん」とだけ言い残し、おじさんは自転車で颯爽と去って行きました。
せめてお名前だけでもー
国道を逸れて、本格的な遍路道へ。
そして、前回に続き、初っ端からまたまた山登りの洗礼です。
ほそーい。完全なる裏道を通って・・・
きゃー来たー。階段山道。
捻岩
【弘法大師が念仏を唱えて祈念し、異変をおさめたと伝えられる】
だそうです。
はい、続く、続くよ、階段。
ここで、上から足の長い生き物が突然ガサッと目の前に落ちてきまして。
巨大な蜘蛛だと思って、
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!!!」と珍しく絶叫してしまいました。
独り言とか一切発しないタイプなのですが、今回は相当びっくりしたのです。
で、蜘蛛だと思った正体は・・・
前回も山で何度となく遭遇したカニでした・・・・
ちなみに、まわりに誰もいなかったので、
「どうしました?」なんて声かけてくれる人もおらず、
「ぎゃーーーーっ」って一人で言って、
「あ、カニか・・・」って一人で納得して、
そのまま、また無言で山をぜーぜー登り続けました。
初っ端から、心臓に悪いわ・・・
わずか15分ほどの山登りでしたが、山門に着いた頃にはすっかり汗だく。
高知、最初のお寺
24番 最御崎寺(ほつみさきじ)
嵯峨天皇の勅願により、弘法大師が開基したお寺。
真言密教の道場とされ、昔は女人禁制だったそうですが、明治5年に解禁されました。
という訳で、女性の私も参拝させていただきます。
目力、強め。
「小さなことから コツコツと」
二代藩主 山内忠義に寄贈された鐘楼堂。
叩くと鐘のような音がする 鐘石。
この音は極楽浄土まで届く、と言われています。
確かに、叩くと「キーン」といういい音がしました。
本堂
大師堂
参拝を終えて、御朱印をいただきに納経所へ行くと「汗だくやねー」と言われる始末。
いやー、もうびしゃびしゃの前髪、乾く気配がありません。
次の津照寺(しんしょうじ)までは約6.5キロ。
室戸スカイラインを歩きます。
上ってきた分、下ります。お遍路のサダメです。
ハイビスカス!
徳島とは違い一気に南国感が出ました、高知。
20分ほど車道をてくてく歩いて
降りてきました。
左折したら、中岡慎太郎像があるようでしたが、逆方向に寄り道してる時間はないので、右折。
慎太郎さん、いつかまた会いに・・・来るかな。
海沿いの町を歩いて行きます。
目にするのが
津波時の避難経路を差し示す案内板。
海は素敵なところです。私も大好きです。(海無し県の奈良育ちですが)
見るだけでテンション上がります。
でも、時に人の命を奪う、恐ろしい凶器にもなりうるものです。
ここが、津波の危険にさらされている場所であることをひしひしと感じました。
避難タワーも所々にあります。
万が一の時を想定して、避難案内板と、避難タワーをチェックしながら歩きます。
今は絶対安全、なんて言いきれないですから。
国道55号線。
岬に沿って走るこの道をひたすら歩く。
津照寺まであと2キロ。
ここから徳島県庁までのキロ数、必要としてる人、いるんだろか。
最御崎寺から約1時間20分。
25番 津照寺(しんしょうじ)
大漁と海上安全を守る延命地蔵が本尊。
江戸時代、土佐藩主 山内一豊が暴風雨で遭難しかけたとき、こちらの地蔵が僧の姿となって舵を取り、港へ導いたという伝説が残っています。
今も、地元の漁師さんが海運安全を祈るお寺です。
門をくぐって、目の前に急な階段。
これを上らないと、本堂には行けません。
本堂
現代ちっくな建物。
ふもとの港町が見下ろせます。
階段の上にある鐘楼門。
裏側、こうなってまして
上れます。
上らなかったですけど。
階段下りて、大師堂。
地元の子供が描いた津照寺の絵が貼ってありました。
なんか和みます。
次は3.6キロ先 金剛寺を目指します。
私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。
納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。
地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。