※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
2016年5月28日
第2回目から5か月後。年を一つ越えて3度目のお遍路旅です。
今回も土日のみ短期間での日程です。
金曜、(今となっては前職の)午後休を取り大阪から高速バスで徳島へ。
夜は徳島に住む友人とご飯を食べて、駅前のホテルで就寝。
明けて5月28日。
前回、19番立江寺で終わっていたので、今回は20番鶴林寺(かくりんじ)から始めます。
区切って回る場合、再度19番に戻るのが本来の歩き遍路なのですが、私オリジナルのワープルールにより、20番までは公共交通機関を使ってよしです。
※ワープルールとは、一旦、区切った場合、次回始めるのは終わったところからではなく次のお寺へ交通機関などで移動OK。前回終わったお寺から、今回始めるお寺まではワープ。その代わり、1回スタートしたら区切るまでは必ず歩く。というもの。
鶴林寺まで一番近いバス停へ。徳島駅から徳島バス勝浦線 横瀬西行きで、生名まで約1時間。
さぁ、鶴林寺に向けてスタートです。
ごらんのとおり、お天気はドン曇り。というか、むしろ雨ぱらついてる。。
天気予報では寸前までこの日は晴れだったのですが、なんということでしょう。
曇りのち雨
という、お遍路に相応しくない予報に変わってしまいました。
仕方がない。こんな日もあるさ、と歩きはじめます。
歩き始めてすぐ、ご近所のおじいさんが
「あいにくの天気で大変やねー気を付けてねー」とエールを送ってくれました。
ありがとうございます。頑張ります。
珍しい、ブラックお遍路。
なんだか、不のイメージ漂うぞ・・・
行先、くらーい(泣)
今から目指す鶴林寺は、阿波難所の一つ。
そう。や ま み ち です。
上ってみても、どんより天気。
前半は舗装されたコンクリ坂道でしたが、バス停を出て20分後、山に入りました。
いきなり登りです。
すっごい急な坂道。
ほっそい階段行くか、坂行くか・・・
1.6キロ。平坦な道ならなんてことない距離ですが、ひたすら登りは相当きつい。
ただ、山に入ると木で遮られて、雨で濡れることはなくなりました。
その代わり汗だくなので、結果びちょびちょです。
自然の道よりも、このような階段状の道が多いのです。
息切れが、留まることを知りません。
あと十丁 泣きの遍路は鶴林寺
はい、泣きたいです。
丁の距離感がわかりませんが、いつ終わるのでしょうか。
昨年行ったこれまた難所の一つである焼山寺までの道のりも、山を登って下りての超ヘビーな遍路道だったのですが、ある程度登ったら平坦な道が続いて休憩もできたんです。
でも、今日は最初っからほぼ登りっぱなし。
距離が長いという点で焼山寺はつらかったですが、登りの畳みかけはこっちの方がつらいかも・・・
ぜーぜー言って進んでたら、逆打ちなのか山から下りてくる男性お遍路二人組に遭遇。
「ちょうどあと半分ぐらいだからね」と励ましていただき、
「ありがとうございます」といったものの、
あと半分もあるんかい・・・(白目)
レレレのおじさん、お忘れ物ですよー
猛烈に登りにくかった石の道。
雨で表面がすべりやすくなってるし、大きさばらばらだし。
なんでや。なんで石にしたんや。
あーもう、なんで初っ端からこんなしんどいんだ・・・と、嫌気が十二分にさしたころ。
バス停から歩くこと約1時間。
境内へ約100メートル
やっとゴールが見えてきました。
20番 鶴林寺(かくりんじ)
弘法大使が修行中、二羽の鶴が金の地蔵を運んできたと言われるこちらのお寺。
鶴さんがいます。
そして、本堂は、この階段の上。
・・・もう、嫌になっちゃう。
山登りで酷使した足腰にムチを打ち、階段上ってようやく到着。
本堂
本堂前にも
鶴さん。
「ようこそー!」
江戸末期に建てられたという立派な三重塔もあります。
階段下りて
大師堂
納経を済ませたあと、ベンチに座って小休憩。
ですが、まだ山道は続くし天気も危ういし、先を急ぎます。
次は約6.5キロ先。21番太龍寺。
・・・降りるんかい。
あんだけ登ったのに、降りるんかい。
ちょっぴり湿った山道。下りは滑りやすくて要注意。
四国遍路は修行道
そう。これは修行道。
山を登って、登って、降りて。山あり、谷ありです。
ほんで、なんかこの幹、ちょっとセクシーですね。
とか考えてしまう私は、まだまだ煩悩の塊。修行が足りません。
お寺には数人参拝されてる方がいましたが、歩き遍路道は相変わらず人気がありません。
また下り。もう、膝がゲラゲラ笑ってます。
番号のみで名前呼んでもらえないなんて。
刑務所かい。
山を下りて、久々大きな車道に出ました。
遍路マップ発見。
なんだろう、人も車もいすぎて、結果よく分かんないのは私だけでしょうか。
川を渡ったら
はい、また山道突入。
徳島のお遍路道では、難所と言われるお寺が3か所ありまして、
「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と言われます。
焼山は1回目に訪れた12番 焼山寺
お鶴は先ほど訪れた20番 鶴山寺
太龍は今から訪れる21番 太龍寺
いや、二と三の近さよ。難所すぎて、すぐ難所。
難所が怒涛の勢いでやってくる。
まさかのアナ雪。
こういう道ならどこまででも歩いていたい。
川の音を聞きながら、心地よいウォーキング。
しかーし、難所はそんなに甘くない。
息切れ必須。急勾配。
ぜーぜー
まだまだ続く急勾配。
あと1.1キロ。
ぜーぜー
ぜーぜー
どうも以前に比べて体力が落ちている気がする。
おそらく、1回目9月に焼山寺への山を登った時は、11月の神戸マラソンに向けて、真夏にランニングを頑張っていたため体力が割とついてたんだと思います。
最近、ちょっとランニングさぼり気味で体力低下気味。
しかも体重増加気味。
ちゃんと基礎体力つけてくるんだった・・・
と、汗だくで反省してると
山門到着!
なんかデジカメの設定が「トイモード」になってたみたいで、かわいらしくなってしまってる。
それに気づかないぐらいに疲れてました、私。
喜んだのもつかの間。
えーん、本堂どこー(泣)
ここからさらに200メートル先だとな。
今度こそ、到着。
21番 太龍寺
弘法大師が100日間の山岳修行をしたと言われるお寺。
「西の高野山」とも呼ばれ、境内はなかなかの広さ。
(実際の高野山ほどではなかったですけどね)
本尊の虚空蔵菩薩のご真言を1日1万回100日間唱えるという修行が現在も行われてるそう。
なんでも、驚異的な記憶力がつくとか。
・・・1万回唱えてる間に、なんか色々他のこと覚えれそうな気もするけど。
なんて言ってはいけませんね。
本堂行くのに、また階段・・・もう、ええってば・・・
本堂
般若心経唱えてるとき、次から次へと汗が噴き出ます。
体の動きを止めた瞬間、止まらなくなる汗の仕組み
どうなってんでしょう。
助けて、だれか、この汗、止めて・・・・
大師堂
ようやく滝汗も収まってきました。
一、小善を積んで お大師様に近づくのだ
はっ!
一、向かい合う人を お大師様と思え
はっ!
一、苦悩を背負うときこそ 背筋を伸ばせ
はっ!
背筋を伸ばして、納経所へ。(即、実行)
こちらの納経所の隣にある持仏堂には
龍の天井画があります。
外からすぐに覗けます。
あー疲れたな、としばし納経所横にあるベンチに座って休んでいたら
(すでに猫背)
「お嬢さん」と男性お遍路さんに声をかけられました。
・・・お、お嬢さん??
わ、私ですかい?
あなたがお嬢さんと言うのは、四捨五入したらアラフォーの、この私のことですかい?
「は、はい?」
「さっき、鶴山寺にいらっしゃいましたよね?」
「あ、はい」
「歩いてこられてるんですよね?僕、自転車なんですけどほとんど変わらないから、すごい健脚だな、と思いまして。山、滑りやすくて危なくなかったですか?」
「そうですねーしかも登りしんどくて、休み休みで来ました」
「えー、休み休みでこのスピードですか!素晴らしい!!」
そして、私に向って、合掌
チーン
お母さん、あのね。
私、生まれて初めて、人に拝まれたよ。
いや、そんなありがたいもんじゃないですから。
山登りながら「何やってんだ、私・・・」と何度も思ってたような人間ですから。
煩悩だってありますから。
痩せようと思ってるくせに、スーパー行く度にアイス買っちゃいますから。
でも、褒めていただき、「頑張ってくださいね!」とエールを送られて元気出ました。
ありがとうございます。
あ。
一、向かい合う人を お大師様と思え
先ほどの男性の言葉は、お大師様からの励ましと思うこととします。
さ、それでは先へ進みますか。
次は12キロ先の 22番平等寺です。
私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。
納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。
地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。