京都府長岡京市にある「柳谷観音 楊谷寺」は、古くから眼の観音様として、信仰を集めていましたが、最近では境内の花手水や、季節ごとの景観が美しく、SNSで話題になっているお寺です。
6/1~6/30の期間は、「あじさいウィーク」が行われており、境内に約5,000株のアジサイが咲き、また映画の撮影場所にもなった上書院も特別公開されています。
訪れた昨日(6/20)、ちょうどアジサイの多くが見ごろとなっていました。
柳谷観音・楊谷寺について
柳谷観音は、806年に清水寺を開創した延鎮僧都(えんちんそうず)によって開かれました。それゆえ、江戸時代には「西の清水寺」とも呼ばれていたそうです。
(江戸から見たら、本家の清水寺自体「西の清水」やと思うけどな・・・)
延鎮僧都は、夢のお告げにより、西山にあるこの地で十一面千手千眼観世音菩薩を見つけます。そして、堂宇を立て「楊谷寺」と名付けました。
この観音様は、古来より眼病平癒の力があるとして、天皇家を始め多くの人々の信仰を集めてきました。
そして近年では、手水に花を浮かべる「花手水」発祥のお寺として、美しい写真がSNSやメディアでも取り上げられ、人気の場所となっています。
アクセス
正直、お寺はアクセスのいい場所にあるとは言えません。
公共交通機関で行く場合、最寄り駅は3つ。
阪急「長岡天神」駅・阪急「西山天王山」駅・JR「長岡京」駅。
毎月の縁日(17日)には、阪急「西山天王山」駅とJR「長岡京」駅からシャトルバスが発着していますが、それ以外の日は、駅からバスに乗り、最寄りのバス停から徒歩30~40分歩く必要があります。(あるいは、駅からタクシー利用。西山天王山駅の場合はバスはなく、駅から徒歩1時間のハイキング。)
各駅からのアクセス方法は、公式HPに詳しく書いてあるのでそちらをご確認ください。
交通アクセス | 京都 眼の観音様 ~柳谷観音 立願山楊谷寺~
今回私は、阪急長岡天神駅からバス+徒歩で訪れたので、そちらのアクセス方法をご紹介します。
阪急長岡天神駅からは、コミュニティバス「長岡京はっぴぃバス」を利用し、バス停「鈴谷口」まで乗車します。
注:長岡京はっぴぃバスば、祝日を含む月~金の運行。(土曜・日曜は運行していません。)
はっぴぃバスの西コースに乗車するのですが、このコースは午前は時計回り、午後は反時計回りとなり、午前便は長岡天神駅から徒歩3分程度離れている「イズミヤ前」から乗車します。
右側の路線図、青色が西コース。
こちらがイズミヤ前バス停。
ここから、鈴谷口までは25分。運賃は一律170円で、ICカード使用できました。
イズミヤ前からは、楊谷寺に行く方が私を含めて3組乗車。その後、途中で地元の方も数名乗車。
鈴谷口で降りる時は、地元のおば様達に「山登り、頑張って行ってらっしゃいねー」と温かくみんな見送られて下車。
そう、このバス停から30分間、ほぼ上り坂が続きます。
山登りとは言え、未舗装道を歩く訳ではなく、ちゃんと舗装されています。
ただ、人が歩く道として認識されていないのか、Googleマップで検索したら徒歩マークは「ー」が入って、徒歩での経路検索できませんでした。
道は1本道なので迷うことはないですが、場所によっては、車の行き違いもギリギリなほど狭い道。
通るのはほぼお寺に向かう車だと思いますが、人気のお寺ゆえ、結構車通ります。
まぁ、車のドライバーさんの方が、狭い道で歩行者避けて運転するの怖いでしょうけどね。でも仕方ないよ、この道しかアクセス方法ないんだから。
薄曇りの天気でしたが、ひたすら上り坂を歩いているとさすがに汗が滴ってきます。
車にガンガン抜かれながら、ひたすら歩くこと30分弱。
駐車場の看板が見えました。第4駐車場まであります。こんな山奥のお寺なのに、凄いな。
はい、了解しました。
境内に入る前にもアジサイ咲いてます。車で来たら、一瞬で通りすぎる景色も、歩いていればしっかり見られるものです。なので、多少しんどかろうが、私はやたらに歩くことが好き。
多数の燈籠が並ぶ道を通り、境内入口に到着。
境内のみどころ
境内マップ。境内自体は、それほど広い訳ではありません。
山門
入口となる山門。
元々は、天皇や皇族、その従者の人たちのみがくぐれた門。
この門をくぐる際に、拝観料をお支払いします。
通常拝観料は500円。〇〇ウィーク開催中は700円。
特別一般公開されている上書院も見学する場合は、1,500円。
せっかくなので、上書院も見て行こうとこちらのチケットを購入したら、上書院の拝観は時間指定でした。(HPにちゃんと書いてあったけど、見てなかった。)
10:45に購入したら、上書院の拝観時間は12:10~12:30の回でした。
中に入って驚くのは、平日だというのに人が多い。
(公式HP見て知ったのですが、ちょうどこの日の「めざましテレビ」でアジサイスポットとして紹介されたみたいです。その影響もあったのかもしれません。)
縁日(17日)や、週末はもっと混雑すると思われます。駐車場入るだけで苦労しそう。
花手水
門をくぐって左側に、花手水があります。こちらの花手水では、実際に手を洗うことはしません。もはや写真撮影の為に存在している「魅せる」為の花手水。
花手水の手前にハートのフレームが置いてあり、そこから写真撮影をする人で長蛇の列ができていました。
並ぶのが嫌だったので、列から外れた場所から撮影。
花手水の上にはアンブレラスカイ。
こちらのアジサイ柄の傘は、フェリシモの商品だそうです。
フェリシモ、昔実家で利用してたわー。
花手水の奥にもアンブレラが飾ってあります。
時間が経ってから通ると、それほど混んでいなかったので、ハートのフレームを使って撮影してみました。
鐘を撞く人や、手前で写真撮る人が入り込んで、全然綺麗に撮れず・・・
(モザイク処理が雑ですいません。)
入って早々、お寺に参拝に来たというよりか、アート作品を見に来た気分になりました。
本堂
江戸前期に建立された建物。
ご本尊の十一面千手千眼観世音菩薩像は、御縁日の17日・18日のみ開帳されるため、この日は見る事はできませんでした。
本堂の中から、書院→回廊を通って奥の院まで行くことができます。
本堂と、書院との間には庭園「浄土苑」があります。
お庭にも花手水。
庭の奥に見えている建物が、特別公開されている上書院。
まだ指定された時間ではないので一旦スルー。
奥の院へと続く回廊。
両脇は、アジサイが咲いています。
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iechiko/20240621/20240621111153.jpg)
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iechiko/20240621/20240621111148.jpg)
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iechiko/20240621/20240621111157.jpg)
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iechiko/20240621/20240621111201.jpg)
奥の院
回廊を抜けた先には、奥の院があります。
江戸時代、中御門天皇によって造られた観音様が祀られています。
現在のお堂は、昭和5年の再建。こちらも観音様は開帳されておらず、見る事はできませんでしたが、観音様を守護する二十八武衆を見る事ができます。
一体、一体、表情や姿形、持ち物など個性豊かで、なかなかに面白かったです。
アジサイとアンブレラスカイのコラボゾーン
奥の院から本堂へ下る道は、アジサイロード。
アジサイとアジサイ柄の傘で彩られている、まさにフォトスポットです。
ただ、ここで私は思うのです。
・・・どう撮影するのが正解なのだろう。
別に正解なんてないんでしょうけど、やはりこういう場所でいわゆる「映える」写真を撮るためには、「センス」が必要なんだと痛感します。
持論ですけど、絵心がある人って、写真撮るのも上手やと思います。画角とか、色の配置とか頭で上手にデザインできるから。
私は絵心も、デザインセンスも皆無の人間なので、こういう場所に来て「かわいい!!」ってテンション上がれど、その良さを引き出す写真を撮ることができず、悲しくなります。自分が。あと、カメラの機能を上手く使いこなせていないっていうね。
まぁ、ある意味これが「盛ってない」現実の世界です。
チケットをもらったときは、上書院の拝観まで1時間以上もあるのか・・と思いましたが、写真撮影しながらお堂やアジサイロードを歩いていたらあっという間に時間が経ちました。
(混雑しているから、撮影スポットでしばしば順番待ちも発生していたので。)
次回、後編では映画「日本のいちばん長い日」で使用された上書院や、弘法大師ゆかりの霊水「独鈷水堂」など、まだまだある柳谷観音の見どころをご紹介します。
利用案内(あじさいウィーク開催時)
- 拝観料:700円(上書院除く) 1500円(上書院含む)
- 開館時間:9:00~17:00