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【公共交通機関で行く坂東三十三ヶ所巡礼】二十一番 日輪寺(にちりんじ)

5月のGW明け、約8か月ぶりに坂東三十三所巡礼の札所巡りの為、茨城へ。

公共交通機関で訪れるのが困難な札所が多い、坂東三十三所巡礼。

その中でも、最も困難とされるのが今回ご紹介する日輪寺です。

今回のブログ、札所の紹介というか、アクセス方法の情報メインです。ほぼ山の景色でお届けします。

第二十一番 日輪寺

日輪寺へのアクセス

JR水郡線「常陸大子」駅から、茨城交通バス「蛇穴」行きに乗車。(乗車時間約40分)

終点のバス停「蛇穴」下車、バス停から徒歩1時間半~2時間

日輪寺があるのは、茨城県と福島県の県境にそびえる標高約1,022メートルの八溝山の8合目付近。

参拝は必然的に山登りが必要となります。ちなみに、八溝山は、茨城県で最高峰の山。

古くから、険しい八溝山の札所まで訪れずに、遥拝するだけの巡礼者を揶揄する「八溝知らずの偽坂東」という言葉があったとも言われる場所です。

なお、ずっと「はっこうさん」やと思っていたら、正しくは「やみぞさん」でした。

ニホンゴ、ムズカシイネ

山の途中にありますが、舗装道も整備されているため、お寺の駐車場まで車で行くことは可能です。(常陸大子駅から車で約40分。)

車の運転ができず、更に山登りが体力的に厳しい方は、駅前からタクシーに乗車して訪れましょう。駅前にタクシーは常駐していました。

常陸大子駅からバス停「蛇穴」までのバスは、平日・土曜日しか運行されていません。

日・祝日は運行がないので要注意です。

また、本数も1日4本と少ないです。

JR常陸大子駅 - 蛇穴 行きたいところ一覧検索 | 茨城交通

朝一のバスに乗るため、JR水戸駅(今回、水戸駅付近のホテルに宿泊していました。)6時23分発の列車に乗車。

常陸大子駅には7時48分到着。

朝から快晴です。山登りするので、季節とお天気がとっても重要な札所でもあります。

(冬の1・2月は八溝山が閉山となります。)

駅前から7時57分発のバスに乗車。お客は、私ともう1名、登山客のおじさんのみでした。

バス停「蛇穴」8時33分到着。運賃は980円。(全国共通交通系ICカードの使用は不可)(2024年5月時点)

めくれてるし、傾いてるし、本数少なくて逆に見やすいバス停。

帰りの、蛇穴から常陸大子駅までのバスが、平日と土曜日で運行時間が異なっています。

朝一のバスで来て3便目のバスで帰る場合、土曜日の方が時間が遅いので、余裕が持てます。私もこの便に乗って帰る予定を組んでいました。

ここからは徒歩移動となります。むしろ、ここまでバスで送ってくれてありがとう、っていうぐらいの山道路線でした。

鳥居をくぐると

八溝山登山口の案内があります。

今日はもはや、寺院参拝というより山登りの気持ちと恰好で訪れています。

いきなり山道に入るのかと思いきや、意外と舗装道が続く。

登山口から10分ほど歩くと、旧登山道が現れました。

舗装された道路を歩いて、日輪寺まで行くことも可能だったんですが、地図で見た感じ結構大回りになりそうだったので、登山道を選択。(途中、この選択を後悔する羽目に。)

景色が開けて絶景かな。登山道選んで良かったかもー(この時はまだのん気)

木が伐採されているという事は、ここから、車道までは人力で木を運んだということ・・・?

緑の木々の中、目立つはげ山。

この辺りまで、割と歩きやすい山道だったのですが、一転

道が超狭くなりました。分かりますかね。石がある部分のみが道。両端、斜面。

写真じゃ全然伝わらないけど、道ほっそほそです。横、すぐ斜面。転げたら、ごーろごろ。

・・・帰りは、絶対車道通って帰ろう。

山道途中で遭遇すると、改めてアスファルトの歩きやすさに感動する。

でも結局、行きはかたくなに山道を選択した。自分でも謎のこだわり。

・・・道、どこ?(草の間に見えている土の部分が、登山道。)

わーい、アスファルト出たー(だったら最初っからここ歩けよ)

登山口から約50分で、山頂まで3.2キロ地点に到着。(山頂には行かないけどね。)

そこから少し車道を歩くと、「日輪寺入口(森林浴コース)」という看板がある分岐点。
ここから日輪寺までは1.2キロ。この近くに車が停められるスペースがあって、登山客の方でしょうか。1台車が停まっていました。

森林浴コースなら、快適に歩けるかもと思い、結局また山道に入ってみる。

確かに、森林浴。下りなのでサクサク快適に歩きます。(ただ、これは帰り登ることを意味するので、心からは喜べない。)

倒木注意。帰り道も同じ道通ったんですが、またぎ損ねて、思いっきり膝ぶつけました。きっしょい色の痣、できました。

小川を渡って行く。川の音が心地いい。こういう山道なら大好きです。

ついに日輪寺まで100メートル!

1時間30分以上はかかると踏んでたんですが、途中のほっそほそ道に難儀しながらも、登山口から約1時間15分で日輪寺に到着できました。

日輪寺の歴史

寺伝によると、7世紀後半に役小角(えんのおづぬ)によって創建され、807年に弘法大師によって再興された寺院。

鎌倉時代には、坂東三十三所の札所となることで信仰を集めました。

室町時代には、総ケヤキ造りの大伽藍本堂を持つ大寺院でありました。水戸黄門でお馴染みの水戸光圀公も、寺院維持に援助を行っていたそうですが、1643年の火災で伽藍は焼失。さらに、明治の廃仏毀釈によって衰退の道を辿りました。

そして、明治13年(1880年)の火災で、本尊を残し堂宇が全焼してしまいました。

現在は、昭和49年に再建された本堂が建立されています。

境内案内

本堂

駐車場を上がると、正面に本堂。

納経所は本堂の中のようなので、靴を脱いで上がらせてもらいました。

中に入ると、誰もいない。

ひとまず、ご本尊にお参りし、「すいませーん」と声をかけるも無反応・・・

しばらくたってから、再び声をかけると奥からご住職さん(と思しき方)が出てきてくれました。

遠路はるばるやってきて、頂いた御朱印。別に昨今増加している書置き御朱印を否定するつもりはありませんが、やはり直筆の御朱印は力がこもっているというか、ありがたみが違うというか。

苦労して来た分、より一層そのように感じました。

神馬と仮本堂

本堂横にただずむ神馬。

現在の本堂が完成するまで、ご本尊を祀っていた仮本堂。

境内は、本堂と仮本堂が並ぶだけの非常にこじんまりとしたお寺でした。

室町時代に、よくぞこんな山奥に大伽藍を建立したよなーと思いつつ、御朱印を頂いた後は敷地内にあった休憩所で、しばし休憩。

本堂横に道が続いていて、恐らくこれが八溝山山頂に続いているんだろうけれど、今回は山登りに来た訳ではないので、下山します。(せっかくここまで来たから、山頂目指そうかとちょっと思ったんですけれどね。他に行きたい所があったので。)

1時間以上かけて来て、滞在時間は20分弱。何かお遍路を思い出しました。

帰りは舗装道で、高速下山

当初の予定では、蛇穴13時50分発のバスで駅に戻る予定だったのですが、登っている最中に「これは、片道2時間もかからないんじゃないか・・・?」と気づきはじめていました。

というか、日輪寺について調べると片道2時間はかかる、みたいな情報が出てくるんですが、八溝山登山した方の情報を見ると、登山口から日輪寺までは大体1時間~1時間半程度で歩かれているようでした。

ゆえに、もしかしたらある程度の体力があれば、2時間もかからないんじゃないか・・・?と出発前からうっすら思っていたのです。うっすらは、くっきりとした確信に変わりました。

結果1時間15分で日輪寺まで行けたので、帰りは2便目の11時41分発のバスに間に合いそう!!

帰りは、後半の森林浴コースを歩いた後は、2度と山道に入ることなく、ひたすら車道を歩きました。

車道は、山道に比べて大回りなので距離的には増えますが、行きに通ったほっそほそ山道を下っていたら、とんでもなくゆっくりペースになってしまう。

(私は、登りよりも下りが苦手。)

帰り、森林浴コースを歩かなければ、こいつで膝を痛めることもなかったんだけど・・・(これしきの倒木を超えられないって、相当足が上がってなかった自分のせいなんですけどね。)

小腹が空いたので、持ってきていたじゃがりこをかじりながら歩く。

お行儀悪くてすいません。休憩するような場所もないもんで。

ほんで、車もほとんど来ないんで。

これも十分、森林浴コース。

再びの山風景。

ランニングで使用している時計「Garmin」で、距離とタイムを計測していたのですが、行きは山道を通って4.12キロ。(バス停からの距離)

帰りは車道を通って5.25キロでした。(帰りは、登山口付近で計測止めたので、若干の誤差あり。)

左が登り(山道)、右が下り(車道)

特に後半で、だいぶと大回りしているのが一目瞭然。

ですが、やはり歩きやすさは舗装道(および下り道)に軍配が上がり、距離は1キロぐらい増えましたが、かかった時間は1時間10分と行きよりも早かったです。

帰りは、1キロ13分ぐらいで歩けたので。山道歩いていたら、多分+5分はかかっていたと思う・・・

(行きも舗装道を選択していたら、距離は長くても歩きやすさから、もっと早かったのかもしれないですけどね。)

登山口とバス停の間にある休憩所で、汗を拭いたり、化粧直ししたり、食べ残ったじゃがりこを完食する余裕をもって、無事11時41分蛇穴発のバスに乗車することができました。

(帰りのバスは、貸し切り状態でした。もはやこれは安価なタクシーといっても過言ではない。)

坂東札所の中で、一番の難所と言われるゆえんは歩いてみてよく分かりましたが、お遍路でこのような山の中の遍路道を延々歩いて、札所巡りをしていた事を思ったら、途中までバスで来てるし、歩いたの往復2時間半程度だし、全然楽勝やん!と思ってしまったのでした。

教訓:タフな経験をすればするほど、人の感覚は並外れていく。

その他の坂東三十三所巡礼の記事はこちら。

iechiko.hatenablog.com

利用案内

  • 拝観料:無料
  • 御朱印受付時間:4月~10月:8:00~16:30 11月~3月:9:00~16:00 注意:1月~2月は閉山(御朱印は可能、登山口に案内板)

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