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【女一人歩き遍路】第9回目2日目 82番 根香寺~80番 国分寺

※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。

【前回の記事はこちら】

iechiko.hatenablog.com

 

81番白峯寺から82番根香(ねごろ)寺へ。

 

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お寺出たら、速攻車両の通れない道にいざなわれます。

 

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その上、猪注意とか言われます。

注意って、注意してても出るときゃ出ると思うんですが、一体その時はどうすればいいのでしょうか。

調べてみたところ、騒いだり威嚇することなく、無視して速やかに離れるべし!だそうです。

でも実際目の前にイノシシ出たら「んぎゃ!!」とか叫んでしまいそうやわ。

今度山に行くときまでに、イノシシに突然出会っても驚かない練習しておかなきゃ。(どこで)

 

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白峯寺から根香寺への現在の遍路道は、道しるべなどの石造物が残されており

江戸時代前期には使われていたと考えられている歴史的な道なんだそう。

 

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ま、確かにこの景色は江戸時代から変わってないと言っても過言ではない。

 

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これは絶対江戸時代になかったやつ。

陸上自衛隊の演習場がありました。

歩いてる最中、結構な広い範囲でずっと「パンパン」破裂音(運動会のピストルみたいな音)が聞こえてたんですが、ここからの音だったのかな・・・

一体あれなんやったんかマジでなぞ。

 

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阿伽井とは、神仏に捧げる水がわく井戸のことなんだそうです。

 

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山の中を1時間半ほど歩いて、お久しぶりのアスファルト道。

 

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素晴らしい。四か国語対応です。

なんかアンパンマンに出てきそうなキャラ。名前をつけてみた。その名も「へんろまん」(ひねりゼロ)

 

白峯寺から約1時間40分で到着。

82番 根香寺

 

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弘法大師が建てた「花蔵院」と、甥の智証大師が建てた「千手院」の二つの院からできたといわれるお寺。

智証大師が千手院を建てた際、霊木で本尊の千手観音を彫ったのですが、その霊木が長く芳香を放っていたということで、

総称して根香寺と呼ぶようになりました。

 

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門前には、牛鬼像。

昔、この青峯山にいた人間を食べていたという恐ろしい怪物です。

ガイドブックには「迫力満点」とか書かれてるんですが、ちょっとおもろい感じに仕上がってないかい。

いや、まぁ実際こいつが私を食べようと追いかけてきたらめっさ怖いとは思いますが。

足のめくれた皮ぐらいならあげれるけど。(きたねーな)

 

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また階段なやーつ・・・

 

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樹齢1600年の欅。

昭和50年頃枯れてしまったので、現在は保存のため根を切り、元々生えていた場所に屋根つきで置かれています。

 

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で、またまた階段。

とことんやる気か、今日は。

 

小さなお寺だと、門入ったらまず手頃なベンチに荷物置いて身軽になるんですが、

こういうところはそうもいかず、荷物しょったままひたすら階段上って本堂を目指す羽目になります。これがまた地味につらい・・・

 

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本堂

こちらの本堂、ちょっとかわった造りで、この手前にある回廊をぐるっと回って、正面に見える本堂へ。

そして、この回廊にはずらーっと小さな観音像が祀られています。

その数、約3万3000体。

 

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大師堂

 

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開創1100年を記念して安置された役の行者像。

直接開基と関係ないけど、山岳仏教繋がりということみたいです。

 

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「ほな、また」

 

牛鬼に見送られ、山の下にある80番 国分寺へ。

(ちなみに、この牛鬼は、弓の名人山田蔵人高清に打ちとられたそうです。めでたし、めでたし)

 

2日目、3つ目の札所国分寺は山を降りた先にあります。

根香寺から③国分寺へ。

白峰寺にのぼる前に撮った地図の写真なので、現在地の位置が白峰寺の手前にあります。)

 

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なので、途中までは元来た道を戻ります。

 

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どんどん降りよう。

 

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この景色が・・・

 

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これ。

ちょうど真ん中に見えているのが、鷲ノ山。(と思われる)

パネル写真の右奥部分だけしか写ってなかったわ。

 

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桜~ 綺麗な桜~

と上を見とれて歩いてたら、ズボッと溝に足がはまりました。

山で足元注意しないなんて、あほの極みです。

 

「んぎゃ」っと思ったと同時に(基本、一人の時一切声を出さない生活してるので、こんなとっさの時も声が出ない。声帯が完全にシャットダウンしてます)後ろから代わりに

Oh!!

と女性の声。

 

振り返ると、思った通りそこにいたのは日本人ではなく欧米人の方。

実はこの方、81番から82番に行く道に一度すれ違って「こんにちは」と挨拶交わしてたんです。

私とは逆に、82番から81番に向かう道をその方は歩いてたはずなのに、なぜか今、私の後ろに。

そして、前を歩いていたちんちくりんの日本人が、突然溝にはまったのを見て、思わずびっくり。そりゃそうだわな。

 

あ、OK、OK

とヘラヘラしながら(実はちょっと脛痛かった。あとから見たら痣できてた・・・)大丈夫だよアピール。

この方も国分寺を目指しているということで、このあと一緒に歩くことになりました。

全く日本語ができない方だったので、私のつたない英語力で何とか会話を。

この方は、お遍路をがっつりまわってる訳ではなく(すごく軽装だったし)この近辺のお寺だけをまわっているとのことでした。

オーストラリア出身の方(お年は恐らく60代半ばぐらい)で、大阪で働いている息子さん訪ねて日本に遊びに来た、とか。

日本のお寺、特に山にあるお寺が好きで、高野山熊野古道にも行った、とか。

私も去年オーストラリア行ったよーゴールドコーストラソンに出たんだよー、とか。

 

多少それなりに会話はできたものの、もっと私に英語力があれば会話が弾んだのになーと悔やまれるところです。

とりあえず、山を降りたらオリーブ畑が出てきたので、

香川はオリーブが有名なんだよ!

と教えてあげました。

唯一、ガイドっぽいことできたんこれだけやわ・・・お寺の由来とかもっと説明してあげたかった・・・

ポケトーク、欲しかった・・・(最新技術頼り)

 

しかも山を降りてから、国分寺への道案内があんまりなく、もはやグーグルマップを頼りに歩き、

これ、こっちでいいのよね?

とむしろ英語版遍路ガイドブック(のコピー?)を持ってるその方に道案内される始末。この英語版ガイドブックがものすごく詳細。

 

私が使っているのは、イラストの地図が描かれてる市販のお遍路ガイドブック。

あとは、道々にある案内板や遍路シール。迷ったときにはグーグルマップ。

これらを駆使して歩いてるんですが、見せてもらった英語版。

具体的に「この白い壁の建物の横を左に曲がる」とか丁寧に一つ一つ道々の目印になる建物なんかが写真つきで載ってるんです。分かりやすっ!

 

ここ数年、外国人の方に人気があるというお遍路。

実際私も外国人お遍路さん見かけること多かったんですが、肝心の道案内は日本語オンリーがほとんど。しかも数字ですら漢数字やから、番号さえ読めない。

(中国系の方ならいけるかもやけど。ん?でも日本語の漢数字って、中国でも同じなんかな)

それでも皆さん歩いて旅してるから、どうやって道判断してるんだろーと思っていたら、こんな素晴らしいガイドブックがあったんですねー

最終的に地元の方に「この道で行けるよ」って教えてもらったとこが、何か正面門じゃなく、境内の脇から入るようなとこで、

 

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いきなり本堂どーん。

ちなみに、写真に写っている方が30分ほど旅路を共にしたオーストラリア人の女性です。私の英語力不足で、恐らく所々会話かみ合ってなかったと思いますが

一緒に歩いてくれてほんと助かったわ

と言ってくれました。喜んでいただけたようで、何よりです。

門から入れずすいません。

私はお遍路手順で参拝するので時間もかかるし、(ロウソクや線香あげたり、般若心経読んだり)ここでお別れすることに。

 

はい改めて

80番 国分寺

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地図、さっびさびでよー分からん。

聖武天皇の勅命により全国に建てられた国分寺の一つ。行基が開基。

本尊の十一面千手観音立像を弘法大師が修復し、堂宇を増築したと言われています。

本堂は鎌倉時代に再建されたもの。境内、結構広いです。

 

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七福神がいたり

 

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良縁祈願ができたり、

 

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金箔大師がいたりします。

その横には、イノシシ顔はめパネルもあります。

一番前のイノシシ、既に顔あるけど。

もはや穴開いてるとこからの顔、それは完全に心霊写真の位置でしょう。

 

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大師堂はこちら。

納経所と同じ建物内にあります。

 

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創建当時に造られた四国最古と言われる梵鐘。

当時の藩主が高松城に持ち帰ったところ、毎夜泣きながら「国へいぬる(帰る)」と藩主の夢枕に立ったため、元の場所に戻されたという言い伝えがあります。

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で、こちらが本来最初に通るべきだった門です。

今日はできれば83番まで回りたいと思っていたのですが、どうも時間が微妙。。。

宿泊先は83番近くなので、最悪明日の朝でもいいか。

 

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今までの山とは一転。

ひたすら県道ゾーン突入です。

山登ったり、下ったりがかなり足に効いてます。もはや平地のアスファルトでも、トレッキングポール突きながら歩く。

 

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時刻は16時過ぎ。83番一宮寺までは5キロ以上。

・・・無理だな、今日は。

 

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疲れていると、こういうとこが、立派なベンチに見えてくる。

 

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結局、この日は17時までに83番へ行くことができなかったので、そのまま宿泊先となる天然温泉きららへ。

見えている建物は、温泉施設。いわゆるスーパー銭湯的なとこなのですが、宿泊も可能。一旦温泉施設で受付したあと、案内されたのが

 

温泉施設の駐車場横にある建物(右側)

これ、明らかに元々普通のマンションで、それを買い上げたものと思われます。

 

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なので部屋入るとミニキッチンと洗面。

そして何故かオフィスみたいなデスク&チェア。

 

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その奥の部屋がベッドルーム。

コインランドリーも1Fにあります。

ただ、階段しかないので、3階の部屋まで上がったり下ったりが結構つらかったですが。お風呂はもちろん広々で、露天もあって申し分なし。

温泉施設に食事処もあるのですが、

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そこのメニューの一部がルームサービスできます。

コインランドリー利用で階段行ったり来たりしてたら疲れちゃって、

もう部屋から出たくなかったので、ご飯はこのルームサービスを利用しました。

 

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海鮮どーん。

ありがたいことに、ルームサービスで頼んでも、お値段上乗せなし。

(普段、ホテルでルームサービス利用しないんですが、店内で食べるよりちょっと高く設定されてません?)

 

本日の歩行距離は、昨日の倍以上36キロ

歩数は約6万歩。しかも山登り&下り込み。

あー足、ちょっと痛いかも・・・

結願まであと2日。頑張れ、私の足。

 

この日お世話になった天然温泉きららの詳細は下記HPをご確認ください。

www.kiraraonsen.com

 

私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。

納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。

地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。