先日、交通系YouTuberのスーツさんが公開された動画を見ていたら、私と同時期に青森を旅行されていることが分かりました。
しかも私が午前中に「ねぶたの家 ワ・ラッセ」に行った同日、スーツさんは午後に行かれていたようで。
おぉ!ニアミス!!!
と密かにテンション上がったのでした。
さておき。是川石器時代遺跡で国宝の土偶を鑑賞したあと、タクシーでJR八戸駅へ戻り、再びバスで今度は十和田市へと向かいます。
縄文時代から時間を数千年進め、『十和田市現代美術館』で現代アートを堪能してきました。
十和田市現代美術館へのアクセス
公共交通機関で行く場合は、バスの利用となります。
①十和田観光電鉄バス 十和田市方面行乗車 約1時間 「官庁街通」バス停下車 徒歩5分
②JRバス「おいらせ号」乗車 約40分「十和田現代美術館前」下車すぐ
「おいらせ号」の方が所要時間が短く、美術館前で停車するので便利なのですが、八戸駅からの便は10:00発と14:40発の2便しかありません。(2023年8月時点)
十和田観光バスの方は大体1時間に1本です。
私は、行きは十和田観光バスに乗車し、帰りは「おいらせ号」で帰ってきました。
また「七戸十和田」駅からもバスで行くことができ、その場合は所要時間35分だそうです。
ちなみに、バスは行きも帰りも10~15分程度遅延していました。遅延の理由は謎。
十和田市現代美術館のアート作品
街中にアートがある十和田市。美術館だけでなく、その周辺にも作品が点在しています。
「官庁街通」バス停から美術館までの道中
この枕みたいなの、何だろう・・・?
と思ったものが、後程もらったパンフレットでアート作品であったことが分かりました。
劉建華(リュウ・ジェンホァ)『痕跡』
思った通り枕でした。パッと見、柔らかいゴム素材のようにも見えますが、触ったらカッチカチでした。
美術館に到着。カフェ&ショップの建物の壁面がアート作品。
ポール・モリソン『オクリア』
奈良美智『夜露死苦ガール2012』
青森出身のアーティスト奈良さんの作品。奈良さんの作品、凄く好きです。一度行ったことがあるんですが「青森県立美術館」のあおもり犬、時間があれば今回も見に行きたかった。
美術館に入る前に、まずはランチ。
とわだ短角牛とごぼうのビーフパイ(スープ&サラダ付)950円。
この旅で唯一まともなランチです。(食<観光を優先してしまうので、私の旅は大体こうなる。)
ランチを終えて、美術館の受付へ。受付前には『十和田市現代美術館』を紹介する記事でよくお見かけするカラフルなお馬さんがいます。
チェ・ジョンファ『フラワー・ホース』
カラフルなお花で彩られたお馬さん。「美術館を訪れた人々を迎えるウェルカムブーケでもある」とのことです。なるほど!
受付でチケット購入時にパンフレットを頂けます。そちらに記載されている地図を見ながら、館内のアート作品鑑賞。美術館の中は、大体一部屋に一作品が展示されています。
まず最初に出会うインパクト大の作品。
ロン・ミュエク『スタンディング・ウーマン』
めちゃくちゃでかくてリアルな年配の女性像。その高さは約4メートル。
漫画『進撃の巨人』に登場する無垢の巨人と大体同じサイズです。
顔とか手のしわ、血管もめっちゃリアル。子供、びびってました。そりゃな。
塩田千春『水の記憶』
塩田さんの作品は非常にインパクトが強く印象に残ります。以前、豊島の『遠い記憶』という作品を見たことがあります。木船は十和田湖にあったものだそう。
トマス・サラセーノ『オン・クラウズ(エア-ポート‐シティ)』
「国境や領土という概念から解放され、雲のように形を変えながら空に浮かぶ新たな都市のかたち」を提示した作品だそうです。
解説読んだら凄く奥の深い作品でした。現代アートはこういう所が面白い。
建物外の中庭にも作品が点在しています。
オノ・ヨーコ『念願の木 三途の川 平和の鐘』
木には実際に願い事が書かれた短冊が多数吊るされていました。
森北伸『フライングマン・アンド・ハンター』
これ、個人的に一番のお気に入りの作品です。白い壁に写された影も面白い!
山極満博『あっちとこっちとそっち ちいさなおとしもの ひとつはふたつ ぼくはきになれない なんにもない話』
ポツンと中庭にいるカバ?カピバラ?のような不思議な生き物。
ソ・ドホ『コーズ・アンド・エフェクト』
遠目で見るとシャンデリアのようにも見える作品ですが、近づいて見てみると・・・
それを形作っているのは、無数の人形。それが肩車をして吊るされています。
知識や記憶が連綿と受け継がれていることが表現されているそう。
・・・全裸の肩車って、嫌だな。(意味合いを知った上で見ても、どうしてもそこが気になる。)
続いて2Fフロアへ。上がる階段にもアート。
フェデリコ・エレーロ『ウォール・ペインティング ミラー』
カラフルで面白い作品ですが、エアコン効いてなくて「ここ、あっつ!!」っていう感想しかみんな言ってなかった・・・(大阪にいると当たり前の全館空調完備という概念が、青森では適用されない。)
マリール・ノイデッカー『闇というもの』
夜の森を彷彿させる作品。何だか不思議な匂いがしました。
ボッレ・セートレ『無題/デッド・スノー・ワールド・システム』
靴を脱いで展示室を覗くと、ヤギのようにも見える動物とミラーボール。映画『2001年宇宙の旅』から着想を得たという作品。正直、私にはシュールさが際立って見えてしまいました・・・
さらに上に上がって屋上にも行ってみました。
屋上の床面も階段と同じ作品の延長。
暑すぎるので、山々を一瞬眺めて退散。
続いては企画展の展示エリアへ。
現在、劉健華『中空を注ぐ』が開催中。(11月19日まで)
『遺棄』・『塔器』(白い塔の作品名)
展示室を入ると、人が通れる狭い隙間をのぞきびっしりと陶器が敷き詰められ、さながら廃墟のようにも見えます。
熊のぬいぐるみやウルトラマンは廃棄されたおもちゃの姿を彷彿させますが、白菜まるごととかもある。
・・・これはもはや事件性しか感じない。
『儚い日常』
・・・再び骸骨。
『白紙』
一見、壁に白紙の紙が貼られているように見えますが、こちらも陶器。
スタッフの方に説明されて、思わず近くまで顔近づけちゃいました。
企画展示室を出て、再び常設展鑑賞。
名和晃平『PixCell-Deer#52』
大小の球体で造られた鹿。光の加減によってキラキラと光る姿は美しくもありますが、集合体恐怖症の私にとっては少々ゾワゾワする・・・
この後、別の建物にある作品を鑑賞し、美術館の作品鑑賞は終了。
美術館自体はそれほど大きなものではないので、全部見てまわって大体1時間ほどでした。
ちなみに、今回、他にも人がいたり、実際に体験してみることで楽しむ一部の作品については紹介をしていないものもあります。
十和田市現代美術館アート広場を散策
続いては、美術館の周辺にある屋外作品を見てまわります。美術館で頂いたパンフレットには、美術館内だけでなく屋外作品のマップと説明も書いてあったので、こちらを頼りにアート散策。
椿昇『アッタ』
美術館横にもう1点大きな屋外アートがありました。ハキリアリをモチーフにした作品。
官庁街通り。市役所や病院などがある通りなのですが、平日なのに全然人がいなかった・・・
マウントフジアーキテクツ『イン・フレークス』
春夏秋冬、移り変わる街の風景を反射するベンチ。
鈴木康広『はじまりの果実』
青森のシンボル、りんご!
目[me]『スペース』
元々、スナックとして使われていた古い建物。7月1日~9月3日の期間は『筒|tsu-tsu 地上 On The Land』という企画が開催されています。
実在の人物を取材し、演じる「ドキュメンタリーアクティング」というものだそう。
時間によっては、こことは別の場所にはなりますが、作家さんの公開稽古も見ることができるそうです。
ニュー‐テリトリーズ/R&Sie(n)『ヒプノティック・チェンバー』
細菌のようなアメーバのような不思議な外観。中に入るとテレビから何やら話す声が・・・
「心と体の緊張をほぐし、催眠(ヒプノティックな)状態へと誘われます」とパンフレットには書いてましたが、ただ怖かったよ・・・
インゲス・イデー『ゴースト アンノウン・マス』
こちらも十和田市の紹介記事などでよく見かけるゴースト。このゴーストだけに注目してしまいますが、隣に目をやると・・・
トイレの建物の屋根から覗き込む「アンノウン・マン」もいます。
ゴースト、浮いてるように見える。かわいい。
草間彌生『愛はとこしえ十和田でうたう』
カラフルなドットの作品は、遠くからでも草間さんの作品だ!とすぐ分かる。
草間さんのカボチャは直島のものが有名ですが、ここ十和田にもありました。
エルヴィン・ヴルム『ファットハウス ファットカー』
マシュマロマンを思い出しました。
近藤哲雄『ポット』
日高恵理香『商店街の雲』
商店街にあるベンチもアート。街中にアートが溶け込む街、十和田。
パンフレットには載っていなかったので、美術館関連のアート作品ではないのでしょうが、戦前、官庁街通りは旧陸軍軍馬補充部があった場所ということで、このようなお馬さんに関するオブジェなども点在していました。
帰りは美術館前から「おいらせ号」に乗って八戸駅へ。
到着したのが14時前で、帰りのバスが17:27発。約3時間半の滞在でしたが、後半1時間弱時間を持て余し、ドラッグストアで普通に買い物して時間つぶししていました。
屋外アートも大体1時間程度で見て回れるので、全体で2時間~2時間半程度あれば十分なのかな、と思います。
余談ですが、帰りのバスや宿泊しているホテルにも海外からの観光客の方が多数いて
え?八戸にこんなに外国人観光客いるの??
って正直驚いたのですが、どうやら多くの方が奥入瀬渓流を目的として来られていたみたいです。ほんと皆さん日本全国色んな所の観光地、調べて来てるよな~と感心します。
利用案内(十和田市現代美術館)
- 入館料:一般1800円 高校生以下無料
- 開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)年末年始
おまけ
八戸駅の隣にある「ユートリー」という施設で、八戸三社大祭の紹介がされていました。
このお祭りも面白そう!!来年見に来ようかな。でも他の東北の夏祭りも行きたいし、高知のよさこいもいいし・・・と今から悩む。鬼に笑われるわ。