えちこの旅ブログ

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【続100名城(世界遺産)】No. 200 勝連城(沖縄)|2023年1月沖縄⑩

世界遺産名:琉球王国のグスク及び関連遺産群

琉球王国の歴史を伝えるグスクやその関連遺産が9か所登録されています。(登録年:2000年)

 

沖縄旅4日目飛ばして5日目。飛んだ4日目は雨だったので、午前中に沖縄県立博物館へ行き、昼からホテルで洗濯祭り&翌日の城巡りルートを調べまくっていました。

この日、私は中部エリアにある勝連(かつれん)城中城(なかぐすく)城の2つを回ることにしていました。この2か所、車であれば那覇市内のホテル→勝連城まで約50~60分。勝連城→中城城まで約25分で行けるため、大して苦労はしないのですが、公共交通機関のバスのみで行こうとするとかなりのハードモードになります。

色々試行錯誤の末、全てバスで行くルートも考案できたのですが、結局あまりにも時間効率が悪かったので、ホテルから勝連城までバス→勝連城から中城城まではタクシー移動→中城城から那覇市内までバス(途中乗り換えあり)で2か所のお城攻略を行いました。

沖縄でバス旅するなら、1日周遊パスが便利

バスに乗車するにあたり、沖縄路線バス1日周遊パスを購入しました。通常2,500円のところ、LeaLea OKINAWA byHISのサイトからだと1,820円で購入可能。ただし、このチケットは購入後に直接LeaLeaラウンジに引き取りに行かなければいけないので要注意です。(私は宿泊しているホテルから徒歩圏内だったので、特に引き取りに不便は感じませんでしたが、画面で表示可能にしてくれたらもっと便利なのにな~)

1日以外に3日周遊、またゆいレール乗り放題もセットになったパスもあります。ちなみに、バスに至っては恐らく片道1時間以上乗るようなルートでないと、お得にはならないかな、と思います。

【WEB限定】沖縄路線バス周遊パス 1日周遊パス | H.I.S. LeaLeaOKINAWA

なお、沖縄のバスは沖縄独自の「OKICA」というICカードしか使用できませんでした。デポジットに500円必要ですが、何度も沖縄来るぜ!バス活用するぜ!という場合は、このICカードを購入するというのも一つの手かも。(いずれゆいレールみたいに、どこのICカードでも乗車できるようになって欲しいものですが。)

勝連城へのアクセス

那覇バスターミナルから沖縄バス52系統(与勝線)で、約2時間。「勝連城跡前」下車すぐ。

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2023年1月時点の時刻表。朝は7~8時台に便がありません。ゆえに9時15分発のバスに乗ることにしました。

出発はゆいレール旭橋駅に隣接している那覇バスターミナル。綺麗な待合所があり、トイレやファミマもあります。

52系統は、5番乗り場からの乗車。待合室を出てすぐの場所にありました。

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このような電子時刻表があるので分かりやすいけれど、そもそも1つのバス停に来るバスの系統が多すぎる問題。

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沖縄でバスに乗るのに利用していたサイトがのりものNAVI

系統や行先を入力すると、経路パターンを出してくれます。f:id:iechiko:20230205175632p:image

また、バスの現在地をリアルタイムで教えてくれる機能もあるので、バス停で「今どの辺にいるんだろ?」と乗るバスの現在地を調べることが可能。(沖縄のバスってよく遅れるらしいですからね。ただ、今回私は一度もバスの大きな遅延には遭遇せず。)

また、今回のように長時間乗っていると一体今どの辺なのか、順調に進んでいるのか、降りるバス停まであとどのぐらいなのか、と慣れない土地では分からないものです。

そういう時にもすぐに調べられるので便利でした。

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目的地の「勝連城跡前」は79番目のバス停です。遠いよ。乗客の乗り降りは時折ありましたが、基本ずーっと私一人でした。バスの系統も本数も割とあるのに、需要と供給のバランスあってるんだろうか?これ。

前日にバスターミナルの案内所で行き方などを聞いた際、所要時間は約90分と言われましたが、実際は2時間ほどかかりました。(遅延等ではなく、ナビで調べてもそもそも2時間かかることになっている。)勝連城跡前バス停には、ほぼ定刻に到着。

2時間バスをほぼ独り占めして1,260円なんだから、凄い安いよね。(その分所要時間が車で行くのと比べると倍かかってますけど)

勝連城の歴史

勝連城は勝連半島にある標高約98mの丘に築かれており、正確な築城年は分かっていませんが、発掘調査の出土品から12~13世紀と考えられています。中国や朝鮮、東南アジアの陶磁器などが出土していることから、勝連按司(地方首長)は海外貿易を盛んに行っていたことが伺えます。

15世紀前半に10代目城主となった阿麻和利(あまわり)は、貿易により勝連に繁栄をもたらし勝連城は最盛期を迎えました。第一尚氏・6代の尚泰久は、力を持ち始めた阿麻和利を懸念し、娘の百度踏揚(ももとふみあがり)を嫁がせると共に、忠臣の護佐丸(ごさまる)を中城に配置し監視させました。護佐丸は「謀反の疑いあり」との阿麻和利の讒言により討伐されてしまいますが、その後、嘘が発覚した阿麻和利は、尚氏軍に討伐され、勝連城は廃城となりました。

あまわりパークの展示品

歴史上「逆臣」として名を残す阿麻和利ですが、琉球最古の歌謡集「おもろさうし」では阿麻和利を称える歌が残されており、名君としての評価も残っているようです。『肝高(キムタカ)の阿麻和利』という舞台も行われているそう。(「肝高」とは沖縄の古語で「心豊か」「気高い」という意味。字面から「キムタク」が頭に浮かんで来てしょうがない。)

あまわりパーク

バス停から徒歩1分の場所にあまわりパークがあります。こちらでは、勝連城に関する展示や映像作品鑑賞ができます。また、入城チケットの販売も行われているので、まずはこちらの施設へ。

2021年10月にできた新しい施設です。まずはこちらで勝連城のお勉強。

10分弱のアニメーション映像が4本10~15分間隔ぐらいで流れます。展示品見て、映像見て、終わったら展示品の続き見て、また映像見てを繰り返し、3本の作品を見ました。

スクリーン下にあった勝連城ジオラマ

作業をしている人、城内で集会(?)している人などの再現が面白くて、これだけでも長時間見ていられる。(私、割とジオラマ好き。)

一通り展示品と映像作品を見終えたところで、城内へ移動します。勝連城はあまわりパークと道路を挟んだ反対側にあり、城遺構まで勾配もあることから、あまわりパーク前から無料のカートで連れていってくれます。

(勝連城に到着後に撮影。)

特に時間などは決まっていなくて、お客さん集まったら適時出発って感じでした。

城の遺構

勝連城は続100名城に認定されたお城である上に、世界遺産でもあります。というか、沖縄で世界遺産の構成資産となっている城(グスク)は、全て100名城か続100名城にも認定されています。勝連城は、世界遺産の中では最古のグスク。

5つの曲輪からなり、それぞれの曲輪は琉球石灰岩によって曲線状に築かれています。この姿、今回訪れた沖縄グスクの中で一番好き。

ウタミシガー

四の曲輪にある井戸。旧正月の元旦に水の量を見て、その年の作物の出来を占っていた場所だそうです。(水多い→豊作。水少ない→凶作)

ミートゥガー(夫婦ガー)

縁結びの井戸。

中学生ぐらいの集団が、ガイドさんの話を聞きながらお城見学していたんですが、数日前とは打って変わってこの日気温は15度程度。風も強く、小雨ぱらつく。とにかくみんな寒そうで、何か見ていて気の毒になりました。後をついていくような恰好になって、私も三の曲輪へ移動。

三の曲輪城門跡

三の曲輪

トゥヌムトゥ

旧暦の2月と5月に行われる収穫祭の際、神人(カミンチュ)が腰かけていた石。

二の曲輪

二の曲輪には、殿舎跡が見つかっており、城内で最も重要な建物であったと考えられています。

ウミチムン(火の神)

火の神が祀られていたところ。すなわち、こちらは台所。

ウシヌジガマ

首里王軍に攻められたとき、この穴を抜けて阿麻和利が読谷村まで逃げたという伝説も残っているそう。

薄水色の建物があまわりパーク。その隣は現在絶賛工事中。2026年には飲食店などが入る施設が出来上がり、勝連城周辺の観光地化を進めているみたいです。

一の曲輪

城内には、このように新しく階段が設置してある箇所もあるのですが

昔のままの石灰岩のみの道もあるので、足元要注意です。雨の日は滑りやすいそうなので、より慎重に。

一の曲輪への階段。

勝連城からはオーシャンビューの美しい景色が見られるのですが・・・

あいにくの超曇天。でも、こんなに曇天でも海の青さが分かります。晴れていればどれほど綺麗だったことでしょう。(旅の後半、ほぼこんな曇天続きでした。冬の沖縄は曇りが多いそうなので、まぁ仕方ないですけど。)

一の曲輪から見下ろした二の曲輪と三の曲輪。

一通り城内散策を終えたあとは、またカートに乗せてもらってあまわりパークまで戻りました。あまわりパークの観光案内所で続100名城スタンプを押印し、御城印も購入。こちらではちょっとしたお土産も販売していました。そしてスタッフの方にタクシーを呼んで頂き、中城城へ移動。

利用案内

  • 料金

 ①勝連城&あまわりパーク:大人600円 小人(中学生以下)400円

 ②あまわりパーク展示室のみ:大人400円 小人(中学生以下)200円

 ※6歳未満およびうるま市内小中学生無料

  • 開館時間:9:00~18:00(入館締め切り17:30)
  • 休館日:年中無休

www.katsuren-jo.jp

 

おまけ

観光案内所の椅子に座っていたおばあ(の人形)。めっちゃリアルで、一瞬見たときホンマに地元のおばあが休憩してんのかと思った。

 

続100名城のスタンプ帳 公式ガイドブック