※琉球王国の歴史を伝えるグスクやその関連遺産が9か所登録されています。(登録年:2000年)
識名園へのアクセス
識名園バス停から徒歩2分(識名園までのバスは複数系統走っています。)
のっけから上り坂。10%の角度?勾配を表すパーミルのことかと思ったけど、明らかに「%」って書いてるしな。
この急勾配です。沖縄が車社会の理由は電車が発達していないこともあるけれど、坂道が多いことが原因な気がする。
坂道メインで歩き続けて20分。
識名園到着。
識名園とは
ガイドブックにはそのまま「しきなえん」とフリガナが振ってありましたが、現地でもらったパンフレットによるとこの場所は「シチナヌウドゥン」と呼ぶそうです。
ここは琉球王家最大の別邸及び庭園で、海外の使者をもてなすために作られました。また、それと共に国王一家の保養所でもありました。
創建は1799年。首里城の南にあることから「南苑(なんえん)」とも呼ばれました。
他の史跡同様、沖縄戦で破壊されたものの、1975年から約20年かけ再建が行われ、2000年には特別名勝に指定。また世界遺産構成資産の一つにもなりました。
日本・琉球・中国文化が混合する庭園を散策
入口でチケットを購入し、入園。
沖縄の名所は、いちいち木が素晴らしい。大きな木が好きな私は、こういった木々を見るだけでも来る価値ある場所だなと思います。
入ってすぐににゃんこに遭遇。そっぽ向いていたので、軽く舌打ち(って言ったら、凄い態度悪く感じるけど、いわゆる「チッ」じゃなくて、「チュチュ」みたいなニュアンスのやつ。これ、何か別名つけたい。)して呼んでみた。
ちら。
凄く仕方ない感で振り向いてくれました。
順路に従い、園内散策。
通用門
園内で働いていた人用の門。
今日1日で立派な木々を見たことか。植生が大阪と全然違うことももちろんですが、1本1本が立派で、いちいち足を止めて見てしまいます。
これがあの♪でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た♪でお馴染みのデイゴですか。残念ながら花は見れず。
正門
国王一家や、中国からの使節・冊封使の人々が出入りに使用していた門。
育徳泉(いくとくせん)
育徳泉は、庭園内にある池の水源の一つ。
識名園は、池の周りを歩きながら景色を楽しむ「回遊式庭園」です。これは日本庭園の形式の一つで、江戸時代には大名によって多く作られました。兼六園や後楽園など、有名庭園をはじめ、この形式の有名庭園は本州に多くあります。
沖縄の史跡でありながら、このような日本式を取り入れている所が面白いな、と思いました。しかし、やはりここは琉球王国の史跡。琉球独特の文化も混合しています。
御殿(うどぅん)
赤瓦屋根の建物は琉球ならでは。当時、上流階級のみに許可された格式のある造りで建てられているそうです。約159坪の広さがあり、冊封使を迎えた一番座を始め15の部屋がありました。
靴を脱いで、内部も見学可能です。
縁側からは池の風景が綺麗に見えます。御殿を出たあと、その池の方へ。
石橋が池の中ほどにある2つの島を繋いでいます。
コバテイシという木が島の中に生えていたんですが、右側の枝が凄いことになっている。というか、これまた別の木が絡みついている状態?どういう状態?
六角堂
六角形のあずまや。黒の瓦や屋根の形が中国風。
池には鯉。これは日本庭園の定番。色が鮮やかな鯉が多いのは、やはり南国だからか・・・?(本州のお城とか神社仏閣で見かける鯉って、もっと茶色で地味色が多いような。)
再びの登場アカギの木。これを見ると、先ほどの首里金城の大アカギがいかに大きかったかが分かります。
大アカギの記事はこちら。
沖縄戦の痕跡が、今なお残っています。
勧耕台からの景色。説明書きに「海がまったく見えない大陸的な景色が臨めます」と記載されていました。確かに!沖縄はどこからでも海が見えるって訳じゃないのね。そりゃそうか。本島そんなに細長くないか。
王の保養所の庭でバナナが育つ。それが沖縄。
番屋
識名園の管理をした番人の住居。
これで一周庭園を巡って識名園見学終了。所要時間は50分程度でした。
日本・琉球・中国折衷の形式で、日本風の庭園だけれど、生えている木々は南国のもの。他ではなかなか見られないタイプの庭園で非常に面白かったです。
帰りは、識名園バス停から2番系統のバスに乗り、ホテルの近くのバス停まで帰ってきました。沖縄は同じ名前のバス停が、行く方面によって複数異なる場所にあったりするので、なかなか慣れていないと使いこなすのが難しい。「識名園前」のバス停も4か所ありました。(Googleマップの経路検索機能なかったら、完全に帰る方法見失ってたわ。)
利用案内
- 入館料:大人400円 小人(中学生以下)200円
- 開館時間
①4月~9月:9:00~17:30
②10月~3月:9:00~17:00
- 休園日:水曜日(祝日および慰霊の日の場合は翌日)
おまけ
チケット売り場の横に「王朝食パン識名園」というベーカリーがあり、そちらで買ったおやつ。パンの耳のかりんとう(だったと思う。)この2日後、城巡りの際の大事な食料になりました。