歴史巡りの旅。
教科書で一度は目にしたことがある、その時代を代表する遺跡・歴史建造物を紹介しています。
時代:飛鳥時代
四天王寺(大阪府大阪市)
(訪問日:2021月5月29日)
近いとこほどなかなか行かない理論に基づき、同じ大阪市内に住みながら数年前に一度行っただけの四天王寺。先日、久々に行ってきました。
最寄り駅は、いくつかありますが一番近いのは地下鉄谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅です。徒歩5分ほどとHPにありましたが、迷子の天才の私は、グーグルマップを見ていたにも関わらず、間違った方向に進み10分ほどかかりました。ホンマどうなってんねん。
四天王寺は、創建593年。聖徳太子によって建立された日本仏法最初の官寺です。
『日本書紀』によると、物部守屋VS蘇我馬子の戦いの際、蘇我氏側についた聖徳太子が、自ら四天王像を彫り「この戦に勝たせてくれたら、四天王を安置する寺を建てこの世の人々を救済する」と願ったところ、戦いに勝つことができたため、この四天王寺を建立したと言われています。
四天王寺の伽藍配置は、その名も「四天王寺式伽藍配置」と言われ日本最古の建築様式の一つです。南から北に向かって中門・五重塔・金堂・講堂が並び、それを回廊が囲む形。図の右が南にあたるので、一番右が中門です。この中心伽藍の周りにも多数のお堂が建立されています。
こちらの布袋堂は、「乳のおんばさん」とも言われ、おっぱいの出や胸の健康を願う女性のためのお堂となっています。
極楽門
伽藍内部は有料ですが、その周囲は無料で参拝できます。
私、2015年~2019年にかけて四国遍路を歩いてまわって以来、弘法大師さんにはとてもご縁を勝手に感じております。「お久しぶりです!」と思わず言ってしまう。向こうからしたら「誰やねん」やろうけど。
伽藍周りをぐるっと。
中門
中心伽藍の南端。両端に伽藍の守護神である仁王像を祀っていることから、俗に「仁王門」と呼ばれています。
大きさは奈良の東大寺の仁王像に次いで、二番目だそうです。最近色塗り直しされたのか、色がすごい鮮やか。
「太子殿猫の門」と書かれていたので、見上げてみたら
猫、いた。
亀の池の上に架かっている石橋の上に組まれた石舞台。
毎年4月22日に行われる「聖霊会舞楽大法要」の際には、ここで舞楽が舞われるそうです。最初、「ふーん」ぐらいで通り過ぎたんですが、こちら重要文化財にも指定されており、「日本三舞台」の一つ(残り2つは住吉大社の石舞台、厳島神社の平舞台)とされるほど貴重なものみたいです。
石舞台の奥にあるお堂は、六時礼賛堂。
亀井堂
ぐるっと伽藍周囲を回ったのち、伽藍内へ。
中心伽藍拝観料は300円です。なお、毎月21日・22日と3月の春季彼岸会、9月の秋季彼岸会は中心伽藍を無料で開放されています。
南から北に向かって見ると、五重塔・金堂・講堂が一直線に並んでるのがよく分かります。
創建以来、度々伽藍が焼失したため現在の五重塔は昭和34年8度目の再建。
飛鳥時代創建当初の姿が再現されています。でも、鉄骨鉄筋コンクリート製。中身は現代のがっちり素材でできてます。
四天王寺の本尊である救世観世音菩薩が安置されている金堂は、昭和36年再建。
こちらも創建当初の姿を再現。
講堂内は、夏堂と冬堂に別れ、夏堂には阿弥陀所来座像、冬堂には十一面観世音菩薩が祀られています。
伽藍内、私以外に人おらず、まさにがらーんとしておりました。
・・・・・
え?何か?
四天王寺は1400年もの古きお寺ですが、周囲はマンションやらオフィスビルが建っており、境内から日本一高い高層ビル「あべのハルカス」が見えます。
飛鳥から平成。(あべのハルカスの完成は2014年)1400年以上もの時を超えた建造物のコラボです。
伽藍のあと、本坊庭園へ。
こちらも有料。(300円)
極楽浄土の庭です。現世で極楽、一足お先に体験してきます。
釈迦の滝。
何ともありがたい名前の滝。小規模ですが。
瑠璃光の池
大量の鯉(?)寄ってきた。
極楽の池。
極楽に、何か妙に現代的な建物がある。
お庭からもあべのハルカス。
さすが300mの高さを誇るだけあります。どこからも見える。ちなみにこのお庭の真横にもマンション建ってました。ベランダから極楽の庭見放題。ただ、庭に来た人にベランダ見られ放題。
でかめの亀いた。何か、こういう池にいる亀ってもうちょっと小ぶりでかわいらしいイメージが・・・主感半端ない。
網の向こうにあるのは、阿弥陀三尊石だそうです。イメージを膨らませて見てみたら、とてもありがたい石に見え・・・てこんな。石だわ。
四天王寺は地下鉄の駅からもアクセス良く、(天王寺駅からも10分少々)お買い物のついでに歴史を感じられるスポットとしてもおすすめです。(伽藍周りだけなら無料拝観できますし)
基本再建伽藍なので、創建当初から残る歴史の古さのようなものは感じられませんが、ハルカスとのコラボなど、京都や奈良の寺社では見られないおもしろい景色も、これはこれで大阪らしくていいのかなと思います。