世界遺産名:明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
※19世紀末から20世紀初頭にかけて、日本は西洋の最新技術を取り入れ、急速に産業の近代化を進めました。
明治期の日本の産業革命に関連した、8県23か所に及ぶ資産が世界遺産に登録されています。(登録年:2015年)
今回は、その構成資産の一つ、鹿児島県にある旧集成館をご紹介します。
旧集成館の歴史
1840年に起こったアヘン戦争で、清がイギリスに敗れ、薩摩藩では海防の危機感が高まりました。
11代薩摩藩主・島津斉彬は、島津家の別邸であった仙巌園に、製鉄・造船・紡績、大砲などの武器などを製造するための、日本初の工場群「集成館」を建設しました。
斉彬の死後、事業は縮小し、更に1863年に起こった薩英戦争で、集成館は焼失してしまいました。
しかし、1865年に12代藩主・忠義が機械工場を再興。
1867年には紡績所が完成。日本初の近代化紡績工場として稼働し、その技術は各地に広がっていきました。
旧集成館へのアクセス
「旧集成館」は「仙巌園」内にあるので、観光スポットとしては、ほぼ「仙巌園」と表示されていました。
・カゴシマシティビュー「仙巌園前」下車すぐ
・鹿児島交通バス「仙巌園前」下車すぐ
私は、仙巌園から少し離れた場所にある「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」にまず訪れたかったので、天文館から「稲荷町」というバス停まで乗車。(乗車時間10分 200円)
稲荷町バス停から、徒歩で異人館までは約12分。異人館近くにバス停はあるのですが
ご覧の通り、1時間に1本程度。昼間は2時間ぐらい運行がない。とっても本数は少ないです。
(上記は、異人館⇒鹿児島中央駅の時刻表)
Googleマップで検索すると、稲荷町バス停から徒歩のルートを案内されたので、それに従ってみることにしました。
ちなみに、天文館⇒稲荷町ルートのバスは、5分に1本ぐらいの高頻度で運行されているようでした。
現れたのは、日本語ではなく英語での「SENGANEN」への道案内。
このルートで仙巌園に行く海外観光客の方が多いっていうことなんでしょうか・・・?非常に丁寧な写真付き案内。参考にさせて頂きました。
トンネルくぐります。
ちゃんと歩道があるので、そこまで危険性はないですが、車通りが結構多いので排気ガスまみれになります。
そして、バス停から歩くこと約10分で到着しました。
旧鹿児島紡績所技師館(異人館)(世界遺産)
紡績工場を稼働するにあたり、イギリスで機械の買い付けを行い、その際、操業までの準備と技術指導をしてもらうため、イギリス人技師を招きました。
その技師たちのために建設されたのが、異人館です。
こちらも世界遺産として登録されています。入口はこちら。入場料は大人200円。
「木造瓦葺のコロニアル調レジデンス」ってパンフレットに書いてありました。
カタカナ、オオクテ ヨク ワカラナイ
コロニアル様式とは、植民地様式とも言い、
(引用元:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
だそうです。
イギリス人が設計し、地元の職人が竣工したそうなので、なるほどそういう建築を「コロニアル調」というんですね。
このスリッパ並べた方、めっちゃ几帳面な性格と思われる。
沢山の人をお出迎えできる準備万端ですが、残念ながら私一人しか訪問者いませんでした。(仙巌園には観光客沢山いたんですけどね。)当時を再現した応接室。
館内は、集成館や、幕末から明治期の工業化について、薩摩藩についてなどのパネル展示がメインでした。
利用案内
- 入館料:一般200円 小中学生100円
- 開館時間:8:30~17:30
- 休館日:年中無休
異人館見学後は、仙巌園へ向けて歩いていきます。
歩いて5分弱。近いです。
途中、鹿児島紡績所跡がありました。
旧集成館(仙巌園)
元々は島津家の別邸だった仙巌園。工場跡の集成館に加え、庭園や御殿と施設内は広いです。
尚古集成館 別館
ここの敷地自体は、入館料なしで入れたんですが、別館内に入るにはチケットの提示が必要。中は資料展示室です。
尚古集成館(世界遺産)
1865年に竣工された「旧集成館機械工場」
現存する日本最古の石造様式機械工場です。
現在は、島津家の歴史や文化を紹介する博物館となっているそうですが・・・
はい、絶賛休館中。
耐震・リニューアル工事のため、2022年5月から休館。工事は今年の9月末までの予定だそうです。
ちゃんと休館の情報得ていたので、めっちゃがっかりーって事はないですが、でも中、入りたかった。工事終わったらまた来る・・・かな。
集成館のある場所から道を渡った先に、入口があり、そこでチケットを購入。
仙巌園・尚古集成館・御殿がセットで1,600円。
尚古集成館は別館しか入られへんねんけどね・・・ま、ええけどね・・・
鹿児島 世界文化遺産オリエンテーションセンターまずはオリエンテーションセンターでお勉強。
現在は土台しか残っていない反射炉の模型。
ちょうど団体さんのツアー?が入ってこられて、ガイドさんが色々説明されているのを一緒になって聞く感じになりました。いや、勝手に聞くつもりなくても、お声が耳に入ってくるのよ、どうしても。
反射炉斉彬が大砲の大型化、鉄製化のため1857年に築造した反射炉。
まだ鎖国が続いていた時代、海外の実物を見ることもできず、オランダの書物を参考にして建設したそうです。
当時の日本にとって、近代的な反射炉は未知のもので、それを書物だけを頼りに試行錯誤をしながら造り上げるって凄いな、謙さん(大河ドラマ『西郷どん』での印象が強くて、私の中で島津斉彬=渡辺謙さんのイメージしか出てこん。)当時は、約20メートルの高さの炉がそびえていたそうですが、現在は2号炉の基礎部分のみが残っています。
石垣と薩摩焼の窯跡
説明書きによると、幕末期はこの石垣の辺りは海岸線で、石垣の上には、斉彬によって設けられた薩摩焼の窯などがあったそう。
「近代薩摩焼発祥の地」の碑が建っていました。
正門1895年 29代藩主・忠義が建てさせた正門。
瓦には〇に十字の島津家家紋。
この先、名勝「仙巌園」となります。そちらの紹介は次回。
利用案内(仙巌園)
- 入園料(仙巌園・尚古集成館・御殿):高校生以上1600円 小中学生800円
- 入園料(仙巌園・尚古集成館):高校生以上1000円 小中学生500円
- 開館時間:9:00~17:00
- 休館日:年中無休
おまけ
アヤメ・・・カキツバタ・・・ショウブ・・・
見分け方、マナカナ級に難しい。
今までに訪れた世界遺産リストはこちら。