えちこの旅ブログ

知的好奇心のおもむくままに

MENU

【女一人歩き遍路】第9回目3日目 83番 一宮寺~84番 屋島寺

※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。

【前回の記事はこちら】

iechiko.hatenablog.com

 

2019年4月7日

 

お遍路旅ラスト3日目。

本当は2日目に行っておきたかった83番を朝一で目指します。

昨日の宿泊先である天然温泉きららから、83番一宮寺はとても近いです。

7時に宿をあとにして、わずか7分で到着。

 

83番 一宮寺

f:id:iechiko:20210911090914j:plain

創建当初は、「大法院」という名の法相宗のお寺でしたが、その後讃岐一の宮田村神社別当となり、寺名を現在の一宮寺に変更。さらにその後、弘法大師が本尊を刻み、その際真言宗へと改宗したお寺です。

 

f:id:iechiko:20210911090918j:plain

本堂の前にある薬師如来

この祠の下には地獄へと通じる穴があり、「地獄の窯」が煮えたぎる音が聞こえると言われています。

また、悪人がここに頭を突っ込むと抜けなくなるんだそう。

ま、やらなかったんですけどね。

 

f:id:iechiko:20210911090928j:plain

本堂

f:id:iechiko:20210911090936j:plain

大師堂

 

f:id:iechiko:20210911090939j:plain

桜が今日も綺麗だー

 

f:id:iechiko:20210911090946j:plain

右上のお遍路さん、めっちゃ顔色悪いけど大丈夫?って思ってよく見たら角らしきものがある。

・・・青鬼さん?

 

f:id:iechiko:20210911090949j:plain

次の屋島寺までは13.5キロ!結構あるぜ!3時間以上かかる予定だぜ!

頑張るぜ!!

 

f:id:iechiko:20210911090952j:plain

次の屋島寺は、このマンホールの図柄にゆかりのあるところです。

(って、ちょっとわかりにくいかな。扇に向かって弓、引いてます)

 

f:id:iechiko:20210911091009j:plain

カメラ向けたら、めっちゃカメラ目線してくれたネコ。

逃げる子が多い中、珍しい。

プロかな。(なんの)

 

f:id:iechiko:20210911091012j:plain

この路線の名前高徳線というそう。

高松の「高」と徳島の「徳」ってことか!?そうなのか!?

(特に珍しい景色がないので、無理やり食いついてみた)

 

f:id:iechiko:20210911091016j:plain

川沿いにベンチがあったので、(お遍路用ではなく、地元の方用だと思いますが)休憩タイム。

あー・・・日差し遮るものがない・・・

また、唯一むき出しの手の甲だけ焼けてる気がする。

いや、確実に気のせいではない・・・

 

f:id:iechiko:20210911091023j:plain

1時間40分ほど歩いて、ようやく屋島の文字が見えてきました。

あと半分。ここからしばらく、国道ゾーン突入です。

 

f:id:iechiko:20210911091033j:plain

ついに!88番の大窪寺まで40キロを切りました!!

フルマラソンより短くなりました!!

 

f:id:iechiko:20210911091043j:plain

 

f:id:iechiko:20210911091046j:plain

橋の欄干に描かれたこの絵。

屋島は、源平合戦ゆかりの地。

その中で、一宮寺の前にあったマンホールにも描かれていたこの弓名人。

平家物語に書かれた那須与一です。

古典の授業でやったわー。

『与一、鏑(かぶら)を取つてつがひ、よつ引ぴいてひやうど放つ。』 って一文がすごく印象に残って覚えてます。

ちなみに、頭の祇園精舎の鐘の声…』ってやつも学生時代全部暗記してました。(今はうろ覚え)

歴史と同様、古典も好きで得意科目でした。

 

ちなみに、ウィキペディア師匠に載っている「那須与一」の概要。

那須与一は、源氏のがわの兵で、弓矢の名人。

海上にいる平家の側の舟から、扇(おうぎ)のついた棒の立った舟が出てきたので、疑問に思った義経が「あれは何だ?」と部下に聞いたところ、「この扇を射ってみろ、という事でしょう。おそらく、弓をいろうと出てきた義経さまを、逆に射殺してやろうという策略でしょう。それでも、部下のものに、扇を射させたほうが、よろしいでしょう。」と。そして、与一が選ばれる。

途中、いろいろあったが、最終的に扇に、与一の矢が命中する。

最後のまとめかたー

 

ずっとひたすら歩いてきた国道から、県道へ。

そして、しばらくするとこちらの案内。

 

f:id:iechiko:20210911091053j:plain

わざわざ実測月まで書かれてます。

残り2キロ切った。わーい。あと少し!

んが、ここからの2キロが長かった・・・

 

f:id:iechiko:20210911091056j:plain

屋島寺があるのは屋島山上。

という訳で、ひたすら上り坂が続きます。

山道という訳ではなく、きちんと舗装はされてるんですが3時間歩き続けてきた体にはなかなかにこたえます。

 

屋島寺は、お遍路さんだけでなく普通に観光に訪れる方も多いお寺で、リュック背負ってえっちらおっちら歩く私の横を、身軽な子供たちが元気に駆け抜けていったりしました。・・・若さ、吸い取りたい(魔女か)

 

f:id:iechiko:20210911091100j:plain

途中、弘法大師が仏天を供養し、仏の加護保持を祈祷したといわれる水(加地水)

 

f:id:iechiko:20210911091114j:plain

弘法大師屋島に登った時、美味しそうな梨がなっていたので一つ欲しいと申し出たが、持ち主は「これは食べられない梨です」とウソを言って断ったため、梨は石のように固くなり、本当に食べられなくなってしまいました。

という伝説が残る不喰梨(くわずのなし)」があります。

 

一宮寺を出てから約3時間半

84番 屋島寺

 

f:id:iechiko:20210911091120j:plain

唐から来た高僧・鑑真和上屋島の北嶺に登り、堂を建てたのが始まり。

その後、弘法大師が勅願により南嶺に伽藍を移しました。

その際、大師は夕日が沈むのを扇であおいで止めて、たった一日で工事を終わらせたという伝説が残っています。

もはや弘法大師伝説、何でもあり。

 

f:id:iechiko:20210911091124j:plain

こちらの四天門をくぐると正面に本堂。

 

f:id:iechiko:20210911091134j:plain

本堂

 

f:id:iechiko:20210911091205j:plain

大師堂

 

f:id:iechiko:20210911091137j:plain

時間があれば入りたかった。源平合戦にまつわる遺物が展示されている宝物館。

 

f:id:iechiko:20210911091211j:plain

一願不動尊

そして、何よりこの境内で目立っている存在がこちら。

 

f:id:iechiko:20210911091144j:plain

でかい2匹の夫婦タヌキ像。

こちらは蓑山大明神

日本三大狸のひとつ太三郎狸

弘法大師屋島で道に迷った際、蓑笠を着た老人が山頂に現れ道案内をしてくれました。その老人こそ、太三郎狸が化けた姿。

太三郎狸は、土地の地主の神として本堂横に祀られています。

化け方の高尚さと変化妙技は日本一!だそうな。

 

蓑山大明神は、夫婦円満・縁結び・子宝などのご利益があるとされています。

狸が化けると言えば、森見登美彦さんの小説有頂天家族が思い出されます。

京都の下鴨神社に住む狸が、人に化けた姿で人間社会に紛れて暮らしているっていうお話。キャラクターたちが個性的ですごく好きな小説です。

 

「日本三大〇〇」ってよく聞くけど、三大狸なんて初めて聞いた。

あとの二狸(にたぬき?)は佐渡の団三郎狸」「淡路の芝右衛門狸」だそうです。

 

f:id:iechiko:20210911091155j:plain

・・・君は、普通の信楽焼だよね?

 

f:id:iechiko:20210911091221j:plain

鎌倉時代につくられた平家供養の梵鐘。

重要文化財にも指定されています。

 

この山頂には、水族館もあって、お遍路さんより観光客の方が多いぐらいのお寺でした。

そして、次の85番へ向かおうと入った門から出たんですが、どこから行けばいいのかさっぱり分からん。っていうか、あれ?こっちだと来た道下るしかない?そんな訳ないよな。

え?次どこから行くの?と、一旦出た境内にまた入って、また狸さんの前を通過して、プチ迷子。

 

f:id:iechiko:20210911091228j:plain

答えは、先ほどの梵鐘の写真を撮った時、背後にあったこちらの門から出る でした。

そしてこのあと、ここにきてお遍路史上最強に危険な山下りを経験することとなります。

 

私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。

納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。

地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。