※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
2017年3月24日
6時に起きて、昨日いただいたパンを食べつつ準備。
この日は私以外に男性お二人お遍路さんが泊まっておられたのですが、私は部屋にこもって、他の方とは出しなに少しだけお話ししただけという引きこもり野郎でした。
交流を自ら断って過ごしてはいましたが、引きこもるにもとても居心地よくいいお宿でした。
ただし、廊下を歩く音や話し声なんかはすごく聞こえてしまうので、そこだけは同日にどういう方が泊まるかで、過ごしやすさが変わるかもです。
今日は長い距離を歩くので、7時に出発!!
3日目、目指せ39番 延光寺。
今日も張り切って参りましょー!
雨は上がっていいお天気です。
ただ、今回の日程週間天気予報的に晴れるの今日だけなんですよね。
あれ・・・私、また雨女になってしまったのかしら・・・
(ここ数年、お天気に恵まれるようになりましたが、20代後半から30代前半、どこ行っても雨に降られる超雨女の時代がありました。なんせ、乾期のタイで雨降った。)
しばらく21号線を歩きます。
あしずり遍路道の案内矢印
一つは右へ もう一つは・・・地下?
このまま真っ直ぐ(写真の左側の橋)も遍路道のようで、宿のご主人が出る時に
10キロ歩いたら休憩所があるから、そこでトイレ行って、20キロ歩いたらレストランあるからそこで昼飯食べたらええよ
と教えてくれたのは、多分左側の道。
ですが私のガイドブックでは右の道を行き、国道321号線に出てそこを真っ直ぐ行くようになっています。
迷ったときにガイドブック通りの道の方が分かりよいし、先でまた21号線と合流するようなのでここは手元の本に従って321号線を行くことにしました。
ロッジのご主人、教えてもらった道無視してすいません・・・
(なので、10キロ先の休憩所にも、20キロ先のレストランにも遭遇できなかったです)
「ざまにゆっくり」
・・・方言? ざま?
一時間ほど歩いて、ドライブイン水車に到着。
トイレ休憩。
この水車のすぐ先で、県道346号線へと入ります。
こちら、少し山道となる番外札所の真念庵(この看板の上の方に山道あり)
山は疲労度も上がるし、昨日の雨で道もぬかるんでるだろうし・・・ということで
アスファルト道を選択。
ちなみに、こちらの真念庵は、四国遍路を世に広めた真念という方が結んだ庵なんだそうです。
そういうお遍路として大事な場所であっても、潔くスルーしちゃう。
目指す延光寺は、25.6キロ先です。まだハーフマラソン以上。(基準はいつもマラソン)
頑張るぞー
ここから先、三原村方面へ。
えーっと。
この道の寂しいこと。
山に挟まれたアスファルト道。小さな集落がたまーに。
人は全くいません。
たまに通る白の軽トラ。(このような場所は、ほぼ走ってる地元の車、白軽トラ)
っていうか、この日歩いた道ほぼこんな感じだったんですけどね。
鼻歌とか歌っちゃいますよ。
♪フフフ フフーフ フフフ♪ (♪ 走る 君をー 見てた )←明日春が来たら
どうやら三原村に入ったちっくなのですが、役場まではまだ10キロもあります。
広いな、三原村・・・
スタートして2時間10分。
休憩小屋を発見したので、荷物降ろしてちょっくら一休み。
この辺りは少しおうちがあったのですが、(住民の方が手入れされているのでしょう、小屋の周りもお花が咲いて綺麗でした)
またすぐに山に挟まれたアスファルト道となりました。
道なりまーっすぐ。
県道46号線となりました。(今まで歩いてた県道346号線は右側)
ガイドブックには、唯一の目印としてバス停が複数書かれてるんですが、実際にはバス停が見当たりません。
・・・廃線?
何だかこういうところを歩いていると、日本が抱える問題をひしひしと感じます。
そして、これから日本はどうなるのだろう。
税金や社会保険の負担増。私の甥っ子や、友人の子供たちが成人になる頃、日本はどうなっているのか、なんてことを考えながら人のいない道をひたすら歩きます。
三原村ガイドマップ
果たして・・・私は今どこに・・・
道路の拡張工事してました。
充分広い道ですし、そもそも失礼ですが、広げたところで今後の需要はいかほどで・・・
田んぼオンリー
♪フフフ フフーフフ フフフ フフーフフ♪(♪生きていくーんだ それでいいーんだ)←田園
真念遍路道へ向かう道。
こちらが昔ながらの遍路道で、山道です。
でも、私はそちらへは行きません。
引き続き、このアスファルト道を直進します。
AもBも、最終的に札所に着くのなら、より歩きやすく疲労が少ない道を行く。
ぬるい奴と言われてもいい。
歩きやすさ、それが一番大事。
高価な墓石を立てるより、安くても生きてる方が素晴らしい。
お遍路小屋を発見しましたので、早めの昼食休憩です。
時刻は10時半です。ホンマに早いな。
こういう小屋が、次どのタイミングで現れるか分からないので(出会えない確率の方が高いので)出会った時に休んでおく、食べておく。これ、大事。
しかも今日、むしょうにお腹空くしね。
宮ノ川トンネル突入。
トンネル、最初は何か薄暗くて抵抗あったんですが、さすがに慣れてきました。
むしろ、歌いながら歩けて結構好きかも。
♪走る君をー見てたー♪
(何回歌うねん、それ)
ここから、遍路道の道しるべを1回無視したら(何でしたんか自分でもよく分からん)、道が分からなくなりました・・・(自業自得)
とりあえず、21号線に出ればいいので、グーグルマップを頼りに歩いていたら
21号線に出た!!
とびきり星マークで目立っている「ふれあいの里」
(こんなん初めて見た)
ここの手前に公衆トイレ発見。
ご覧になった通り、お店はもちろん、公園のようなものもなく。
すなわち、今までずーっとトイレ無し道だった訳で。
少し道を逸れましたが、無事見つけられて良かったです。
歩き始めて約5時間。
宿毛市突入!
三原村、広かったな。(ほぼ人に出くわさなかったけど・・・)
中筋川ダム!!!!!
テンションすこぶる上げてみましたが、そこまでダム好きって訳でもないんですけどね。
あ、でも黒部ダムはやっぱり凄いなーと思いましたし、水のある風景は全般好きなので
割とすきな部類です。
明らかにお遍路さんどうぞー的な看板で、休憩小屋が案内されてたんですが
今歩いてる道を左に逸れてこの道上がっていかないといけないのでスルーです。
ダムは上から綺麗に見える場所なんですかね。ダム好きお遍路さんは行く価値あるかもです。
ちなみに先ほどの看板、私が事前に見た他の方のお遍路ブログでは、もっと正規の遍路マークに似てたんですが、ちょっと変わってました。
「遍路道と間違えるやんけ!」って苦情でも来たんでしょうか。
山景色を終えたとき、突如腹痛に見舞われます。
ぬっっっっ。(苦)
うっすら蕾の桜並木しかありません!
あとは田んぼと川。隠れる茂みもありません。(いや、もう最悪ね、最悪の最悪の場合ね)
お遍路史上最大のピンチです。
駅がこの先にあるんですが、まだ1キロある。
耐えろ、頑張れ、私。とにかく駅に行けばトイレがあるはず。急げ!急げ!!
と、2017年最大のピンチと戦うこと約10分。とてもとても長い10分でした。
駅手前にガソリンスタンド発見!
ものすごく平然を装い(実際はほぼ白目)
お手洗いお借りできますかー
遍路道の途中にあるガソスタなので、お遍路さんが来ることもよくあるのでしょう。
とても快く貸してくださいました。あー、良かった・・・
第6回目にして最大のピンチを何とか切り抜けました。
(お食事中、スマホ片手に読んでる方いたら汚い話ですいませんでした。。)
久々に見たお遍路マーク。
残り3キロをようやく切りました。
朝宿を出てから約7時間でようやく到着しました。
39番 延光寺
ついに、高知最後のお寺です!
今までことごとく長い距離をすっ飛ばしてきた私には、徒歩移動距離最長のお寺です。
2日かけてようやく来ました。失礼致します!
こちらのお寺には、竜宮城から赤亀が銅の梵鐘を背負いやってきた、という伝説が残っています。
その梵鐘には延喜11年(911年)と刻まれていて、国の重要文化財になっています。
その伝説にちなんだ亀の像。
これ乗せたまま泳いできたとしたら、相当なバランス力の持ち主です。
そして、鐘を乗せても沈まない泳力。かなり鍛え上げられた亀さんとお見受けします。
本堂
大師堂
弘法大使が杖を突いて湧かしたと言われる「目洗いの井戸」
眼病に効くと言われ、この水で目を洗う方もいるそうですが、ぱっと見た目あんまし綺麗な水には見えませんでした・・・
ほんで、今まであちこちに空海が湧かせた井戸あったな。
どんだけ掘りあてるねん。
ここまで30キロ近くまで歩いていますが、今日泊まるホテルは8キロ先です。
もうひと頑張りー
次はもう愛媛。
40番 観自在寺まで25キロ。これが短く感じてしまう。
元々歩いていた国道56号線へ戻り、このままホテルを目指します。
ほどなくして、歩き遍路のおじさんと合流。
泊まる宿は違いましたが、同じ方面なのでこのまま一緒に約1時間歩いていきました。
普段、人と話さなくても全く平気ですが、まーったく人と接することなく一人で黙々と歩き続けているとこんな私でも多少人と会話したいと思うようになるのです。
おじさんは、。偶然にも同郷奈良の方でした。
以前、一緒に歩いたおじさん(やっぱりおじさん。歩き遍路はほとんどおじさん)も兵庫の方で、息子さんが奈良に住んでるとおっしゃってました。
沢山おじさんいる中で、こうして一緒に歩く方が奈良繋がりの方ばっかりって。
何か、縁というものがあるのかなーと思ってしまいます。
おじさんは(今一緒に歩いてるおじさん。とにもかくにもおじさん祭り)通しでずーっと歩いていて、この日で22日目とのこと。(確か)
徳島に比べて、高知は遍路案内が少ないですよね、とか
そもそもお遍路さん自体減りましたよね、とか
今まで自分たちが泊まった宿の情報とかお遍路話しをしていたら一時間があっという間でした。
ちなみに、
カツオのたたきはもう飽きた
だそうです。
高知名物で、最初は嬉しかったけど毎晩毎晩宿で出てくるとさすがに飽きると。
なるほど。贅沢な悩み。
ずーっと一緒だと話すことがなくなって、それはそれでしんどくなるのでしょうが
これぐらいの時間は気が紛れていいもんです。
ホテル手前で、これからも頑張りましょーねーとお互い激励し合ってお別れ。
秋沢ホテル到着。
部屋が選べない安価プランを予約してみました。
金曜やし、宿毛市やし(あんまどんなとこか知らんけど)、空いてるだろう=広い部屋使わしてくれるかも
と目論んだら・・・
案の定、ツインゲット。
思惑通り過ぎました。
コンビニも斜め前にあるし、大浴場も一番風呂で独り占め!
ご飯もお魚メインで美味しかった。お刺身万歳。
明日はついに愛媛県に入ります。
高知から愛媛に行くにあたり、峠越えがあります・・・
そして、左足の裏にマメできました。右の人差し指の爪、一回剥がれた後の薄い爪がまた割れてきました・・・イテテ・・・
しかも明日は雨予報・・・何だか色々ついてませんが、観自在寺まで歩いたら、バスで宇和島市内まって行ってしまおうと思っています。(時間短縮します。歩きません。何か誰に対してか分からんがすいません。)
だって、100名城の一つ、宇和島城にも行きたいんだもん。
明日中にお城に行きたいけど、行けるかなー。この足とお天気次第です。
この日お世話になった秋沢ホテルはこちら。(楽天トラベルのページに飛びます)
私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。
納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。
地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。