※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
46番 浄瑠璃寺を目指し歩き、三坂峠越え。
30分ほどひたすら下り。
しんどさはそんなにないんですが、足にきます。
ちょうど人一人分の道。
昔から、人々が踏み固めてきた道。
下りの途中で、自転車を止めて立ち往生してる青年に遭遇。
・・・え?この山道、自転車で下って来たの?
ちなみに、私彼に見覚えがありまして。
1時間以上前、国道33号線を歩いているときに、後ろから追い抜いていかれたんですよね。
ちょうど上り坂だったんで、「自転車も上りだと大変そうだなー」と思いながらひそかに見送ってたんです。
どうも山道の途中でパンクをしてしまったそうで・・・・
が、頑張ってね・・・
と飴ちゃん(前回もらったのじゃなくて、自分で持って来てたやつですよ、もちろん)をあげました。
山道終わったー!
と思ってたら、先ほどの自転車青年が後ろからやってきました。
パンクを修理する術がないらしく、このままどこか修理できるところまで押していくそうで、一緒に歩くことになりました。
和歌山出身の子で、最初はバイクで四国を周る予定だったんだけど、たまたま行きつけの美容室の美容師さんに
自転車で行った方がおもろいんちゃう?
と乗せられて、勢いでジャイアントの自転車買って、自転車で四国一周の旅に来たそうな。
で、せっかく四国周るなら、お遍路もしてみようか、みたいな。
自転車初心者なので、パンク修理の方法も分からず、こんなことになりました、と。
うん、若さゆえ(多分、見た感じ20代前半)のノリと勢い。
いいと思うぞ!!何の技術も持たず、長期の自転車旅行って無謀ではありますが、おばちゃん、そういうの好きよ。
20代が70代よりも外出していない、というネットニュースが出てましたが、確かにお遍路してても出会うのは年配の方ばかり。
(まぁ、それはお遍路という文化の問題なんでしょうが・・・私でも「若い、若い」と参拝してる他のお遍路さんに大層持ち上げ?られます。)
今日は道後温泉に宿を取ったので、そこまでは絶対行きたいと。
それには自転車直さなくちゃだね。
でも・・・あるかな、自転車屋さん。
峠道は終わりましたが、辺りには自転車屋さんはおろか民家すらありません。
歩くのが結構ハイペースの彼と一緒に歩いてると、自然とペースも上がります。
しばらく歩いて、公園でゲートボールしてるおじいちゃん、おばあちゃん集団発見!
この辺に自転車屋さんありますかー?
と聞いたら
あんた、それで下りて来たんか???
と総突っ込みあびてました。
そりゃな。
この先、浄瑠璃寺の手前にあるよ、と教えてもらって一安心。
教えてもらったのは、SUZUKIのバイク屋?みたいな田舎にある販売も修理も、なんか二輪関係なんでも扱うよ的なとこでした。
1時間ちょい一緒に歩いて、彼とはここでお別れ。
自転車、無事に治るといいねー。
で、彼と一緒に歩いたおかげで、予定よりも早い時間に到着できました。
今夜のお宿、お遍路宿の長珍屋さんです。
14時過ぎに到着したので、正直もうちょっと先まで行けたかなーとも思いました。
今日何キロ進んで、どこに宿を取るか、自分の体力やコンディションを考えつつ日々ルートを組むんですが、なかなか難しい。
チェックインは15時だったので、大きい荷物置かせてもらってお寺へ。
46番 浄瑠璃寺
門はなく、階段を上った先に境内が。
奈良の大仏建立に先立ち、行基が仏教を広めるためこの地を訪れたとされ、行基自らが彫ったと言われる薬師如来像が本尊になっています。
近鉄奈良駅出たとに、噴水があるんですけどその噴水の上に行基像があるんですよね。
なので、子供のころ 「待ち合わせは行基前」 ってよくやってました。
東京のハチ公前、みたなもんです。
古都感あって、ええでしょ。
本堂
こちらに本尊が祀られてるそうですが、秘仏です。
その御本尊はイブキビャクシンという樹で彫られてるそうですが、本堂前にも樹齢1000年と言われる立派なイブキビャクシンの樹が。
行基が本尊を祀ってから100年後、荒廃してしまった寺を復興させたのが弘法大使。
こちらのイブキビャクシンは、弘法大使が加持したと言われています。
大師堂
このお寺、生えてる植物がなんだか南国ちっく。
ちょっと他とは違う雰囲気でおもしろいお寺でした。
次の47番 八坂寺まではわずか1キロなので、続いて目指します。
振り返れば、最初の徳島は割と一つ一つのお寺が近くて、1日に何カ所もまわれたんですが、その後進むにつれ高知なんかじゃ2日で1カ所なんて日もあるぐらいで。
こんな近いの久々です。
(ちなみに、この先しばらく寺と寺の距離がまた短くなるのでさくさくと沢山まわる日々が続きます)
のどかだなー
ぶらっと歩いて15分で到着です。
47番 八坂寺
にゃーん
遍路旅してると、猫遭遇率が高いです。
何て気持ちよさそうなんだ、きみ。
私も毎日昼間そんな感じで寝たいよ。
修験道の開祖 役行者によって開かれ、701年 文武天皇の勅願により伊予の国司 越智玉興という人が堂塔を建立したという歴史的にも古いお寺です。
八の坂を切り開いて建てられたことからこの名前がついたそう。
本堂
大師堂
ここには、他のお寺にはないちょっと変わったものがありまして。
それがこれ。
本堂と大師堂の間にある 閻魔堂
その両側には「地獄の道」と「極楽の道」が用意されています。
まずは地獄の道へ。
地面ボコボコです。
ぎゃー青鬼に白い布持って追いかけられるー
何の意味ー?
ぎゃー赤鬼と緑鬼滅多刺ししてるー
ぎゃー いっぱいいるー 目、三つあるやついるー
ふー、地獄は恐ろしいとこやで。
気を取り直して
極楽の道。
床、とげとげしいの取れた。
あら美しい天女?様
どうか極楽に行けますように。
私もあんなひらひらつけて飛びたい。
あ、丸になってる。
八坂寺をあとにし、宿へ戻ります。
浄瑠璃寺の前に、先ほどの自転車青年の自転車発見!
直ったんだね、よかったねー
ちょうどチェックインの時間になってたので、お部屋へ。
広いお部屋。
風呂・トイレ・洗面は共同です。
お風呂は温泉ではないですが、嬉しい大浴場。
しかも、一番風呂で独り占め。
私、結構宿に毎回早く着くので、大浴場独り占めなことが多いです。
洗濯用の洗剤買おうと思ったら、無料でいただけました。ありがたし。
昨日同様、うどんが暖かい料理として火がつけられてぐつぐつ。
遍路宿でこのメニュー定番なのかしら。
お食事処は広いんですが、客が少ないのできゅっと固められてました。
私以外に、年配のご夫婦と男性おひとり。
遍路宿なので、皆さんお遍路さんなんですが、話しがどうも盛り上がらず無言のまま食事をすることに。
・・・気まずい。
人がいるのに無言なら、いっそ一人飯をしたい。
そんな感じで2日目、終了。
本日の総歩行距離 37.8キロでした。結構歩いたな。
本日お世話になったお宿はこちら。
民宿・旅館 長珍屋 - 四国松山浄瑠璃寺門前の遍路宿
私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。
納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。
地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。