岡山と言えば、日本人なら誰しも知っている昔話「桃太郎」ゆかりの地。

JR岡山駅前には、キジ・サル・イヌを引き連れた桃太郎像があります。
今回は、この桃太郎伝説ゆかりの地であり、日本遺産「桃太郎伝説の生まれたまち おかやま〜古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語〜」の構成資産でもある「吉備津神社」をご紹介します。
吉備津神社へのアクセス
JR吉備線「吉備津」駅下車徒歩10分
吉備線は通称「桃太郎線」とも呼ばれています。
車内案内のメロディーも「もーもたろさん ももたろさん」です。(メロディーだけで歌詞はないですが、毎回脳内で歌っちゃいます。)
岡山駅から吉備津駅までの乗車時間は20分弱と短いですが、列車の本数は1時間に1~2本と少ないです。

駅名標も桃色。
桃太郎ゲキ推しです。
吉備津神社と桃太郎伝説
先に述べたように、こちらの神社には昔話「桃太郎」の元になったと言われる伝説が残っています。
むかしむかし、この地方に百済の王子「温羅(うら)」一族がやってきて、蛮行を重ねていました。
そこで、温羅を制定するべく、吉備津彦命(キビツヒコノミコト)が朝廷から派遣されました。
キビツヒコは温羅と激戦を繰り広げ、最終的にその首をはねることで退治ができました。めでたし、めでたし。
・・・と思いきや、はねられた首は何年も吠え続け、人々を悩ませました。
そんなある夜、キビツヒコの夢に温羅が現れてこう言いました。
「私の妻、阿曽媛に御竈殿の火を炊かせよ。釜は幸福が訪れるなら豊かに鳴りひびき、わざわいが訪れるなら、荒々しく鳴るだろう。」
(今でも境内にある御竈殿では、釜の振動で吉凶を占う「鳴釜神事」が行われています。)
キビツヒコは吉備の中山のふもとに茅葺宮(かやぶきのみや)を建て、281歳の長寿を全うしました。
現在その場所には、キビツヒコを祀る吉備津神社が建てられ、産業の守護神、また長寿の守護神として人々の信仰を集めています。めでたし、めでたし。
こちらが桃太郎のルーツとも言われる吉備津神社に残るお話。
はねた首が吠えたとか、281歳まで生きたとか、フィクション要素付きのお話ではあります。
ですが、実際「古事記」「日本書紀」の中に、第10代・崇神天皇の時代に朝廷の意にそぐわない者を討伐するべく、朝廷から四人の将軍が各地に派遣されたという記述があるようです。
その時、西道(のちの山陽道)に派遣されたのが、第七代孝霊天皇の皇子である吉備津彦命。
当時、吉備国で鬼と呼ばれ恐れられていた「温羅」一族を退治したと言われています。
人々が恐れた鬼は、魔物の類ではなく正体は人間だったということです。
いつの時代も、一番怖いのは人間。そして、文化の異なる外国人との共存が課題である。
それが古くから伝わる昔話「桃太郎」の本当の教えだったのかもしれません。(全然子供向けじゃない。)
境内案内

駅から5分ほどで鳥居。
ここが参道の入口です。

参道を抜けると「官幣中社吉備津神社」の文字。

この文字を書したのは、第29代総理大臣を務めた犬養毅氏。
神社のある岡山市北区の生まれなんだそう。
北随神門

北の参道に位置する室町時代に再建された門。

随神門から、階段を上がった先に本殿・拝殿があります。
本殿・拝殿

季節柄だと思いますが、拝殿前に茅の輪くぐりが置いてありました。
無病息災を願い、くるくる回っておきました。

現在の社殿は、室町時代の1425年に再建されたもの。

国宝に指定されている社殿は「比翼入母屋造」という、ここにしか見られない様式で建造されており、別名「吉備津造」とも言われています。

太陽が神々しく降り注いでいました。
回廊
吉備津神社の一番の見どころと言えば、南随門から続く全長360mもの回廊です。

回廊の途中にある南随神門は1357年の建造で、境内で一番古い建物。
ただ、色の塗り直しが行われているので新しく見えました。

元々は、今よりも更に長く続いていたみたいです。

1579年に再建されており、自然の地形をそのままに一直線に建てられています。

なので、回廊内でアップダウンもあります。


吉備津神社を紹介する写真でよく見るのが、回廊の脇から屋根がずっと続く様を撮影したもの。
同じ画角で写真を撮りたかったのですが、その角度を見つけることができませんでした。
回廊の途中、左右にはいくつかお宮や社殿が建てられています。
えびす宮

えびす様と言えば、大阪の今宮戎神社で行われる十日戎が有名。
その中の掛け声「しょーばい はんじょー ささもって ほ~い!」
やと思ってたら
「しょーばい はんじょーで ささもって こ~い!」が正解でした。
「ほ~い!」って単に勢い出すための、ノリ的な掛け声やとずっと思ってたわ。
岩山宮

こちらも回廊の途中に位置するお宮。
鳥居をくぐって、階段を上がっていきます。両脇にはアジサイ園。

7月上旬、まだギリギリ咲いている花がありました。だいぶ干からび気味でしたが。
暑い中、よく頑張ってるね。

岩山宮は吉備の中山の山腹に位置し、吉備国の地主神が祀られています。

岩山宮から少しくだった場所から、回廊の屋根が見えました。
ん~、見たかった画角はこれじゃないけど、まぁいいか。
御竈殿
途中、回廊が右手に枝分かれしている場所があり、そこを行くと突き当りに御竈殿があります。
桃太郎伝説のところでご紹介した「鳴釜神事」が行われれている建物。


釜の下には、キビツヒコに退治された鬼の首が埋められているという伝説も残っているそうです。
でも、伝説によれば鬼=百済来た王子(温羅一族)ってことだから、それってすなわち人の生首・・・
まぁ、あくまでも諸々伝説なんでね。
本宮社

回廊を突き当りまで行ったところに本宮社があります。
(内宮社と新宮社を合祀)
御祭神は吉備津彦命の父母神で、安産・育児の神様として信仰されているそうです。
一童社
本殿・拝殿の奥に位置する場所にある一童社。

学問・芸能の神様が祀られており、江戸時代には国学者からの信仰も篤かったそう。

絵馬掛けには、進学塾みたいな標語が並んでいました。

おみくじで作られた「合格」の文字。お見事です。
ここにおみくじをくくったみんな、合格できるといいですね。
御朱印

季節限定のものも含め、御朱印は複数種類ありました。
ただ、やはり直接記帳してもらえるのがいいな、と思い「正宮」御朱印を頂きました。
(この時は御朱印帳を持参していたので。持ってないときだと、デザイン重視で書置きタイプを選びがち。)
最後にもう一度拝殿にご挨拶をしようと社殿に向かうと、地元の参拝客の方なのか、お寺の方なのか、おじさんに話しかけられ、大阪から来たというと「遠いとこからわざわざご苦労さんです。」とねぎらってもらえました。
私的に、岡山めっちゃ近いんですけどね。
むしろ、近いのに全然最近足を運んでいなくてすいませんって感じです。
吉備津神社から2キロの場所に、吉備津彦神社というもう1社吉備津彦命を祀った神社があるのですが、暑くて30分も歩く気になれなかったので、この日はそのまま吉備津駅に戻って、岡山経由で帰宅。
暑さにはそれなりに強いですが、やはり真夏に屋外を移動し続ける神社仏閣巡りは体力消耗します。

ということで、帰り際、神社の入口付近にあった売店でソフトクリーム購入。
岡山なので桃味です。
めっちゃ鬼に狙われています。
鬼に食べられる前に、暑さで溶けてなくなりそうだったので慌ててバクバク食べました。
かといって、真夏以外は寒くて外でアイスなんか食べれないし。
ソフトクリームのベストシーズンって、いつなんだろう。
利用案内
- 拝観料:無料
- 拝観時間:5:00~18:00(私が参拝した際、御朱印受付は16時まででした。)