何故か3年に一度のタイミングで、突然
そうだ!高野山に行こう!
という気持ちになります。
弘法大師さんに呼ばれているのかもしれません。
そろそろ挨拶しに来いよ、と。
3年前は高野参詣道の「高野山町石道」を歩いたので、今回は「京大阪道」を歩いて高野山まで行くことにしました。
高野七口の一つ「京大坂道」
高野山に参詣するための道・高野参詣道。
主要な7つの道は「高野七口」と呼ばれており、今回歩いた京大坂道はその内の一つ。
京都・大阪・堺からの高野街道が学文路(かむろ)で合流した後、極楽橋を通って、いろは坂(旧不動坂)から不動坂女人堂へ至る道です。
高野七口の中では最も歩きやすく、町石道よりも早く上れる道として、近世には主要道として使用されたルートです。
2016年、世界遺産【紀伊山地の霊場と参詣道】の「高野参詣道」の構成資産として「京大坂不動坂」が追加登録されました。
京大坂道は、現在大半が舗装されているため、世界遺産に登録されているのは旧態を留めている一部分だけとなっています。
(和歌山県世界遺産HPより)
上記の地図の、紫っぽい色が世界遺産登録部分。
町石道は全体が世界遺産ですが、京大坂道は極楽橋からのわずかな区間のみです。
舗装道を歩くので、山よりは楽かと思いましたが、その分車が結構通るので注意が必要でした。
また、最も歩きやすい道とはいえ急坂はあるし、後半は未舗装の山道もあるので、トレッキング系シューズ&スタイルで臨んだ方がいいと思います。
南海「学文路」駅~西光寺~日輪寺
現代の京大坂道のスタート地点は、南海学文路駅。
ここから不動坂女人堂までは9.5キロの道のりです。
GW期間中の5/5ということで、高野山方面に向かう電車はそこそこに混んでいましたが、学文路駅で降りたのは数人でした。
ただ駅を出たタイミングで、中華系と思しき女の子複数人がやってきました。
周辺に観光地らしき場所はないのですが、この子達、一体どこから来たんだろう・・・?(住んでるのか?)
前半の道は舗装道。
京大坂道では、いわゆる「古道」を感じられる区間は少ないので、そういう道を歩きたい方は町石道がおすすめです。(距離は京大坂道の倍以上あるけど。)
マップをダウンロードしてきてはいますが、要所要所にこのような案内表示もあるので安心です。
方向音痴を究めた私にとって、歩く旅をするときは、ある程度メジャーな道であることが重要です。
案内表示がないと、路頭に迷います。危険です。(事前調査は一応してきていますけどね。それでも迷うのが迷子の天才。)
今回はYAMAPアプリで高野山周辺のダウンロードをし、京大坂道の登山ルートを作成した上で、和歌山県公式サイトから京大坂道のマップも印刷して別途持参してきています。
駅から10分ほどで西光寺苅萱堂(かるかやどう)に到着。
こちらのお寺には、何と人魚のミイラが保存されています。
見学するためには、西光寺に事前に申し込みが必要、という書き込みを見かけたので今回はお堂の参拝だけして、先へ進みました。
人魚のミイラ、検索すると画像出て来るので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
可愛いお地蔵さんに導かれ、右へ。
京大坂道には、江戸時代に参詣者の安全を祈願して作られた六地蔵が、道中に祀られています。
何か所か見逃してしまいましたが、気づいたお地蔵さんにはご挨拶しておきました。
突如、電柱に貼られたシールを見つけ、大興奮。
こ、これは!お遍路シールじゃないですかー!!
私は以前、四国八十八か所を(ほぼ)徒歩で回った経験があり、その時この道標となるお遍路シールに毎日毎日助けられていました。
お遍路経験がなければ、気にも留めないシールだと思いますが、私にとっては懐かしさの塊です。
(この後、シールを見かけなかったので、何故ここにだけ貼ってあったのかは謎。もしや、私を喜ばせるためですか?)
みかん畑と思われる場所に度々遭遇します。さすが和歌山。
そしてすこぶるお天気がいい。むしろ暑い。
高野山は標高が高いから、冷え対策をしてきましたが、予想以上に気温が上がりそうです。
分かれ道は、標識が正しい道を教えてくれます。
次の目的地となる日輪寺まで1キロ弱。
GW、観光地はどこも混むから嫌だなーと言うのなら、混まない場所に行けばいい。
かれこれ30分、地元の方数名としかすれ違っておりません。
道中、沢山咲いていたお花。
Google先生で調べたところ「シャガ」というアヤメ科のお花だそうです。しばらく緩やかな上り道が続いていたのですが、突如めっちゃ急な下り坂になりました。膝に来ます。
ここで、同じ道を行く女性の方に出会いました。第一歩き人発見です。
「思ったより暑いですねー」なんてお喋りしながら、共に日輪寺・河根丹生神社へ。
学文路駅からここまで、約50分。マップの標準ペース通りに進んでいます。
日輪寺
お隣には、丹生都比売大神、高野御子大神、他4神を祀る河根丹生神社。
ここで、お寺の方がもう一人の女性の方に「あの山超えて行くんだよー急な坂だよー」的なことを言っていたのですが、私は参拝していて会話に加わっていなかったので「あの山」が写真に写っている山のどの事を指しているのかは不明。
とりあえず、この先は急坂があるということだけは分かりました。
ここで女性の方とはお別れして、またまたソロウォーク開始。
日輪寺~日本最後の高野の仇討ち~むすび地蔵
日輪寺から5分ほどで千石橋。この橋を渡ってすぐに急坂が現れます。
坂の入口。
写真じゃ全く伝わらない。伝わらないのがもどかしい。
ムニエルぐらいムニュムニュしていたヒラメ筋が、一気にパッツパツになります。
頑張れ、私のヒラメ筋。負けるな、私の大殿筋。
急坂は10分ほど続きました。
車道は車道で、車に気をつけないといけないので気が抜けません。
藤の花。名所の見事な花もいいけれど、こんな風に山に自然に咲いているのも良きです。
六地蔵の一つ、第六の地蔵。
この先の案内マップ。
このルート、集落や車道をメインで歩いてきたので、途中休憩するような場所が全然ありませんでした。
学文路駅から約1時間40分、先ほどのマップがある場所に、初めて休憩用ベンチ発見。
が、まだ休憩取るほど疲れていないので、先へ進みます。ベンチからすぐの場所に「日本最後の『高野の仇討ち』」の場所があります。
そこから先には、仇討ちの墓所。
こんな山奥ですが、草木に覆われることもなく、きちんと周辺は手入れされているので、定期的に地元の方などが来られているんでしょうね。
ルートの右側に、むすび地蔵さんが祀られている場所があったので、立ち寄ってみました。手前にあった説明書きによると「すべての福徳の縁を頂き幸福の日々が約束される現世利益の諸縁結びの仏さまです」とのこと。
高野山まであと7キロもあるのかーまだまだやな
と思いましたが、それだと総距離が9キロ弱しかない京大坂道の道のり、今までで2キロぐらいしか歩いていない計算になります。
実際は、ここまで2時間かけて6.3キロ歩き、京大坂道のゴールとして設定された女人堂まではあと3.2キロ。
この高野山はどこまでの距離を指しているんでしょうか。奥の院かな?
既に残すところ3分の1。距離としては短いですが、この後京大坂道の一番の難所である旧不動坂が待ち受けています。
古道歩きの醍醐味とも言える、山中の急登。
ワー、タノシミダナー
(棒読み)
後半に続く。
今回の旅の参考HP
過去に歩いた高野山参詣道「高野山町石道」の記事はこちら。
【紀伊山地の霊場と参詣道】を始めとする、世界遺産の訪問済みリストはこちらにまとめています。