次の旅の合間に、過去旅の回顧録。
私は、国内旅行でも事あるごとに水族館に行くほど海の生物が好きです。(陸の生物も好きですが。)
中でも海獣が好きで、過去には小笠原諸島でイルカと泳いだり、壱岐でイルカなでなでしたり、沖縄でホエールウォッチングをしたり。
日本、海外問わず、出会える野生の海獣には全て出会いたいと思っているのですが、その内の一つとして、過去にアメリカでマナティースイムを経験しました。
マナティーは、日本では水族館でしか出会えない存在。(しかも飼育されている場所も4か所と少ない。)
7年前のことになりますが、アメリカのフロリダ州を旅行した際に経験した、マナティースイムの様子を今回はご紹介します。
オプショナルツアーでマナティースイムに参加
当時マナティースイムは、HISのオプショナルツアーを申し込みました。
(ただ、今検索したらHISでのオプショナルツアーは見当たらなかったです・・・)
マナティースイムができるのは、メキシコ湾に面したクリスタルリバーという場所。
元々マナティーはメキシコ湾に生息しているのですが、冬になると水温が下がるため、年間を通して暖かい水が湧き出しているクリスタルリバーにやってきます。
なので、マナティースイムツアーが行われるのも11~3月の冬の間だけ。
マナティー、脂肪いっぱいありそうなのに意外と寒がり。
てか、ずっとクリスタルリバーにいたらいいのにね。
この旅では、フロリダの2大テーマパーク「ディズニーワールド」と「ユニバーサルスタジオ」にも行っており、宿泊していたのはディズーワールドの系列ホテル。
ホテルから、クリスタルリバーまでは高速で2時間ほどでした。
スイムツアーは朝早くにスタートするため、ホテルのピックアップが4時半。
3時半起きで現地に向かいました。ねっむいこと、ねむいこと。
日本人の女性の方がお迎えに来てくださり、暗い中車は高速を走ります。爆睡している間に、スイムツアーを開催しているダイビングショップに到着。
中に入って早速ウェットスーツを着ます。(水着はホテルから着用)
ショップには、マナティグッズも色々売っていました。
このぶさかわ加減がたまりません。
マナティースイムを行うにあたりの注意事項のDVDを事前に見ます。
ちゃんと、日本語バージョンがありました。
色々禁止事項があるのですが、主に
・自分から近づいていかないこと
・無理やり触らないこと
・二頭以上いた場合、間を割って泳がないこと
・泳ぐ時は、バタ足禁止。(手だけで水かいて泳ぐ)
ということでした。
私たち以外にもツアー客はいましたが、日本人は私ら(この旅は、友人との二人旅)以外にお二人だけ。ちなみに、ボートは別でした。
10名ずつ分かれてボートに乗り込みます。
出発時は薄暗く、こちらは戻って来てから撮った写真。
送迎してくださったツアーの方は、ショップでお留守番。
なので、ここからは頑張ってダイビングショップのお姉さん&ボートの船長さんの英語をリスニングです。
・・・まぁ、DVDで見た注意事項をもう一度繰り返しておられる感じですね。
(それ以外、ほぼ聞き取れなかった)
ボートに乗って、マナティーポイントへ
クリスタルリバーは湾になっているので、波はありません。
酔い止め一応飲んだけど、飲む必要はなかったです。
(当時は、今と違って船が苦手な乗り物でした。)
あと、潮臭さとかもありませんでした。
泳いだあと、海だと体や髪が潮っぽくなって、髪もギシギシするじゃないですか。
それが全然なかった。なんでだろ。
マナティーを探して、ボートはゆっくり進みます。
私たちも、水面を凝視。
鳥はいっぱい発見。
いくつか出没スポットがあるようで、どこを回るかは船長さん次第のようでした。
船長さん同志で電話をやり取りして「そっちいたかい?」みたいな会話も何度かしていました。(この日は3隻のツアーボートが出航していました。)
おーい、マナティーどこにいるのー?
日本から君に会いにここまで来たよー
あっちこっちにいるのを勝手に想像していたんですが、そうでもなかったです。
なかなか見つからない・・・
え?これ、見れないパターンも得るやつ???
と不安になっていたら・・・・
いた!!!
水中に、うっすら見えるシルエット分かりますでしょうか?
ただ、ここはダイブスポットではなかったようで、スルー。
あれー、マナティー・・・
途中、マナティー保護区としてロープが張られている場所を通ったら、他のツアー客の方が水中に入って見ています。
どうやら、そこにはいてるよう。
ただ、人が多いからなのか、一旦我らの船長はここもスルー。
1時間近く数カ所回ったのですが、結局他のポイントでは見つからず。
なので先ほどの保護区域に戻り、そこが我らのファーストダイブポイントとなりました。
水中でマナティーと大接近
シュノーケリングを付けて、ポイント内にダイブします。
ダイブといってもボンベを背負う訳ではなく、シュノーケルオンリーです。
そして、お腹には細長いビート板みたいなのを置いて泳ぎます。
注意事項にあったようにバタ足禁止なので、手だけで進む必要があります。
泳ぎが苦手な友人は、結構苦労していました。
ただ、事前にツアースタッフの方が「彼女、泳ぐの苦手だからフォローお願いね」と伝えてくれていたので、ダイバーのお姉さんが引っ張ってくれたりと、ちょこちょこアシストはしてもらえていました。
(逆に「泳ぐの得意です!」と豪語した私は完全放置で、自分と同じボートのグループを見失わないよう、注意が必要でした。シュノーケル付けた外国人、みんな同じに見えるねんもん・・・)
ポイントまで泳いでいくと・・・・
いました、いました!
マナティーです。野生のマナティー。生マナティー。
マナティーは、ジュゴンと同じカイギュウ目に属している草食動物。
とってもおとなしくて、穏やかな性格。
水中でも、基本じーっとしています。
たまにプカーっと浮いていって、呼吸します。(私たちと同じ、肺呼吸の哺乳類ですからね。)
ほぼ静止画。
見守る我々も、ずっと静止状態。
ほぼ波がないように見えましたが、中に入ると緩やかな流れがあり、流されないように保護区域を区切るロープを必死で掴みます。
強度が無いので、すぐ流されます。
ゆっくり泳いで、定位置に戻ります。
またふんわり流されます。
バタ足ができないので、静かに必死に体を固定しなければなりません。
結構、これが大変。意図せず、他の方にくっついてしまったりしました。
数メートル先にみんなが進むのでついていくと、
マナティーの親子発見!
そして、その後態勢を整えようとあたふたしていたところ、友人が私の名を呼ぶので水中をのぞいてみたら、
マ、マナティーがキターーーーーーーーーー!!
先ほどの親子マナティーの子供の方が、私たちの方に近づいてきました。
きゃー!ぶさかわいぃぃぃ!!(最大級に褒めてます)
子供ですが、近くで見ると結構な大きさ。
そして、体中にコケ?がついていて、お洋服着てるみたい。
私の横にいた男性の方が手を伸ばしてみても、動じることなく、すいーっと。
無言で大興奮の我々とは裏腹に、どこまでもマイペースの子マナティー。
スィーッと近づいて、スィーっとまた元いたお母さんの所へと帰って行きました。
(後から聞いたところによると、子供がお母さんから離れて一人で行動するのは珍しい事なのだそう。)
相手は野生の生き物。
時には触れるぐらい接近できたり、中には髪の毛を藻と間違われてむしゃむしゃされた、という方もいたそうですが、私たちにとってはこれが最大限マナティーと近づいた体験となりました。
この後、スリーシスターズと呼ばれる囲まれた湾になってる所へ泳いでいきました。
(元々いた場所もその一部なのかな。ちょっと不明です・・・・)
水の透明度はかなり高く、お魚さんも見れました。
楽しいマナティースイムではありましたが、後半は体が完全に冷え切ってしまい、正直つらかった・・・
そして、トイレにものすごく行きたくなってきた・・・・
最後は、水中カメラを持つ手が寒さで震えて、もう何を撮ってもブレブレ。
40分ほどのダイブで、私の体は芯から冷え切りました。
そして、それは多くの方も同じだったようで、ボートに上がったほとんどの方がガタガタ震えが止まらない状態。
あ、なんだ、みんな我慢してたのね。
ただ、ぼってりした男性(恐らくアメリカ人の方)は結構平気そうでした。
脂肪、それは寒さから己を守る最大の防備。(でも、欲しくない)
それでも、船長とガイドさんはアクティブにマナティーを再び探します。
この後もう1本別の場所へ移動してダイブしたんですが、私はあまりの寒さに遠慮しました。
ここまで、来たから!という気持ちもなくは無かったのですが、それよりも寒さに耐えられなかった・・・
ツアーはトータルで2時間40分ほどでした。
私たち以外のボートはもっと早くに戻っていたみたいで、ショップに戻ったら他の方はもういませんでした。
船長さん、いっぱいあちこち探してくれてありがとね!
(後半、トイレ行きたくて正直早く帰りたかったけどね。船にトイレついてなかったので、冷えてお腹とか痛くなってたら終わってたな、と今考えるとちょっと怖い・・・・)
本当は、混みあうからトイレで着替えるのは禁止と言われていたんですが、(着替えたければ、船上に用意されたカーテンで)人もいないのでいいよ、と言ってもらえ、着替えることができました。
あー、洋服って暖かい。
ショップで購入したマナティーお土産
着替えた後、ショップでお土産を購入。
スノードームとMNATEA。
このMANATEA,お腹で半分に割れるようになってまして(ちょっとこの状態は、気持ちが悪い)
下の方に紅茶などの茶葉を入れて、マグカップに付ければ、茶こしになるのです!
マグカップにしがみついてる姿が可愛すぎです。
ただ、7年経った今、このMANATEAは一切使用されていません。
ま、お土産ってそういうもんよね。
おまけ
似て非なる、マナティーとジュゴンを見分ける一番簡単な方法。
それが尾びれ。
マナティーの尾びれは、おしゃもじのように丸いのが特徴。
一方ジュゴンは、三角のいわゆる魚型の尾びれ。
なので、もしどこぞの海の中で、このような丸ぼったい海獣に出会って
「マナティー?ジュゴン?」ってなった時には、尾びれを確認してみてください。
(それより、そんな状況に陥ってることに危機感をまず覚えてください)