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「マイントピア別子」端出場エリア 鉱山鉄道に乗って、坑道観光|2024年四国バースデイきっぷの旅⑤

四国バースデイきっぷで四国周遊の旅、3日目。

周遊最終日の立ち寄り観光。

愛媛県新居浜市にある「マイントピア別子」で、産業遺産の別子銅山を見学。

「東平エリア」のガイドツアー参加後は、端出場(はでば)エリアを見学します。

iechiko.hatenablog.com

別子銅山末期の中心部「端出場エリア」

端出場は、昭和5年から昭和48年(1973年)の閉山まで採掘本部が置かれた場所。

別子銅山閉山前の1960年、最後の望みをかけて大斜坑の開削が始まりました。

19億5000万もの費用をかけて、全長約4.5キロの大斜坑が1969年に完成するも、気温50度の中の作業は、安全面の確保が難しく、また海外から安価な鉱石が輸入されるようになったこともあり、それからわずか4年で別子銅山は閉山となったのでした。

283年もの間、採鉱が行われ続けた別子銅山の最後の中心部となっていた端出場。

現在はお土産屋さんや温泉施設が入る「マイントピア別子」本館を始め、鉱山鉄道や、観光坑道などがあり、東平エリアに比べて、よりテーマパーク感が強いエリアになっています。

鉱山鉄道に乗って、観光坑道へ

観光坑道までは、鉱山鉄道で移動します。

鉄道と坑道入場のチケットは、本館入口で購入。(大人1300円)

乗り場は、本館2階にある「開運駅」

列車は行き、帰り共に20分に1本運行されています。

両端には、蒸気機関車と

電気機関車。

その間に、カゴ車と客車が連結された列車でした。

列車旅の寄り道観光で、またまたレアな列車に乗れました。

開運駅を出た後、ものすごーいゆっくりのスピードで列車は走行。

途中、端出場鉄橋を渡ります。

端出場鉄橋は、明治26年に架けられたドイツ製の鉄橋。

そして、あっという間に「幸運駅」に到着。

産業遺産見学とは思えない程、小さなお子さん連れのファミリー層も多く、当初は驚いたんですが、ここで時間を過ごすうちにその理由が分かってきました。

ガイドマップも、鉱山というより遊園地みたいな雰囲気。

坑道の入口に向かう橋からの眺めが、なかなかに素敵でした。

いざ、坑道内へ!

・・・フォントがホラーなんよ。

坑道内では、採鉱の様子が再現されていました。

まずは最初に江戸ゾーン。

1690年に、阿波生まれの鉱夫「切上り長兵衛」が露頭を見つけたことが、別子銅山の歴史の始まりとされています。

長兵衛さん、苗字記録に残ってなかったんかな・・・

最初に開かれた坑道は、1691年に開かれた「歓喜坑」

人々が坑口に立って、歓喜した事からついた名前だそう。

実際の歓喜坑は、東平エリアの更に奥の旧別子エリアにあり、平成13年に開坑当時の姿に復元されています。

電気の無い時代、サザエの貝殻で作った明り取りを手に、坑道内に入っていたそう。

一応の明かりはあるとはいえ、相当暗かったはず。

鉱石を掘ると、水が溜まり採鉱作業が難しくなるため、昼夜水を汲みだす作業が行われていました。

東平ツアーのガイドさんが、この作業が相当大変だったと説明してくれていました。

先に色々話を聞いていたので「あー、さっき説明されていたのは、これの事か」と、ここで復習できてる感じ。

坑口のすぐ傍に、お風呂が作られており、1日の汗をここで流したんだそう。

1日、お仕事ご苦労様でした。

運び出された鉱石は「砕女(かなめ)」と呼ばれる女性たちによって、砕かれ、色の濃淡によって選別する作業が行われていました。

銅の精錬作業風景。

当時、銅山税として生産量の13%が幕府に納められていたそう。

あんな過酷な労働して、13%も取られていたなんて・・・

続く近代ゾーンでは、明治から大正にかけての銅山の様子が、巨大なジオラマで再現されていました。

鉱山鉄道も走ってる。

働く男の背中。

働く男の背中 その2。

その先の体験ゾーンでは、子供たちが楽しめる遊具などがありました。

大人なので、遊学ゾーンはさらっと通過して出口から退出。

再び、鉱山鉄道に乗って開運駅に戻ります。

電気機関車のボディには、ちゃんと住友グループのマークが入っていました。

端出場エリアに残る遺産を見学

ここからは、採鉱本部時代から残る遺産の数々を見てまわることに。

泉寿亭

昭和12年、住友各企業の迎賓館として建てられた建物。

第四通洞

黄色の橋の先にあるのが、大正4年に完成した第四通洞。

長さ約4600メートル。13年と予定されていた工期を、わずか5年8か月で終わらせたそうです。

旧端出場水力発電所

明治45年から昭和45年まで活躍した水力発電所。

山の向こうにある銅山川から、東平の第三通洞を経由して、水を引いていたそうです。

当時、日本最大である597メートルの落差を利用し、国内最大級3000kwの発電が行われていました。

と、数字を並べていますが、発電に関する知識が何もないので、果たして3000kwがどれほど凄いのか全然ピンとは来ていません。

でも、国内最大級だったんだから相当凄かったんでしょう。(語彙力よ)

こちらの建物は、2023年3月に内部が見学できるようになりました。

館内には、発電機や周波数変換器など、当時使用されていた機器が展示されています。

日本の近代化を支えてくれて、ありがとうございます。

外部デッキからは、排水路にも入ることができました。

排水路の中には、ペルトン水車という高速回転の水車が現存しています。

1分間に600回転し、電気を生み出していた水車だそうです。

てか、中に入って見上げたらこれがあったんで、多分これがペルトン水車だと思う。すいません、予備知識が無さすぎて。

一通り見学し終えた後は、バスの時間まで、お土産ショップをぶらついたりして時間つぶし。

帰りはマイントピア別子発17:05のバスに乗って、再び新居浜駅に戻ってきました。

約4時間の滞在、当初は時間を持て余すかもしれないなーと思っていたのですが、思いのほか見学する場所も多く、しっかり満喫できました。

マイントピア別子では、鉱山観光の他に砂金採り体験や温泉もあるので(それぞれ有料ではありますが)産業遺産を見学する以外にも色々と楽しめる施設だと思います。

利用案内

各施設、体験ごとに営業時間・料金が異なる為、詳細は公式HPにてご確認ください。

営業時間 – マイントピア別子公式HP

料金 – マイントピア別子公式HP

四国周遊列車旅の終着駅は、高松駅

じっくり銅山観光していて忘れていましたが、私は四国周遊列車旅をしていたんでした。

新居浜駅に戻り、ここから最終地点の香川県は高松駅を目指します。

新居浜駅17:37発「特急しおかぜ26号」

これで、宇多津駅まで乗車。

そのあと、本来は普通列車に乗り変えて高松駅を目指す予定だったのですが、GW期間中だったからか、宇多津駅に臨時の特急列車が停車していました。

ということで、宇多津駅18:36発の「特急いしづち26号」に乗車。

バースデイきっぷあるんで、特急列車の自由席なら、文字通り自由に乗車できるんでね。何て便利な切符でしょう。

自由席でもガラガラで、高松駅までわずか18分間ではありましたが、非常に快適に過ごす事ができました。

はい、そして2日前には改札出ずに、乗り換えで利用しただけの高松駅に到着。

闇夜の中、笑う高松駅。その隣には、今年の3月にオープンしたばかりの商業施設ORNE。

四国バースデイきっぷを使っての列車旅は、ここで終了です。

一番乗車したかった観光列車「伊予灘ものがたり」には乗れなかったものの、途中寄り道観光も楽しみながら、複数の列車を乗り継いで、1年ぶりの四国を満喫できました。

きっぷの期限は3日間なので、列車旅は終了ですが、せっかくなので高松で1泊して、翌日ちょろっと観光したあと、最後は船で関西に戻ります。

おまけ

今回3日間でたどったルート。

1日目 赤ルート(徳島駅→高知駅)

2日目 青ルート(高知駅→宇和島駅)

3日目 黄ルート(宇和島駅→高松駅)

徳島エリアに未踏の路線はありますが、四国ぐるっと周遊できました。