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【世界遺産】日光東照宮①

世界遺産名:日光の社寺

東照宮二荒山神社輪王寺に属する103棟の建造物群とその周辺の自然が登録されています。(登録年:1999年)

日光東照宮へのアクセス

JR/東武日光駅から東武バス中禅寺湖行きで約6分「西参道入口」下車徒歩約10分

または世界遺産めぐりバスで「表参道」下車徒歩約2分

私は輪王寺大猷院を出たあと、両脇を杉が立ち並ぶ神道を10分ほど歩いて東照宮へ。

東照宮から二荒山神社や大猷院に行くのが定番ルートなので、その逆を行く人はほぼ皆無。

石鳥居に到着。

日光東照宮とは

日光山は、勝道上人によって766年に開かれたのち、霊場として栄えましたが、戦国時代には豊臣秀吉と敵対したことにより一時的に衰退しました。

しかし江戸時代に入り、僧・天海の働きかけにより、徳川家康が日光を厚く信仰するようになったと言われています。

1616年に家康が死去。その後、遺言に従い二代将軍・徳川秀忠により東照宮の前身となる東照社が建立され、久能山に葬られていた家康は改葬されました。当初の東照社は質素なものだったと言われています。

現在の豪華絢爛な社殿群は、三代将軍・徳川家光が行った寛永の大造替」の際に建て替えられたものです。

境内

境内には、国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟の建造物が建ち並んでいます。

五重塔重要文化財

1650年、若狭小浜藩主の酒井忠勝によって奉納されました。

高さ36メートル。1~4層は和様で5層のみ唐様で造られています。

火災により初代の塔は焼失。現在の塔は1818年に再建されたものです。

拝観料300円。

石鳥居と五重塔の先に表門があり、そこから先は有料エリアとなっています。

東照宮の拝観料は1300円。

・・・世界遺産価格だな。

上神庫・中神庫・下神庫(重要文化財

表門の先にある校倉造りの三神庫(上神庫・中神庫・下神庫)は、お祭りの道具などを保管するための場所。

上神庫には、狩野探幽が聞いた話だけで下絵を描いたと言われる「想像の象」の彫刻があります。

「そうぞうのぞう」って、ハライチのネタっぽい。

そうぞうのぞう。象っていう動物がいるらしいんだけど、なんか鼻が長くて、耳もでかいんだって。へ~色はグレー。鼻に合わせて牙も長めにしとこかなー。こんな感じかなーなんつって。

聞いただけでこれ描けるの凄いと思うんですけど。私、象見たことあるけどもっと下手やで。(狩野探幽とお前を同じ土俵で比べるな。)

神厩舎(重要文化財

(帰り閉門間際に撮ったので、人が誰もいませんが入ったときは沢山人いました。)

神馬をつなぐ馬屋。東照宮の初代神馬は、家康が関ケ原の戦い時に乗っていた「立黒」で、その後は代々将軍家から奉納されました。

陰陽五行で「猿は馬を守る」と言われていることから、猿の一生を描いた8面の彫刻がなされています。これらは人間の生涯を物語ったもの。

この中でも一番有名なのが

「見ざる 言わざる 聞かざる」

こちら人生の第二幕。幼年期を描いたもので、

『幼いうちは周囲の影響を受けやすいので、悪いことは見聞きせず、悪い言葉も使わせず良いことだけを経験させよ。そうすれば、悪いものに対しても正しい判断ができる。』という教え。

私、ずっとこれ、大人が都合の悪いものは「見ない(ふり)言わない(黙ってる) 聞かない(聞こえないふり)」して対処しないのはいけないことだよ。真実から目をそらすな!みたいな教訓かと思ってました。全然違ってた。

一つ一つの彫刻の意味も説明されているので、これを読みながら人の一生と照らし合わせて猿の表情やポーズを見ていくとより面白いと思います。

水屋(重要文化財

1618年佐賀藩主の鍋島勝茂からの奉納。水を使うことを考慮し、柱は腐らないように花崗岩で造られているそうです。

輪蔵

附・鉄燈籠(重要文化財

ポルトガルから鉄材を運んで鋳造したという鉄燈籠は、仙台藩伊達政宗からの奉納。

燈籠には「藤原朝臣政宗の銘が刻まれています。

こちらの鉄燈籠は陽明門直下に置かれているため、みんな門に夢中で見向きもされてませんでした。ですが重要文化財にも指定されている燈籠です。
陽明門直下には譜代大名、陽明門大石段下には外様大名から寄進された燈籠が配されています。先に見た輪王寺大猷院でもそうでしたが、燈籠の位置で当時の身分差を知ることができます。

門を上がって行く人の脇で、一人燈籠をしげしげと眺め続ける。

1年前、友人と日光に行く予定がありましたが、天候が悪くスケジュールを変更した経緯があります。友人と一緒なら、こんな燈籠一つ一つじっくり眺めることもままならんかったと思うので、やはり歴史建造物は一人で来るに限ると思いました。

鐘楼・鼓楼(重要文化財

陽明門(国宝)

日光東照宮を代表する建造物と言えば、やはりこの陽明門でしょうか。

「平成の大修理」によって、より鮮やかに彩り溢れる門へと復活しました。

いつまで見ていても飽きないことから「日暮の門」とも呼ばれています。

高さ11メートル。間口7メートル。奥行4.4メートル。門を彩る彫刻数はなんと508体。

正直、もうどこを見たらいいのか分からないほどどこを見ても彫刻。彫刻。彫刻。

屋根の上には鬼瓦。扁額は後水尾天皇の自筆を象った御神号。その両脇には麒麟が配置されています。

中国の故事や仙人を表した彫刻。

門の両サイドには、随身像。特定した人物ではないようです。

陽明門は、「物事は完璧であるとかえって魔が差す」という考えのもと、あえて1本だけ柱を逆さまにし、未完成の状態であることを示しています。
こちらが通常の柱。模様がカエルさんの顔っぽい。

そしてこちらが「魔除けの坂柱」
カエル顔が逆さま。門をくぐって左側の右から2番目の柱です。

近くのカップルが

えー、逆さの柱ってどれー?

って言ってたので、私めっちゃ写真撮りながら

これ、これ。ほら、今、写真撮ってるやん。見て、見て。

って行動で示してあげました。(声に出して教えてやれよ。)

門は裏側も変わらず豪華。

門の左右には、こちらも縁起のいいモチーフが刻まれた彫刻がずらり。

見どころがあり過ぎて長くなるので、陽明門をくぐったあとは次回へ。

おまけ

徳川家光手植えと伝わる高野槇。本来、温暖地域原産の木なので、日光のような寒い地域でこれほど大きく成長することは稀なんだそう。

やはり、ここには家康公のパワーがあると感じざるをえません。