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【女一人歩き遍路】第9回目2日目 79番 天皇寺~81番 白峯寺

※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。

【前回の記事はこちら】

iechiko.hatenablog.com

 

2019年4月6日

 

お遍路二日目の朝。

ホテルで朝食を食べたのち、7時20分にホテルを出発。

本日は山登りありの行程。気合いれっぞー!

 

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朝早くても結構車通りの多い国道沿いを。

道広いから歩きやすい。

この3年間で、どれだけ四国の国道を歩いたことか。

 

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遍路道からは離れた場所に泊まっていたので、とりあえずグーグルマップと遍路ガイドブックを見ながら、遍路道方面へ。

微妙に細かい道だったので、方面はあってるんだけど遍路道はどれかいな、と思いながら40分。

 

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ようやくお遍路シールを発見。

 

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予讃線の踏切渡ります。

踏切を渡るっていう行為が珍しいのも遍路道

 

四国はとてもいい場所だと歩き続けて思いますが、車がないと生活できない。

ペーパードライバーの私にとって、残念ながら住みたい街の上位にはなりません。

でも、最近大阪市内よりもうちょっと人口密度低いとこに住みたい願望が高まっています。

ただ、旅行が趣味&車に乗れない=交通の便がよくないと生活が不便。

結果、交通の便がいい=人が集中するエリア ということなんですよね。

どこかに、人がそこそこで、高い建物があまりなくて空が広くて、ランニングにいい場所があって、だけど、すごく利便性いい街ないですかね?

 

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場所の違いもあるかもですが、連日いいお天気なので日に日に桜の開花が進んでる気がする。

遍路道に沿って歩いてたら、神社の境内に。

 

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樹齢約500年の御神木。楠。

大きな木はそれだけで素晴らしい。

 

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札所、どこ?

 

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神社からこの札所の特徴でもある三輪鳥居が見えました。

改めて正面から。

 

79番 天皇寺

 

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平成最後の月に、天皇寺という名のお寺に来るのも、なかなか意味があるような気もしますがこのお寺、なかなかこわ~い伝説のある天皇ゆかりのお寺。

 

ちなみに音で「てんのうじ」と聞くと、大阪の人間は大概天王寺を思い浮かべることでしょう。

あべのハルカスというでっかい商業施設があり、昔は結構ディープだったエリアも昨今綺麗に整備され、すっかり家族で楽しめる街になりました。

 

正面の三輪鳥居は普通の鳥居の両脇に、小さな鳥居をくっつけた非常に珍しい鳥居。奈良県大神神社など、全国でも数か所にしかないそうです。

 

この鳥居の正面に見えているのは、先ほど通った神社(白峰宮)。

お寺は二本の石が建っているとこの手前を左へ。

天皇寺は、行基により開創。

その後、弘法大師が十一面観音像を安置しました。

 

保元の乱に敗れ、讃岐に流された崇徳上皇崩御した際、ここに棺が安置され上皇を祀る社が作られました。そこから天皇寺という名がついたそうです。

 

崇徳上皇といえば名前を検索すれば、ワードに「たたり」とか「呪い」とかヒットするお方。日本三大怨霊の一人だそうです。(すげー嫌な「三大〇〇」やな。)

保元の乱で、弟である後白河法皇側の平清盛源義朝勢に負けた崇徳上皇は讃岐に流罪。配流先から、写経を書いて都に送ったら「呪いがかかってるのでは」と難癖つけられ(一説には、この写経は血文字で書かれていたとも言われていますが)送り返されてしまいます。

そのことに怒った上皇は舌を噛み切り、その血で国を呪うことを記し亡くなったと言われています。半端なくこえーし。

 

そして、その後平氏の勢いが増し、後白河法皇の腹心は厳罰に処されたり、安元の大火、延暦寺僧兵の強訴、天然痘の流行などなど都が混乱する事態が起き、崇徳上皇の呪い」だと恐れられたのです。

精神的に追い詰められた後白河法皇は、「讃岐院」とされていた呼び名を「崇徳院」と改め、保元の乱の古戦場に「崇徳院廟」を設置しました。

 

以前の大河ドラマ平清盛」で、崇徳上皇の死の場面が強烈に印象深く残ってます。

もはや完全にホラーでしたからね。井浦新さんの恐ろしかったこと。

ペコと一緒に卓球してた姿はいずこ。

 

ちなみに、崇徳上皇が詠んだ歌は百人一首に入ってます。

「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」

 

はい、そんな崇徳上皇ゆかりのお寺。敷地自体はとってもこじんまり。

割とお遍路さんがいました。シーズンということもあるんでしょうか。結構歩き遍路さんもいる。

(もちろん(?)歩き遍路は私以外、全員おじさん。安定のおじさんメイン)

 

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本堂

 

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大師堂

 

このあと、数字通りであれば80番→81番となるんですが、80番から81番へのルートの山道が結構しんどいらしい。数字の順番にはこだわりません。

しんどいこそ遍路道、だなんて思いません。

少しでも体力を消耗しないルートを選ぶこと、それが長距離歩行で一番大事。

9回に渡るお遍路旅で学びました。

という訳で、数字の順番を変えて、81番→82番→80番 とルートをとることに。

次は81番 白峯寺を目指します。

 

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明らかにお遍路ではない人たちが歩いてるなーと思ったら、讃岐うどんつるつるツーデーウォークなるイベントが行われてました。

 

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そのウォーキングイベントの方のチェックポイントになっていたっぽい観音寺。

「血の宮」って名前がいちいちこえーし。

 

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ひたすらこの車道坂道を上っていきます。

こういう場所が一番飽きる・・・

 

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3つまとめて距離案内。

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遍路旅最後にして、ようやくトレッキングポール購入。遅いわ。

舗装されてはいますが、これがあった方が負担減るかな、と早速使用。

このあと、特に山道では大活躍でした。もっと早く買えば良かったよ・・・

 

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白峯寺まで残り1キロ!のところであと一息ですが、小屋を発見したのでちょっと休憩。ずーっと上り坂で結構疲れたわい。

 

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何だかすっきりしない山ビュー。

 

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さぁ、ここからもうひと踏ん張り!!

1キロなんて、平坦な道なら15分ぐらいで余裕じゃーんって感じですが・・・

 

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階段に次ぐ

 

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階段に次ぐ

 

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か・い・だ・ん

何かもう写真もピンとあってねーし。

もうええって。分かったって。ぜーぜー

 

最後の最後にひたすら10分間の階段上りが待っていました。

途中、白峯寺にお花見に行くというご近所のおじさんと遭遇。

子供の頃から何度も来てる、と。そりゃ健脚にもなるわ。見習います。ぜーぜー。

 

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階段を上り切ったら、桜が出迎えてくれました。

 

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こちらの階段の上った先に、先ほどご紹介した祟り伝説で有名な崇徳上皇のお墓、白峯御陵があります。階段がなければ行きたいとこですが、もうこれ以上上りたくない。

崇徳上皇、すいません。スルーさせていただきます・・・呪わないでね。

 

天皇寺から2時間で到着。

 

81番 白峯寺

ついに80番台!!

 

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弘法大師が宝珠を山中に埋め開山。その後、甥の智証大師が千手観音を刻み、本尊としたといわれるお寺です。

青・黄・赤・白・黒の五色台の五つの峰のうち、白峯にあたります。

崇徳上皇が荼毘に付されたのも、ここ白峯山。境内はなかなか広い。

見どころあるのは嬉しい反面、山登り後の体には結構きつい。

 

ここまでたっぷり階段上ったあとに、

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本堂・大師堂が階段の上パターンです。

単純な距離表示だけで、お寺までかかる時間・疲労度を予測してはいけない。

これもお遍路で学びました。(遍路以外で今後使えるとこないと思うけど)

 

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本堂

 

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大師堂

(右のかたわらに大黒天)

最初の門に「十二支守り本尊之寺」と記載されていましたが、こちらのお寺には干支にちなんだお堂があります。

 

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ここは申年・未年の薬師堂

 

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崇徳上皇の御廟所「頓証寺殿」

・・・左に何かおる。

 

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てん・てん・ぐー!!

白峯山には相模棒という天狗が住んでおり、小坊主の仕事をお手伝いしてくれることもあったそうです。

優しい天狗。

てん・てん・ぐー!!

(さっきから何言ってんの?と思う方は下記記事をご参照ください)

thetv.jp

 

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頓証寺殿の左脇を入ると

 

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崇徳上皇御陵遥拝所

 

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しだれ桜きれいです。

もっとこの桜の季節に遍路旅すればよかった。

 

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御朱印はこちらの護摩堂で。

 

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酉年の私のご本尊、不動明王様もこちらに。

 

ひたすら階段上りで疲れてますが、時間に余裕もないので先を急ぎます。

続いては約7.5キロ先の82番 根香寺

 

私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。

納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。

地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。