えちこの旅ブログ

知的好奇心のおもむくままに

MENU

【女一人歩き遍路】第8回目3日目 66番 雲辺寺~67番 大興寺

※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。

【前回の記事はこちら】

iechiko.hatenablog.com

 

雲辺寺まで続く山道に突入。

f:id:iechiko:20210831173146j:plain

右ですよ、道。

 

急・勾・配っっ!

 

そしてこの急勾配を上ったら

f:id:iechiko:20210831173152j:plain

山の始まりです。

 

雲辺寺は、標高911m。遍路の中で最も高所にあるお寺です。

山登り自体はそんなに長くなく(4~50分ぐらい)、時間で言うと12番焼山寺が一番かかるんですが、短い距離で一気に標高上がるんでとにかく勾配がきついんです。

 

f:id:iechiko:20210831173201j:plain

しかも、もや~んとしてます。

向こうからシシ神様出てきそうです。

 

数分登って、ちょっと平らになって、また登って・・・っていうのが遍路道で出くわす山道なんですが、ここずっと登りです。息を整える場所がまるでありません。

もうゼーゼー、ハーハーが止まりません。

 

f:id:iechiko:20210831173210j:plain

写真じゃ伝わらない急勾配。

何度も何度も立ち止まっては進み、立ち止まって進み、を繰り返します。

幸い、雨はそんなに激しくはなく、木立が雨よけになっていたのでレインコートも不要でした。

 

ただ、時折葉っぱから雨水ぼたぼたって落ちてきて「んぎゃー」って一人心の中で叫んでます。

もう雨やら汗やらで全身しっとり。水分補給皮膚から行えそうです。

 

f:id:iechiko:20210831173223j:plain

登り始めて約45分。アスファルト道に出ました。

登山、終了。お疲れ、私!

ですが、まだすぐに着かない雲辺寺

 

f:id:iechiko:20210831173232j:plain

こっからまだ2.5キロあります。

うんざり!!

 

f:id:iechiko:20210831173244j:plain

しかもお先、真っ白です。

ここからまた雨が降りだして、レインコート着用。そしてその雨が次第にまた強くなってきました。

お大師さん、何か悪いことしました?私・・・

 

f:id:iechiko:20210831173302j:plain

もやの中、ただずむ木々は綺麗ですね。

ただ、今改めて写真見てそう思うけど、この時はもうただ「しんどい」の一言でした。

それでも一応なんか記念に、と写真を撮ってたみたい。(あんま覚えてない)

 

そして、ついに境内が見えてきました!

f:id:iechiko:20210831173312j:plain

もやもや~ん。

自分史上、最も雨に打たれ目指した雲辺寺。決して忘れることはないでしょう。

改めて過去のお寺振り返った時に、正直あんま記憶に残ってないお寺もあるんですよね。こんだけまわってると。

一番記憶に残るのは、結局その道のりがしんどかった場所だったりします。

それだけ着いた時の達成感みたいなのもひとしおですし。

 

三角寺のおじさんトリオに「今から歩いて行ったら、雲辺寺着くのは15時ぐらいになるんちゃうか」と言われましたが、13時20分に到着できました。

おじさんたちに報告したい。早く着けたよ、私。

すごい?ねぇ、すごい?すごいでしょ?ねぇ、ねぇ?って。(頑張りアピール鬱陶しいわ)

 

ただ、ずっと歩きでまわってる方って、何度となくこういう悪天候の日に歩いてるんですよね。

ほんとすごいわ、尊敬です。1日ぐらいでブーブー言うなよ、と言われそうです。

66番 雲辺寺

f:id:iechiko:20210831173318j:plain

山から上がってくると、山門とは違うところに出てくるので、最初に門をくぐれません。

こういうのちょいちょいあるんですけど、歩き遍路にこそ門を味合わせて欲しいな・・・なんてな・・・

厄除けより、雨除けが欲しい後厄女。

 

とりあえず、屋根付きベンチに荷物を降ろして小休憩。

しかし・・・さ、寒い・・・

標高900m以上上がると気温が全然違います。濡れた体にこたえるわー。

ここ雲辺寺は、16歳の頃、材木をもとめて弘法大師が初めてこの山に登り、9世紀勅命を受けて再び登山し開山したと言われています。

 

f:id:iechiko:20210831173327j:plain

本堂

 

f:id:iechiko:20210831173402j:plain

大師堂

 

f:id:iechiko:20210831173338j:plain

そして「おたのみなす」

ナスの花は一つも無駄なく実になることから、「成す」とかけて、努力をすれば報われて願いが叶うとな。

この輪っかナスをくぐって

 

f:id:iechiko:20210831173347j:plain

その先にある多くの参拝者のおケツを受け止め、テッカテカに輝くナス。

これに腰掛けてお願い事をすると御利益があると言われています。

 

雨で濡れてましたけどね、もうほぼズボンも濡れてるし、もうええわ、と腰掛けました。

雨風がどんどんひどくなってきて、もはや手の感覚なくなるぐらい冷えてきました。

元々、下山をどうしようか悩んでいたのですが、この状態で山を歩いて下りるのもう無理っ!

そして、あと一つ67番もまわらないといけないのに時間も結構やばい。


はい、下山ロープウェイ乗ります。


そうなんです。ロープウェイで来れるんです、このお寺。

ただ三角寺からの歩きルートではロープウェイ乗り場を通ることはないので、山登りしか選択ないんですけど。

電車移動はやめて、残りは歩いてまわりたい!とか言ってたな、昨日。

でも、ほら、ロープウェー移動は遍路初だし。

バスと電車と船乗ったから、1回ぐらいロープウェイもね・・・となんやかんや自分に言い訳。

一目散にロープウェイ乗り場を目指します。

だってもう辛いんだもん。寒いんだもん。

別に誰かに会いたい訳じゃないけど震えるんだもん。


山門を横目に

 

f:id:iechiko:20210831173416j:plain

五百羅漢さんたちにお見送りされ、ロープウェイ乗り場に到着。

 

チケット売り場の建物は割と広めで、待ってる間温かい梅昆布茶もいただけました。

この日の気温、何度だったのか分からないんですがストーブついてました。

芯から冷えてしまった私にはありがたく、待ってる間ずっとストーブ前陣取って暖取ってました。

チケット売り場のお兄さんにも

び、びちょびちょですね・・・・

って同情されましたからね。

えぇ、そうなんですよ。びちょびちょなんですよ。

 

雨風どんどん強まって、ロープウェイの中に乗り込んで待ってる間、ガタガタとゴンドラ揺れるほど・・・


もちろん視界真っ白。お先、真っ白 パート2.

 

停まってる間すごい揺れたんで、え・・・大丈夫?と思ったんですがいざ動き出したらほとんど風の揺れを感じることなくとても快適な空の旅。

もちろん景色はなーんも見えませんでしたが。

下をのぞいて、あーこの中歩いて下りなくて良かった・・・と思いました。

 

雲辺寺ロープウェイは、日本最大規模。

全長約2,600m。高低差約660mをわずか7分で移動します。動力万歳。

ゴンドラの定員も101名ということでとても大きいです。

 

メイドイン スイスだそう。

私以外にも数組お客さんいましたが、皆さん麓駅に隣接している駐車場に車を停めて、上ってきた方でした。

温かい紅茶を買って、またまた歩きスタート。

本日最後の67番 大興寺を目指します。

 

f:id:iechiko:20210831173442j:plain

相変わらずもやもやですが、山頂と違い風がほぼなく、雨もそこまでひどくはありません。

900mの標高の違いって大きいのねー

 

もちろん気温も山に比べて高いので、相変わらずまだ手足は冷えてますが、そこまでつらくはない道のりです。

人気もない。車もほぼ通らない。

傘さしてのーんびり歩きます。

 

ロープウェイの麓駅から、大興寺まで時間調べてみたら1時間40分。

現在、2時半。余裕だね!

 

40分ほど坂をくだると、萩原寺というお寺が出てきました。

 

f:id:iechiko:20210831173448j:plain

この直前に、突如腹痛に襲われ「ど、どうしよう・・・こんなとこでお腹痛くなってきた・・・」と焦りましたが、たまたまこのお寺の駐車場にお手洗いがあり、助かりました。

 

ここ来るまで果実畑みたいなのがただあるだけで、人工物何一つなかったので、ベストタイミングでお腹痛くなってくれました。(本来、一切痛くならないで済むにこしたことないけど)

やはり今回も出てしまいました。歩き遍路とトイレ問題。


そして、本来お寺に到着してもいい時間の午後4時15分。

f:id:iechiko:20210831173504j:plain

私は絶賛迷子中。

な、なぜ・・・?

 

途中まで、遍路道のシールを見つけ順調に来ていたはずなのですが、突如道を見失いました。

へんろ道と、Googleマップで記された最短ルートを行ったり来たりしてしまってたようで、何だかもう結局

「え?え?あれ?この道真っ直ぐ行ったらおかしなとこ行く?」

「あ?あれ?急に遍路道シール全く見かけなくなったよ・・・」

てな具合になり、とにかくGoogleマップを頼りに田んぼに囲まれた一切遍路道とは無関係の道を急ぐはめに。

 

ガイドブックで見る限り、全く入り組んだルートでもなく、しごく単純なはずなんですけどね・・・

方向音痴ってホント怖い。

 

f:id:iechiko:20210831173509j:plain

Google頼りに歩いたら、遍路道に出ました。良かったー!


67番 大興寺

f:id:iechiko:20210831173513j:plain

結局、2時間ほどかかってしまいました。余分に歩いた。余分に体力使った。

嵯峨天皇の勅願で、弘法大師によって開かれたお寺。

山門の仁王像は四国一古いと言われています。

 

f:id:iechiko:20210831173612j:plain

「やぁ!お疲れ様、よく来たね!!」

と笑ってるように私には見える。

 

f:id:iechiko:20210831173559j:plain

本堂へと上がる階段の手前にあるカヤの木。

樹齢1,200年で、弘法大師が本尊を安置した時に手植えしたと伝わっています。

ほー、立派だなーと一瞬見上げた後、

とりあえず、時間がないので(御朱印終了時間20分前)急いで本堂へ。

 

f:id:iechiko:20210831173519j:plain

本堂

 

f:id:iechiko:20210831173528j:plain

大師堂

真言、天台の修行僧がそろって修行をしたというお寺なので

 

f:id:iechiko:20210831173538j:plain

本堂の左側に、通常の大師堂。

そして右側にこの天台大師堂なるものがあります。


無事に御朱印もいただき、本日のお寺はここで終了。

雨の中、時には暴風の中、お疲れ私。

ここから本日のお宿、かんぽの宿観音寺まで、もうひと頑張りです。

足、痛いよー

 

f:id:iechiko:20210831173628j:plain

途中までは68番までの遍路道

今度こそ道に迷わず最短距離で行けますよーに。

 

f:id:iechiko:20210831173632j:plain

地面とほぼ同化してた今日のにゃんこ パート2.

きみ、顔と体の二色使いがおしゃれだね。


左側に見える仁池の手前で、遍路道を外れます。

お宿へは、この池沿いに。

 

こうやって、私遍路道を外れて取る宿までの道のり(大体1~2キロ)が結構つもりつもって、余分に歩いてるかもしんないな。。。と今更ながら思います。

でも、ちょうど遍路道沿いで、距離もその日進みたいとこまでの場所の宿を探すと、なかなかないんですよね。


そして、6時前にようやく到着!!

が、ここから入り口までちょっと坂上ります。

この2分の上り坂が今の私にはとてもしんどい・・・


今度こそ、ほんまのほんまに到着!!

 

和室広々ー

荷物ガンガン広げられるので、和室好き。

 

とりあえず、濡れた物を全部出して、タオル掛けやらハンガーを使いまくってあらゆるとこに干しまくり。そして、体は大浴場でゆっくりと休めました。

そう。この大きなお風呂があるっていうのも、今日ここを選んだ一つの理由。

 

最終日の明日は、一気に8箇所まわる予定。

あと1日。頑張るぞー

 

★この日お世話になった母神温泉 かんぽの宿観音寺は下記リンクから予約可能です★

楽天トラベルのページに飛びます)

母神温泉 かんぽの宿観音寺

 

私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。

納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。

地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。