※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
横峰寺へと向かう山道。
普段ランニングしてるんでそれなりに体力はある方だと思うんですが、山登りはまた違うもので。嫌いではないんですが、やはり苦手です。
山走るトレイルランニングやってる人、まじ尊敬します。
残り2キロ。
大きな石だらけの道や、倒木でふさがった道。(木をまたいで登って、足置いたとこにでかい石があってずるってなって、もう歩きにくさ満点です。)
急な上りを終えて、一旦平坦に。
人が通ったとこだけ、綺麗に草がない。
遍路道の歴史、感じます。ふーふー。(息整え中)
息整ったと思ったら、石階段登場。もう、仕掛けてくるよねー。
そして、2時間弱山道を歩き、ようやくアスファルト道に出ました。
下からのアングルで、登ってきた臨場感を演出。(嘘です、たまたまです。)
そこまで山登りが趣味という訳ではないですが、お遍路のおかげで年に数回山登りしてます、私。
ただ、登って楽しい山とかではなく、単に移動ルート。
山としての楽しみは皆無です。残念ながら。
でも、こういう景色見ると、やはり爽快感はあるもんです。
ヤッホー(心の中で叫ぶ)
しばらく車道を歩き、
何かチェーンとかされてるけど、これは車進入禁止なのであって歩きはOKよね。
だって、ここ遍路道になってるもの、と認識の上進み、
残り、100メートル!
そして、61番から約3時間で到着!
60番 横峰寺
私が通った道も遍路道ではあるのですが、61番から来たせいか順通りの道ではなく、
結果裏口みたいなとこからお寺に入り、門を通ることがありませんでした・・・
なので、入ってすぐに大師堂。
この横峰寺は、西日本最高峰の石鎚山系の山の中腹に位置しています。
石鎚山は標高1982mで、山岳信仰の山でもあり、日本七霊山の一つでもあるそうです。
あと六つはなんでしょね。
ということで、ウィキペディア師匠に聞いてみました。
・富士山(今、変換したら「藤さん」って入力されてしまった。誰やねん。あやこか。)
・白山(石川&岐阜県)
この三つがまず三霊山とされていて、そこに
・大山(鳥取県)
この四つを加えて日本七霊山と呼ぶそうです。
故郷奈良のお山が二つもランクイン。釈迦ケ岳って初めて聞いたけど・・・・
修行中、山頂付近に現れた蔵王権現をシャクナゲの木に刻み安置したと伝わっています。今も、5月下旬頃からシャクナゲが咲き誇るお寺だそう。
・・・あれ。私ここ訪れたの6月3日。
結構まだシーズンだったのでは・・・?
と思って、写真見返してみたんですが、どこにも花なんて写ってなかったです・・・
境内はさほど大きくはありません。
ひとまず、本堂前にあったベンチで一休み。
ただ、やはり標高が高いのもあり、気温が低く、汗が引いて冷たくなったのも相まってじっと座ってたら体冷えてきました。
ブルルとなったので、参拝します。
本堂
大師堂
山の上の不便な立地にも関わらず、トイレが綺麗で感動したのでおもわず写真。
はい、恒例のトイレ情報です。
このトイレの横に休憩スペースがあったのですが、陰になってて寒かったので、日が当たる先ほどの本堂前のベンチに戻って、出発前にもうちょい休憩。
この5日間、毎日汗だくで日焼けしまくっていたので、こんな寒さを感じることになるとは。
山登りもするし、ということで長袖選択して正解。
やはり、山の気温はなめちゃいけませんね。
足裏痛いですが、いつまでもここにステイする訳にはいきません。
このあと下山し、もう一つお寺まわって、駅まで歩いて電車に乗って、高速バスに乗って大阪まで帰らねばなりません。
時間に限りがございます。
という訳で、先ほど来た道、また戻ります。
下りの方が、登りよりも早く歩けるかなーなんてちょっと思いましたが甘かった。
足の負担は、下りの方が大きいです。
あちこちで倒木してるこの道。
登るのも大変でしたが、下りもどこに足を置いていいのやら。
杖を思わず石の上についてしまい、ずるっと滑ったり、そもそも貴重品や諸々のお遍路グッズを入れてるショルダーバッグを前掛けしてるんですが、そいつのせいで足元全く見えてません。
そら何回もこけそうになるわ。山道歩くの下手くそすぎやろ。
行きに下りのところがあって、すなわちそこは、帰りは登りになるわけですよ。
両方楽しめちゃう。余計なサービスです。
難儀しながら登ってたら、後ろから自転車押して駆けてくるチャリダーさんに遭遇しました。私を追い抜き、颯爽と悪路を自転車押して駆けあがっていきます。
恐らく、相当な悪路以外は自転車乗ってこの山を下山していった模様。(あっという間に見えなくなったし)
装備も、あの自転車乗る方特有のピチピチしたウェアで(あれ、名前あるんすかね)本格的なマウンテンバイクでした。すげーや。世の中にはすげー人が沢山いるや。
1時間ほど歩いたのち、お腹が空いたのでベンチでしばしのランチタイム。
なんやかんやで、3キロ下りてきました。
リュックを放置し、栄養スナックもぐもぐ。
よーく見るとリュック、顔に見えてきた。(お口が▲)
さて、そろそろ行こうかなーとのんびり準備したところで、でっかいスズメバチが襲来してきました。
んぎゃーっ!!と荷物ひっつかんで、速足で退散。心臓に悪いわ。
行きも休憩したこちらの小屋でまた一休み。
今しがた休憩したのに、また休憩してるやんって感じですが、実際はさっき蜂に追いかけられて退散したベンチから40分歩いてます。距離は短いんですが、足裏に力入れて歩いて下山してるため、足痛くて痛くて。
でも、さらにここからずっと下りです。
行きはずっと登ってたんで、帰りずっと下りです。
自然の原理として当たり前のことを言ってます。さっきから。
ここから25分ほどして、ようやく山終了!!
アスファルトだー
足の置き場に困らなくていいー!やったー!
次は、行きにおじさん見かけた小屋まで頑張るぞ。
小さく刻んで休憩作戦です。
5分そこらで着くかと思いきや、意外と距離あって20分弱かかりました。
ここで、最終兵器投入です。
足にサロンパス貼ってみます。これが意外とよかった。
むしろ、なぜ最初から貼らなかったのか、というとこですが、まぁ、山登りしてたらきっとずれて靴下ん中でわちゃってなって気持ち悪いことになってたでしょうからね。
靴脱いで足もみもみしてたら、またしてもでっかい蜂がやってきて、慌てふためきながら靴履いて退散。
蜂め・・・・
蜘蛛の巣払いの技は手に入れられても、蜂払いの技は到底身につきそうにありません。
現状、「ただ逃げる」 これ一択です。
私、基本的に虫平気なんですが、(実家の前が公園で、よく家の中にも虫が侵入してきてた)蜂と蛾だけは苦手です。
蜂は刺すから。蛾はただただ、気持ち悪いから。
あとはひたすらアスファルト道を行きます。
朝は爽やかでしたが、14時近い時間になり今日も日差しが強い、強い。
肌がジリジリします。
朝から私の体を支え、行く手を阻む蜘蛛の巣を払い続けてくれた杖ともとうとうお別れの時間です。
ありがとう さようなら 友達
叱られたことさえ あたたかい
(何の曲か分かった方は、続きをご自由にどうぞ)
行きは通らなかった道を選択したら、登り道・・・
これは結構登ってる感伝わってるんじゃないでしょーか。
この道選んだことを激しく後悔しています。
でも進んでしまったので、もう戻るのも億劫だ。
そして
けもの道。
なぜだ。なぜこんな道に。。。
そして、神社裏に出てきました。
高鴨神社という神社のようです。
休憩時間も多かったので、行きと同様約3時間かけて朝出発した香園寺まで戻ってきましたー
大阪までの高速バスの時間から逆算して、ここから一番近い伊予小松駅14時57分発の電車に乗らなければなりません。駅までは20分弱かかると思われます。
今、14時15分です。
ここから62番 宝寿寺までご覧のように1.4キロあります。
が、ここで一つ宝寿寺について。(以下、2017年6月時点の情報です。)
えーとですね、次の宝寿寺は遍路をやってる人はよく知ってるんですが、
ちょっと問題ありのお寺さんのようでして。
あくまでもネットニュースの情報ですが、住職がお遍路さんに暴言を吐いたり、暴行があったとか、ここだけ納経所の受付時間が他と違ってて、御朱印がもらえなかったお遍路さんがいたとか、霊場会への会費が未払いだとか…うんぬんかんぬん。
霊場会と宝寿寺の言い分には違いがあり、宝寿寺側は暴言なんて吐いてない等反論もされてるようです。
何はともあれ、現状どういうことが起こっているかといいますと、この香園寺の駐車場に臨時の礼拝所ができております。
プレハブ感ありありです。
もはや、こうなってくると御朱印もらえたらどこでもいいのか。お寺そのものに意味があるんじゃないのか。という思いも湧いてきます。
実際に過去に宝寿寺で嫌な思いをされてる方に会った訳ではないので、真偽のほどは分かりませんが、でも私世の中、「火のない所に煙は立たぬ」と思ってます。
プレハブ礼拝所に抵抗もありつつ、問題があった(と言われている)お寺にお金を落とすのも何か嫌。
そして何より時間がない。
ここで御朱印もらって、あとは駅までまっしぐら!といきたい ということでこちらで納経を頂くことに。
宝寿寺、一切関係ないってよ。
焦るあまり、自分史上最速の般若心経となりました。
大師さん、横着して何か色々すいません。
納経所で300円払いながら一体このお金はどこに行くのかしら・・・と疑問。
多分、霊場会というところに行くのでしょう。有効に使ってください。是が非でも。
最後、イレギュラーな運びとなりましたが、何はともあれ今回の最終目標62番まで打ち終わりました。
はい、帰る!!
駅、目指す!!
急ぎ足で駅を目指して歩きます。
(なお、2021年8月25日現在、改めて調べたところ宝寿寺は2019年12月1日に霊場会に再加入。臨時礼拝所も閉鎖したようです。)
宝寿寺は、駅のほんまに近くなので、前を通ります。
もちろん、こちらは従来通り62番札所として存在してますので、ここに来てるお遍路さんもいます。(でも、臨時で御朱印もらってる人も結構いました)
奈良時代に聖武天皇の勅願によって建てられたお寺で、安産のご利益がある観音様がいらっしゃるようです。
はい、そして無事電車出発20分前の余裕を持って・・・
伊予小松駅到着です!!今回のお遍路旅のゴールです。
お疲れー。いやーマジで疲れた。
時間があったので、トイレで着替えようかと思ったのですが2個中2個とも水詰まってとってもきっちゃない状態だったので諦めて、待合スペースで最低限汗拭いたり、靴下履き替えるなどして電車を待ちます。
高速バスが出てる伊予西条駅というところまで行くんですが、この14時代逃すと次は16時代まで電車ありません。間に合ってほんま良かったー
伊予西条駅までは3駅。あっという間に到着。
高速バスまで1時間あったので、トイレで下着ごと着替えてさっぱりし、パン屋でパンとジュース飲みながらゆっくりしようと思ったらクーラー寒すぎて長居できず、仕方ないので駅舎内で時間潰し。
伊予西条から大阪まで5時間の高速バスでしたが、隣の席も空いてたので窮屈さもなく快適に過ごせました。
ただ、途中よったサービスエリアで下りたらめっちゃ寒くて。
ほんで大阪着いてもまだ寒い。
もんのすごい人込みに、今までパーソナルスペースたっぷりで歩いてきた私は一気にしんどくなり、あれだけ足が痛い痛いと言ってたくせに電車に乗らず、30分ほど歩いて帰ったのでした。
このあと新しい会社に就職し、長期休みも取れなかったこともあり、次のお遍路旅は約1年後2018年5月になります。
私が旅の間愛用していたガイドブックはこちら。
納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。
地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。