※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
突っ込みどころ満載の石手寺のあと、県道187号線を歩き20分ほどで到着。
愛媛が誇る観光スポット 道後温泉です!
明治27年に建造されたいまだ現役の公衆浴場。
色々な入浴コースがあって、それによって使える休憩室や値段も様々。
で、今回私は・・・・
お風呂はスルーです!
え。
ここまで来たのに。
元々、この道後温泉付近で一泊する予定だったんですが、思いのほか日々歩けてしまい、今宵の宿はもっと先に取りました。
そしたら、ここでゆっくりお風呂に入ってる時間はなくなりました。
残念ではありますが、以前入ったことあるし、ここならまた来る機会もあるだろし。
平日の昼間だったので、人もあまりおらず。
人力車のお兄さんも暇そうでした。
さすがに私には声掛けてこなかった。
ちなみに、奈良公園にも人力車のお兄さんいてて、声掛けられると友人と
あ、いつも自分で引いてるんで結構です。
と断ってました。
このままただ通り過ぎるのもなんなので、ちょっくら休憩。
しまなみドルチェー
(ドラえもん風)
爪は短く切るタイプです。ネイルは一切しません。
よく「爪、でかいね」って言われてます。えへ(褒められてんのかな、果たして)
そしてこれが今日の昼ごはんとなりました。
道後温泉本館の建物近くにあるカフェスペースみたいなとこで食べてたんですが、目の前に
とり、色々。
大人?のピンクとか緑はお目目キラキラしてるのに、子供の青いのかわいくないわー
よく見たら、緑の虫食うてるし。そんなリアルはいらん。
このあと、遍路道に戻りたかったのですが、迷子の天才ゆえ道を誤り
えー、ちょっとカメラで写真撮るのもはばかられるエロティックなお店が並ぶエリアに入り込んでしまいました。(ブログ用のネタのために撮りましたけどね。生まれて初めてヘルスビルの写真撮ったわ。)
無料案内所。遍路道、案内してくれるかな。
ご自由に、って言ってくれてるし。
っていうか、温泉地の近くにこんなとこあるんですね。
温泉地の近くだからあるのか???
ラブホ&ヘルス街を歩く白装束来たお遍路。
ミスマッチこの上ありません。
幸い、まだ明るい時間だったので歩いてる人もおらず、そそくさと脱出。
道後の観光地を抜けると、20分も経たないうちに住宅街です。
観光地近くの市民の暮らしにお邪魔します。
道後温泉来ることあっても、その近くの住宅街を歩くことなんて、まーないでしょうし。
こういうのがお遍路ならではです。
国道196号線に出ました。
川を挟んで、歩行者スペースが大きく作られているので歩きやすい。
途中、ドラッグストアで飲み物と足爽快シート購入。
飲み物代がバカにならないので、コンビニや自販機ではなくドラッグストアやスーパーでなるべく買うようにしてます。
小さい節約ですが、塵も積もれば山となる、です。
道後温泉を出て約1時間10分。
国道196号をしばらく行ったあとは、いくつかルートがありまして。
ここで、また迷子の天才迷いそうになります。
かも、カモーン。
道後温泉から10キロ足らずで、こんな田んぼ広がるエリアとなりました。
空が広い。
与讃線を渡り
目の前に山っぽいのが見えたのであの中かな?
もうすぐかな?
お寺、どこかな?
あはーん、ただの通り道でしたー(泣)
足いたーい。疲れたー。
(道端に座り込んでます)
泣いたところで、寺が向こうから来てくれる訳じゃなし。
自分で向かうしかありません。
やっと案内が!ほんで門っぽいのが!
でも、これはお寺の門ではなく、ここからさらに4分ほど歩いてようやく到着。
52番 太山寺
この門の手前で、昨日旅路を共にした自転車青年に会いました。
あ、やっぱ会いましたね。歩きやのに早いっすねーすごいっすねー
と言ってくれましたが、結構もうおばちゃん疲労困憊っす。
彼は参拝し終え出てきたとこだったので、すぐにお別れし、私はお寺へ。
この先もまた会うかもね、何て言ってましたが、結局このあと会うことはありませんでした。
え・・・
本堂、570m・・・?
「頑張れ」
「行ってらっしゃい」
仁王様に見送られ(という妄想を励みに)本堂へ。
この先、急な上り坂
そしてとどめの階段。
ドSです。やっぱり弘法大師さんはドSです。
階段手前の大日如来さん。
赤いお帽子がキュートでした。
横のお地蔵さんの前かけとペアルックかな。
こちらの山門も立派。
反対側に蜂が巣を作ってブンブン飛んでました。
こちらのお寺の起源には伝説が。
587年 真野長者という人が航海の途中、嵐に遭遇。
観音様に無事を祈願したところ、高浜の岸で救われました。
その恩にと建てられたのがこちらのお寺。なんと夜を徹してたった一晩で本堂が建ったのだとか。
信じるか信じないかはあなた次第です。(お遍路のお寺にはこの類の伝説がよくあります)
本堂
愛媛県最大の古い木造建築
国宝です。アピールしてます。
ちなみに、こちらは三代目(1305年建立)なので一夜にして建った伝説の本堂ではありません。
大師堂
足はかなり疲労してますが、まだもう一つお寺まわりますよー
2キロ先の53番 円明寺目指して頑張れ、私。
太山寺から約30分で到着。
(疲れてたし、短い距離だし特段この間の想いでなし)
53番 圓明寺(えんみょうじ)
で、到着した途端、雨がパラパラと・・・いやだー
1924年 シカゴ大学のスタール博士という方が、ここを訪れた際、本尊を安置している厨子に銅板の札が打ち付けてあるのを発見。
札には1650年の銘があり、現存最古の納め札だそうです。
ちなみに、奉納者は「樋口平人家次」という方だそう。
(お遍路の納め札には住所・名前を記入します。今はもちろん銅板ではなく紙。一応個人情報のことも考え、私はいつも【大阪市】とだけ書いてます・・・)
というか、そんな昔に海外の方が四国遍路をしていたことがすごいです。
こちらのお寺には、キリシタン燈籠があります。
十字架のような形の真ん中に、マリア様らしき肖像が刻まれています。
正直、女性らしい姿ではありますが、これがマリア様と言われなければそれとは分からないようなお姿です。
江戸時代、隠れキリシタンの人々が建てたもので、寺はその参拝を黙認していたのだそう。
お寺で、キリスト教のマリア様を拝むというおかしな光景。
でも、そうしないと信じる宗教を信仰できなかった時代。
長崎に行った時に、禁教令や隠れキリシタンの歴史に触れましたが、なぜ人々を救うはずの宗教がこんな結果を生んでしまったのか・・・と思わずにはいられませんでした。
こんだけお寺で般若心経とかあげてますが、大学時代はキリスト教学を勉強し、賛美歌も歌ってた(大学がキリスト教の学校だったもんで、キリスト教学必須だったんです。単位取らないと留年)典型的な無宗派日本人(一応、実家の宗派はあるけど)には、やはり宗教というのは理解できないことだらけです。
と、まぁ、そんな考えで遍路歩いてるのもどうなんだ、とは思うんですが・・・
宗教の成り立ちとか、教えとか単純に学問として面白いな、とは思って本読んだりして学んだりはしてるんですが。
最初の山門を入ると
参道中央に中門がボンっと建ってます。
境内の中に門っていうのも、何だか変わった景観。
本堂
大師堂 with O (おじさん)
小雨降ってますが、荷物重いのでベンチに野ざらし。
パンパンなので、完全自立してます。
ここから、今日の宿までまだ3キロほど歩きます。
観光地道後温泉を外れ、あまりお宿のない地域に来てるのでそれぐらい歩かないとないんですよ。
今回の遍路旅に、新たに投入されたアイテム。
それが雨除けザックカバー。てか、むしろ今まで持ってなかったんかいっていう。
早速使う機会が訪れましたよー
前回、コンビニで買っておもいのほか活躍したジャンプ傘も登場し、雨対策ばっちりで宿へと向かいます。
途中から遍路道を外れます。
遍路道じゃないところを白装束着て歩いてたら、もうこれ傍目には完全迷子の人ですよね。
どこ迷い込んでんねんっていう状態になりながら、宿の入口まで到着。
すげー高台にあるため、めっちゃ坂上ります。
すげーしんどいんすけど。すげー汗だくなんすけど。雨なんだか、汗なんだか、もう濡れねずみです。
もはやドブネズミです。
でも、ドブネズミみたいに美しくなりたいってヒロト(甲本)が言ってたから、ドブネズミで充分です。
はい!そんなこと言ってる間にようやく到着!!
今宵のお宿 権現山荘さんです。
部屋は広々和室。
これに加え、独立洗面台、お風呂、トイレがついてます。
アルプスの間でした。
日本アルプスからだいぶ遠いですけど、ここ。
嬉しいお茶菓子つき。
汗だくなので、早速お風呂入らせてもらいました。
海が見えるお風呂ってじゃらんのサイトに書いてあったんですけど・・・
庭ビュー・・・だよ。
ちょっと大きめの家族風呂みたいなサイズです。
あとから来た女性二人組のお遍路さんと
「・・・あれ?海、見えないね」 って言いながらお風呂でお喋り。
お二人は以前歩きで全部まわられて、今回は電車やバスも使っての二回目遍路旅だそう。
お遍路をしてると、複数回まわってる方が沢山いらっしゃいます。
人を魅了してやまない何かがあるのでしょう。
えっと。。今んとこ私は、この飛び石歩き遍路が一度終わったら・・・まぁ。しばらくは・・・いいな、という感じです・・・正直、他にも行きたいとこいっぱいあるし・・・・もごもご。(何で口ごもる)
1日に30~40キロ近く歩いてますって言ったら
えーーーーー!!すごーい!!やっぱ若いからやわ!!
と絶賛していただけました。
最近、「若い」と言われなくなった。
確かに老いを感じる。20代のピチピチには勝てない。
もうあの頃には戻れない、と妬みにも似た羨望で新入社員を眺めてしまう、というアラフォーのそこのあなた。
お遍路旅に出てみませんか。
出会うのは大半が人生の先輩なので、「まだまだ若い若い」と、それは大層もてはやしてもらえますよ。
言霊パワーで、きっと若返り効果も期待できるはず。(効果には個人差があります)
お昼が道後温泉で食べたアイスだけだったので、お腹空きましたー
ご飯は部屋食でした。
お刺身・茶わん蒸し 大好物!
加えて焼き物も!!
ほんでご飯が炊き込みご飯でまたこれも大好物!!
結構な量がおひつに入ってましたが、たいらげました。
椀物とデザートもついてるよー
どれも美味しくて、しっかり完食!
お腹パンパンです。マジで電車乗ったら妊婦さんと間違われて座席譲られるぐらいになりました。
これで、クーポン使って7,500円はお安い。
頑張ってここまで歩いてよかったです。
さぁ、3日目終了。明日も頑張って歩くぞー
本日の総歩行距離 33キロ
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地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。