※この記事は、2015年9月~2019年4月まで3年半かけて歩き遍路をした記録です。情報などは当時のものなので、現在と変わっていることがあるかもしれません。ご了承ください。
【前回の記事はこちら】
2015年9月22日
お遍路、3日目の朝です。
今日もいい天気。おはようございます。
本日は、11~12番のお寺をまわって、12番のお寺からは、バスで徳島駅へ行き、そのまま高速バスで大阪へ戻ります。
朝早いので、朝ごはんはお部屋でパンをガシガシ食べてリポビタンDを飲んで、いざ!出発!!!
昨日、いらん荷物送ったお陰でリュックが軽い!快適!大正解!
さて、まず目指すのは11番藤井寺。
ですが、お遍路ルートから外れているので、頼るべく道しるべはありません。
スマホのGoogleマップと、お遍路ガイドブックの地図を見ながら歩いて行きますが・・・
姉さん、事件です。持病発症しました。
速攻、迷子です。
ここ、どこーーーーーーー
どうやら、曲がり道分からず、まっすぐ国道沿いを歩き過ぎた模様。
仕方がないので、来た道戻って、交番見つけたのでお巡りさんに助けを求めました。
丁寧に道を教えてくださり、「何か地図があればいいんですが・・・」と地図まで探してくれました。
いえいえ、大丈夫です。お気持ちだけで結構です。
早速タイムロス。早めにホテル出て良かった。。
教えてもらった道を行くと
はい、標識発見。
朝一、住宅街を20分ほど。今度は迷うことなく、無事到着。
11番 藤井寺
弘法大師がこの地で修行をした後、自らの手で藤を植えたことから、この名が付いたというお寺。
朝早いですが、すでに参拝されてる方がちらほら。
本堂
大師堂
こちらは、白龍弁財天
白龍弁財天とは、八つの手を持つ龍で、金運、武術、芸術などの福を授けてくれるそう。
どうか私に武術を・・・
(どこで使うねん。)
この後は、いよいよお遍路さんが転がるほどの難所「遍路ころがし」と呼ばれる焼山寺への道のり。
山登りの前に、ここでお手洗い済ませておかないと草むらトイレになってしまう。
山門一度出て、トイレ済ませてまたお寺に戻る。
焼山寺への道のりは、藤井寺本堂脇にあります。
藤井寺に着いた時、一人男性が入って行くのを見かけましたが、その方も、もうずっと先を歩いてるでしょうし、まるで人の気配はありません。
「あせらずに 少し止まり歩く道 利他する心 生み育てつつ」
トイレはすませましたか?
はい!すっきり!準備万端です!!
それでは、焼山寺までの12.3キロ 山道。
いざ、出発!!!
普段、ランニングしてる身としては単に「12.3キロ」という数字だけ見ると大したことないな、とか思ってしまいます。普通に週末走る距離なんで。
でも、身軽なランニングウェアで平坦な道を走るのと、リュック担いで山登るのとは大違い。
歩き始めて数分で、私は心から思います。
荷物、軽くして良かった・・・・
昨日までのずっしり荷物のままだったら、多分歩き始めて速攻で後戻りしてました。
荷物送ってくれてありがとう、昨日の私。
そう思うと、何十リットルのリュックにテントから食料から全部詰めて、登山する人ってホントすごいな。
荷物の軽さと同様、お天気良好というところも足取りを軽くします。
この小さな祠には、お地蔵さんが。
この先、何体も、何体もお地蔵さんに出会います。
その全てとまではいかなかったですが、できる限り、手を合わせて歩いて行きました。
「無事、お寺に着けますように」
道は明るいし、道もはっきり分かりますがやはり、山。
しかも、人が全然いない・・・
何かあっても助け求められる人がいません。
何事もなく、元気に焼山寺へ着けるように。どうか、ヘビと蜂だけには出会いませんように。
・・・と思って歩いてたら、衝撃的にでかいなめくじに遭遇。
「ぬぉっ」
きしょく悪すぎて、写真には撮ってません。
長さ、私の手の平ぐらいありましたよ、マジで。
この山道、今まで同様お遍路案内目印があるのですが、それに混じって、色んなメッセージが書かれた札がぶら下がってます
心に翼 明日へ続け 遍路行
なんか、こんな感じで妙に恰好良かったりする。
ほどなく
へんろころがし1/6
まずは一つ目の登り。
最高の幸せと問えば 今 お遍路の自分なり
元気に、山を登って行ける。好きなことができている。
うん、幸せ。なんだか、山道、楽しいなり。(コロ助)
速攻、汗噴き出してきましたが。
ちなみに、荷物は軽くしましたが2日間、リュック担いだせいで肩がすれて赤くなってしまいましたのでタオルを肩にかけて痛みを和らげてました。
汗も吸ってくれて、一石二鳥。
マラソンの時に着る、汗取りベストの要領です。(この文化、特定の地域にしか見られないんですけど、小学校のマラソン授業のとき、フェイスタオルを二つ折りにして切って頭通してベストみたいにするんですね。で、それを体操服の下に着るんです。奈良の30年前の小学生は大抵これ着てたはず)
誰もいないことをいいことに歌とか歌ってみます。
♪歩こう 歩こう 私は元気ー♪
(一人で山道歩いてる時、大体この歌うたってます)
「元気」と言うことによって自分を鼓舞する作戦です。
わー。景色、綺麗!!
この後の辺りで、第一お遍路さんに遭遇します。出発して、30分。
久々に、人、見た。
休憩していたおじさんと挨拶交わして
私は先へ進みます。
はい!頑張ります!!
何度となく出会った「頑張ってください」のメッセージ。
毎回、心の中で「ありがとうございます!頑張ります!」と返事してました。
山で一人なのに、全然寂しくないのは、単に私が寂しいという感情が欠けた人間である、ということもあると思いますが(そもそも、それ、どうなん)
このお遍路さんへのメッセージがことあるごとに励ましてくれた、というのも大きいと思います。これ、普通の登山道じゃなかなかあり得ないですよね。
まぁ、元から一人が苦手なら、どんなに文字でエール送られたところで
無理なんでしょうけど。。
向かいから、おばさんが来ました。
「おはようございますー」と挨拶してすれ違いましたが、
・・・ん?あのおばさん、どこから来たんだ?
焼山寺への1本道と思われる山道。まだ前半。
焼山寺から下りてきたとしたら、5時前とかに出発しないと無理なんじゃないだろうか・・・
・・・謎の深まる遍路道。
このような土の道はまだ歩きやすいんですが
石は、嫌です。歩きにくさ、半端ない。
しかもなかなかの登り。
ぜーぜー。
がんばって前進
がんばって前進
(コール アンド レスポンス)
スタートして1時間50分。
地図上出てくる、最初の目印。長戸庵、到着です。
ようやく、人工建造物に出会いました。
お参りをして、ベンチに座って小休憩。
すると、来た方角から、トレイルランナーさんの姿が。
「おはようございますっ」と挨拶をして颯爽と駆け抜けて行きました。
一瞬で姿は小さく。あなたの前世は天狗ですか?
さぁ、私も頑張って前に進みましょう。
あー、気持ちがいいです。
こういう景色に会えると、すごく爽快な気分。
でも、基本はこんな感じで木に覆われた山でございます。
やっぱりやることないので、汗を拭きながら小声で歌とか歌います。
(ちょこちょこ人に出会うようになったので、恥ずかしくないように遠慮しだした)
♪や~まを飛び~谷を越え~♪
ニンニン。(ちょいちょい出てくる藤子不二雄ワールド)
登り、きつい!
焼山寺までは、3つの山を越えて行くのですが、それすなわち、登って、降りて、登って、降りて。
せっかく登ったのに、降りらさせるとすごく損した気分になります。
山の構造上、絶対的に仕方無いんですけど。
・・・こんなとこ、何が通ったんだ。
やはり謎多き遍路道。
へんろころがし3/6
2/6 ってどこにあったんだろか。。
長戸庵から約1時間。柳水庵に到着です。
こちらには、簡易宿泊所があります。
真夜中、真っ暗闇の山の中、一人で泊まれる勇気のある方はこちらへぜひ。
あ、みんながみんな、一人お遍路ってわけじゃないか。
数人いれば、ここでも楽しく泊まれる・・・かも。
こちらの前で、またまた小休憩。
すると、来た方からまたまたトレイルランナーさん。しかも、今度は集団で。
一気に賑やかに。
「お姉ちゃん、何時に出発したん?」とその中の一人のおじさんに聞かれたので
「7:30過ぎですかねー」と答えたら、
「おぉ!なかなか早いペースやん!すごいな!」と言われ、ちょっと調子に乗る。
・・・でへ。(きも)
トレラン集団さんに別れを告げて、一足先に、出発。
焼山寺まで6.3・・・・?
答:米へんに千で 「キロメートル」です。
(勘で大体分かるやろ)
丁度半分ぐらい来ました。約2時間で来れてるので、うまいこといけば4時間少々で行けるかも。
よしよし、いいペースだ。
日頃、ランニングで脚力と肺活量を鍛えていた自分を尊敬。
(大いなる自画自賛)
焼山寺までの前半はここまで。次回へ続く。
私が愛用していたガイドブックはこちら。
納経帳とほぼ同じサイズで、サブバックに収まります。
地図と各お寺の案内が書かれてるので、一冊あるととても便利。