えちこの旅ブログ

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【女一人歩き遍路】 旅立ち前の準備編

緊急事態宣言は解除されたものの、今だ大阪にはマンボウが発令されており(実際、今年に入って何かがずーっと発令されてるんで、もう今どういう状況?何発令中?って感じにもなってる。)加えて毎日雨続き。

旅行はおろか、ちょっと近場に山登り!とか、奈良とか京都でお寺巡り!っていう気候でもない。何だか鬱々とした日々が続く今日この頃。

 

新しい旅ネタもないので、過去旅を掘り返して新たにブログに上げていこうかなと思います。

旅が好きで、歴史が好きで、運動もそれなりに好き。

そんな私にヒットした旅先がありました。

 

それが四国八十八か所巡り」通称「お遍路」

 

今までそれなりに色んなところに行きましたが、私の友人・知人の中でこの経験をしたという人は私以外におりません。

 旅行で何か大きな達成感を得ることってそんなにないんじゃないでしょうか。

登山とかは頂上登って達成感!ってあるかもしれんけど。

私は個人的に「達成感」というものが好きです。しかも分かりやすければ分かりやすいほど。スタートとゴールがはっきりしていて、しかもその道中を自分の力のみでやり切らないといけない。マラソンが好きなのもそんな理由が一つにあると思います。

 

その理論で言うと、お遍路も全く同じ。

1番から88番の札所と呼ばれるお寺を巡り、全てまわる(お遍路ではお寺をまわることを「打つ」とも言います)と結願達成!!

歩き遍路を選択した場合、道中山あり谷あり。雨あり暑さあり。大変さを乗り越えつつ、目指したお寺にたどり着いた達成感はひとしお。

普段、電車やバスでびよーんっと目的地にたどり着く旅行では味わえない感情です。

(もちろん普段はびよーんっとたどり着く旅ばっかしてます。ってか、びよーんって何乗ってんの)

 

万人受けする旅ではないですが、大変さの中にも楽しさが沢山あった旅なので、その長かった旅路を振り返りつつ、改めてこのブログにアップしていきたいと思います。

 

  • そもそもお遍路とは?

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四国八十八か所巡り(四国遍路)とは、四国四県にある弘法大師空海ゆかりの霊場を巡礼する旅のこと。ただ、四国のお遍路が、いつ、何をきっかけに始まったかの定説はないそうです。
弘法大師空海四国八十八か所で悟りを開き、空海亡き後、弟子が大師を偲んで四国を遍歴したのが始まりと言われる説、衛門三郎という男が、修行中の大師に悪罵を浴びせたことを悔いて許しを求めて四国を巡礼したことが始まりと言う説、等々。

元々は僧侶が行うものでしたが、江戸時代頃より一般の人も行うようになったと言われています。

 

  • 何でお遍路したの?

それは突然の出来事です。ある日、本屋でお遍路の本を見たんです。
それまで、全然興味を持ってなかったんですが、その本を見た瞬間「イヒ!」と旭化成ばりのひらめきが。

安西先生・・・お遍路が、したいです。(byみっちー)

という訳で、突如の謎の閃きにより実行に移した訳です。そんな突然の思いつきで始まったにも関わらず途中でやめることなく最後まで歩き切ったのは、ひとえに私が途中で何かを放り出すのが気持ち悪くて、やめ時を見失う性格だからだと思います。(でも、仕事は案外躊躇なく辞めれる転職経験3回の人)

信心深くないといけないとか、仏教徒じゃなきゃいけないとか、やってみた経験上、現代のお遍路はそんなに敷居が高いものではないと感じました。

実際、私が出会った多くのお遍路さんは定年退職後の男性で、皆様一様に「人生の区切りに挑戦したくて」とおっしゃってました。

最近では海外から来るお遍路さんも多く(今はコロナでほぼいないと思いますが)国籍・宗派を超えて体験できる一文化なのかなと思います。

この風潮を快く思わない方ももしかするといるのかもしれませんが、(レジャー感覚で回ってんじゃねーよ!みたいな。)現代社会で敷居上げてしまうと、お遍路文化は衰退してしまうと思いますし、地元の方と触れ合ってみた感覚では皆様今のお遍路さんスタイルを受け入れて、応援?してくれてる気がしました。(実際、「頑張ってください」ってよく言われたんで、これは応援してくれてると言っていいでしょう。うん。)

 

  • どのようにまわるのか?

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お遍路の回り方には複数あります。

1番から88番まで一気に回ることを「通し打ち」
何回かに分けて回ることを区切り打ち
1番から回ることを「順打ち」
88番から逆にまわることを「逆打ち」等々

もちろん昔は、全て自分の足でまわっていましたが、最近は車で回る方も多いです。
(実際、私が行った時も大半の方が車で来られてる感じでした)

アーバスもあり、時期によってはお寺着いたら団体さんわんさか。
団体さんと一緒になると、納経所が混んで大変。私も何度か遭遇し、時には団体さんと一緒に読経上げたこともありました。(誘われて)
回り方に絶対的なルールはありません。

そんな中、私は、「歩き」「順打ち」区切り打ちをしました。

ただし、最初に言っておくと全て歩きで回りきった訳ではありません。

私独自のワープルール(詳細は今後のブログにて)や、バス、船、電車を使って移動した箇所もあります。なので、本当に全て歩き切った方からしたら「え?あのルート歩いてないの?そんなの歩き遍路で結願したとは言えないよ!この苦労しらずめ!!」と言われても仕方ない。はい、すいません。先に誤ります。ただ、全体の8割~9割ぐらいは歩いたかと思います。

2015年9月にスタートし、結願したのは2019年4月。四国と大阪を往復すること9回。

思いのほかかかりました。

 

  • 必要なものは何?

お遍路というと、上下白装束を着て、傘を被って、杖をついて・・・
というイメージが思い浮かぶ方も多いと思いますが、必ずしもこの恰好をしなければ
ならない、ということはありません。

ちなみに、白装束は巡拝途中で命途絶えた時、そのまま死に装束となります。
昔は、それだけ過酷で、覚悟のいることだったんですね・・・
杖は、弘法大師様の化身と言われています。

私は、白装束も、杖も、傘も買わず普通にお山行くようなアウトドアスタイルで歩いてました。
ただ、途中から白衣だけは着ておいた方が「お遍路さん」と分かりやすいのでいいかな、と思い上だけノースリーブのタイプを着用してました。

 

お遍路/四国巡礼用品 ショップ[いっぽ一歩堂]にてネットで購入。

 
その他の用品は、スタート前日に1番札所霊山寺にて購入。

買ったのは




左から
ろうそく 着火マン(ライターで火をつけられない人間です。怖いやん。火と指近いの) 線香 経本(お経が記載されてます) 納経帳(ご朱印帳です) 
納め札(日付、住所、名前を書いて納めます。住所は個人情報的に・・と不安があり
『大阪』としか書きませんでした)

以上。小物オンリーです。

これら小物を入れられるサブバックのようなものも売ってます。
(私は手持ちのバッグで代用)

参拝手順の中で、般若心経を唱えるんですが、お遍路始めるまで唱えたことなんかありません。
経本にはちゃんと振り仮名あるので読めるんですがなんか、般若心経って独特のリズムあるじゃないですか。
あれを学ぼうと思って、何回か家でyoutubeで流したんです、般若心経。夜な夜な。

でも、マンションの一室からお経が毎晩聞こえるって完全ホラーだな、と思ってやめました。(外に漏れ聞こえることはないと思うけど。)

なので、息継ぎの場もよく分からんまま、1本調子で始めは読むことにしました。ただ、回数を重ねるごとに何となくリズムや息継ぎのタイミングが掴めるようになりました。

 

あと、歩き遍路で必要不可欠なものは、「体力」です。正直、これ一番重要かも。

歩き遍路をするとなると、1日2~30キロ、多いときは40キロほど歩きます。しかも、ずっと移動するんで、荷物は背負ったまま。この荷物をいかに軽くするかが重要なんだと思いますが、着替えや道中の水分、(一応)女性ゆえ最低限のメイク道具とか、アメニティとか。で、私は大体5~6キロは背負ってたと思います。

その状態で、ときには数時間山道歩くこともあります。完全に登山です。ランニングで培った体力で乗り越えてましたが、40キロ歩くのと走るのとじゃまた違うんです。

余りにもしんどくて、道端で座り込んだことも数度・・・
もちろん1日あたりの距離を短くすれば、そこまでつらくもないんですが、そうすると日数がめっちゃかかるし。あと宿泊先が近場になければ宿を目指して歩く必要もあったり。歩き遍路の旅に出る前には、脚力を鍛えておくことをおすすめします。(あるいは、歩き遍路しながら脚力をつけていくという手段もありっちゃあり。)

 

  • 女性ひとりで危なくないの?

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(もはやシルエットだけなら女性なのかなんなのか。)

これ、たまに言われました。道中出会った方に「大丈夫?危なくない?」って。汗みどろのアラフォー女性の身を案じてくださりありがとうございます。って感じだったんですが、私自身危ないと感じたことは一度もありませんでした。

お遍路に限らず、昨年言った熊野古道歩いてるときもこういった心配のお声がけを頂いたんですね。そもそも一人で歩くとなると、万が一事故や病気で倒れたときに助けてくれる人が傍にいないという危険性はあると思います。でも、これは女性であろうが男性であろうが同じ。お遍路に限らず、一人で行動するケースいずれも同じ。

確かに遍路道を歩いていると「え?私知らんうちに人類滅亡した?」ってぐらい人に会わないことも多々あります。山道一人で「ここで倒れたら、何時間後に見つけてもらえるんやろ・・・」と思うこともあります。なので、そもそも一人でいるのが苦手。誰かがいないと不安という方は、家族・友人誘っていきましょう。ただし道中かなりの確率で喧嘩になるかもしれません。疲れるとさ、お互い余裕なくなるし。

朝早く歩きだして、暗くならないうちにその日の宿に着くというスケジュールを立てることが重要かなと思います。

あとは先ほど書いた体力。そして大事なことは無理をしないこと。極限まで無理して、足が痛くて一歩も動けません。(しかも山中で)これ一番怖い。

 

このコロナの状況下で、宿泊先や札所がどのようになっているか詳細分からないので、情報が異なることもあるかと思いますが、少しでもお遍路興味あるけど、いざ実際歩いてまわるってどんな道をどうやって行くの?という方がいれば、参考がてら読んでいただけると幸いです。多分、長くなります。お付き合いお願いします。(ぺこり)