熊野本宮大社を参拝後、そこから国道を渡って徒歩5分強の大斎原(おおゆのはら)へ。
大斎原の入り口にあるのが、展望台で上から眺めた大鳥居。
圧巻の大きさです。
ただ、この鳥居、私初見ではありません。
昨日、川湯温泉へ向かう途中のバスから見えました。なんなら、この日の朝も宿から発心門王子まで向かう車の中から見えました。
ただ、この距離で見るのは初めてなので改めてその大きさに圧倒されます。
向かって歩いて行かれる人と比べると、その大きさがよく分かる。
鳥居には、シンボル八咫烏。
現在の熊野本宮大社は、明治22年の大洪水で流出を免れた社殿を移築したもの。
元々は、ここ大斎原と呼ばれる場所に熊野本宮大社はありました。
中は神域ゆえ撮影禁止となっております。
こちらには、流出した中四社と下四社を祀る石の祠が建てられてました。
大斎原へ行ったのち、世界遺産熊野本宮館へ。
姉妹道であるスペインのサンディアゴ・デ・コンポステーラのシンボル、ホタテ貝。
昨日、迂回路を歩いたがために押せなかった猪鼻王子のスタンプを押してもらいました。
そして、滝尻王子から熊野本宮大社まで歩いた旨を伝えると、記念のクリアファイルがもらえました。
はい。こちら、2泊3日かけて集めたスタンプでございます。
一つ、異常にうっすらしてもはや裏から透けてるんじゃないかぐらいの存在感のやつありますが。
サンディアゴ巡礼と両方歩いて共通巡礼達成者として登録する場合、こちらの場所で手続きとなります。
私はまだ熊野古道歩いただけの人ですからね。クリアファイルで十分です。
いつかこのスタンプ帳を手にスペイン歩きに行きたいです。
ここで全てやるべきこと終了。
あとはこの熊野本宮館前から出てるバスに乗って、紀伊田辺駅へ戻ります。
バスの時間まで50分ほどあったので、こちらの中の展示をプラプラと見て回りました。
とてもサンディアゴ巡礼行きたいゆえ、サンディアゴ巡礼に関する資料だけ写真を撮ってた。
昔は「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど、人々が連なって巡礼の旅をしていたよ、の模型。
今と昔じゃ大違い。
3日間で熊野古道の道中出会った人、10組程度かな・・・
しばらく展示見たり、外に出てお菓子ぼりぼり食べたりして時間を潰し、12:17分本宮大社前発のバスに乗り紀伊田辺駅へ。
2泊3日かけて歩いた38キロ、わずか2時間弱で到着。
紀伊田辺駅13:50着。動力万歳。
天王寺行きのくろしおが14:45発ということで、時間に余裕がかなりある。
駅の待合で座って待ってるだけじゃもったいないので、駅から10分ほどの場所にある闘鶏神社へ行くことに。
こちら、2016年に世界遺産に追加登録された神社です。
熊野三山のすべての御祭神が勧請されており、熊野三山の別宮的存在。
昔から熊野三山まで歩くのが大変な人が、代わりにこちらへ参拝していたそうです。
本殿前で写真撮ってたら、ボランティアガイドさんが「良かったら説明しましょうか?」と声掛けてくれました。基本的に時間に余裕がある限り、ガイドさんのお話は喜んで聞くタイプです。
電車の時間がある旨伝えると、「じゃー、その時間に間に合うようにしますね」と言ってお話くださいました。
この神社の名前の由来。
それは、平家物語によるもの。
源平の戦いが激しくなるにつれ、当時最強と言われた熊野水軍は両者から味方につくよう要請を受けていました。
その熊野水軍の統率者であった熊野別当湛増(たんぞう)は、あの武蔵坊弁慶の父と伝えられているお方。
弁慶は義経の命を受け、田辺へ赴き熊野水軍が源氏側の味方につくよう説得します。
どちら側に着くべきかの神意を確かめるため、湛増は白い鶏(源氏)と赤い鶏(平氏)7羽を戦わせます。結果は白い鶏の勝利。
そこで、湛増は源氏側への加勢を決意します。そして、源氏勝利に大きな役割を果たしたと言われています。
そんな一場面を再現した銅像。
湛増さん、ほぼ陰。
というか、息子直々の頼みより、鶏の勝負を重要視したお父さん。
結果的には良かったけど、息子弁慶の立場よ・・・
紀伊田辺駅の前にも弁慶像があって、「何で弁慶ここにいるんだろ~?」と思っていた私。なんの予備知識もなくここに来たので、その背景が分かり非常に勉強になりました。(まぁ、来る前にググって調べて来いよって話ですが・・・)
あと、手水所の屋根と一の鳥居は、伊勢神宮の式年遷宮の折、譲り受けたものだそうです。
ガイドさんの説明がなければ、知らずに通り過ぎてました。分かりやすくためになるお話でした。しかも時間にも気を使っていただき、ありがたい。
熊野本宮大社と違ってこちらは人が少ないからか、この時期でも直接御朱印に手書きしてもらえました。
対応してくださった宮司さん(?)に「歩いてきたんですか?」と聞かれ、2泊3日で歩いたこと、山が結構しんどがったこと、人がびっくりするぐらいいなかったことなどなどお話。
とてもにこやかに私の話を聞いてくださいました。
何かいい神社だな~ここ。
正直、時間が空いたのでせっかくだからぐらいの感じで足を延ばした場所でしたが、ほんと来てよかったです。
やはり闘鶏神社の方もおっしゃることは、海外からの観光客がいなくなり、人がぐんと減ってしまい寂しいということ。
今こそ!日本のみんな、熊野へ!!!
3日間ともお天気にも恵まれた熊野古道の旅。いい体験となりました。
中辺路以外のルートで歩いてみたいところも見つけたので、また来年あたり行ってみたいと思います。